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『1999年の夏休み』と『トーマの心臓』大熱波ラジオ1

こんちにはこんばんはもしくはおはよう。大熱波ラジオ、テキスト版、第1回目です。
ゲーム『BAROQUE』の企画監督脚本の米光一成がお届けします。
基本的に #大熱波ラジオ でツイートしたものを眺めながら、つれづれなるままに「BAROQUE」っぽいものを語っていく企画。

noteの「表現道場マガジン」内の企画としてスタートさせました。ラジオっぽく喋っていく感じで書いていきたいと思っています。

#大熱波ラジオ でリクエストや質問を送ってもらえれば答えます。あー、イラストとかツイートしてくれたら紹介するなんてこともやっていきたい。

初回は、BAROQUE制作に大きな影響を与えた映画『1999年の夏休み』からスタートして、数珠つなぎ/呪術つなぎに、いろんな作品を紹介します。

『1999年の夏休み』

『1999年の夏休み』は金子修介監督1988年作品。つまり上映の時点では、1999年は未来。
『BAROQUE』映像の声が高山みなみさんなのは、この映画リスペクト。

『1999年の夏休み』は、画面に登場するのは4人のみ。少女4人が4人の少年を演じています。深津絵里さんのデビュー作、則夫という少年を演じています。則夫以外の少年の声は吹き替えで、高山みなみさんは、そのうちの1人、薫の声を当てていました。

『BAROQUE』のナレーションの収録のとき、高山みなみさんに『1999年の夏休み』のことを話したら、めちゃくちゃ懐かしがっていました。声優初期の仕事だったそうです。

『1999年の夏休み』の音楽は、中村由利子さんのピアノ曲。めちゃくちゃいい曲で、ゆったりとした気分のときによく聞いています。

たしか『1999年の夏休み』の4人が花火をしている場面で流れる曲です。中村由利子さん「ファンタジア」。


ヘッセ『デミアン』

映画『1999年の夏休み』に、ヘッセ『デミアン』から引用されたセリフがあります。
「僕らは卵から生まれた少年と言う名の鳥なんだよ。卵は世界だ、生まれようと欲するものは一つの世界を破壊しなければならない。鳥は、神に向かって飛ぶ」
ふりかえって考えると、これは、まさに天使虫のことではないですか!

『1999年の夏休み』やヘッセ『デミアン』のトーンは、『BAROQUE』のセリフのトーンに大きく影響を与えています。

『トーマの心臓』

映画『1999年の夏休み』は、萩尾望都『トーマの心臓』の翻案です。『BAROQUE』で落下した兄/弟を受け止めると羽根になる幻視場面は、『トーマの心臓』のトーマ転落死の幻視場面リスペクト。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」

『半身』

萩尾望都「半神」は、神のいたずらで結びついた2人の姉妹を描いた短編。これも、BAROQUEの主人公兄/弟に影響を与えています。

野田秀樹が「半神」を戯曲化していて、こちらも傑作。

野田秀樹「パンドラの鐘」からもインスパイアされていると言いたいところだけど、1999年の上演みたいなので、タイミング的に直接的な影響は受けていません。

1991年に、野田秀樹の「透明人間の蒸気」を観たとき、わけがわからない!ってなりながらも涙が止まらなくて、影響を受けまくっています。

では、また。#大熱波ラジオ でリクエストや質問があれば、月一ぐらいでお届けしたいなーと考えています。

以下は内緒の蛇足。

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