ロードランナーMSX版:ガソリンスタンドのアルバイトで(ゲームつくる日々4)

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1984年大学3年生。
ふだんは慎重派なのだが、単発のアルバイトでは無鉄砲だった。アルバイトの良いところは責任が生じないことだと考えていたし、飽きる前に終わる。嫌だったら途中で抜け出せばいい。いろいろな体験ができて面白いし、わずらわしい関係性に悩まされることもない。

そのバイトは、時給が良かった。
場所はガソリンスタンドだが、顧客名簿のプログラムを作るアルバイトだった。資格の欄に「プログラム技術」、その他の欄に「採用面接あり」と書いてあった。
プログラム技術など持っていないが、あまりにも時給が良いためダメ元で申し込んでみた。

ガソリンスタンドの事務所で、面接が行われた。5人が並んで座って、あれこれ質問された。どうやらBASICというプログラム言語で顧客名簿を作るアルバイトで、(わー、本格的にプログラム技術が必要なヤツじゃないか、ダメだわこりゃー)と思いながら面接を受けていた。

「で、プログラムはできるの?」と6人が聞かれて、はしから答えていった。ぼくは「ほんの少し」と答えた。ほんの少しもなにも、プログラムなんて全くしたことはなかった。アルバイトを始める前に「ほんの少し」勉強すれば嘘になるまいと思ったし、もう面接で落ちると思っていたのだ。

が、面接が終わって、その場で5人採用が決定になった。帰り道が同じだった人に、こわごわ「実はプログラムできない」と告白。「バカかーおまえは」と言われるが、「バイトはじまるまでに勉強しとけよ」と彼は親切に教えてくれた。
本だけで勉強するのはムリだから、やはりパソコンを買って、自分で打ち込みながら勉強するのがよい。パソコンはMSXというのが安くて4万円で買える。本は、これこれこういう本がオススメ。

4万円、バイト代がとんでしまう。だが、しょうがない。それにパソコンも欲しかったので、いい機会だと考えて買った。ススメられた本も買った。

だが、ついつい同時にゲームソフト「ロードランナー」も買ってしまったのだ。(続く)

*記憶も曖昧で、思い出したことがどれほど正しいのかは心もとない。が、「だったと思う」「かもしれない」みたいな語尾になると読みにくくなるので、「どうだったかなー」という部分も断定して書いている。また当時の状況、ゲームなど、今となっては判りにくい部分もあると思う。そこで、以下に補足解説をつける。

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