見出し画像

「光よりも遅く」爆弾をしかけられた

ヒューマンアカデミーのシナリオ科の授業9回目は、「光よりも遅く」というストーリー創作ゲームをプレイした。
正式なルールは、ゲームポエムアーカイブスを参照してもらうとして、ここではプレイするときの様子をふくめてルールを紹介しよう。

プレイヤーは、宇宙海賊だ。隕石の衝突により脱出ポッドで各方面に散らばってしまうという設定。
6人はお互い通信することができる。
各自メモ用紙に通信文を書く(宇宙電報をイメージしてくれたまえ)。書いたら二つに折って、誰宛てかを表に書く。
全員が書いたら、宛名の相手に通信文を渡す。
これで1ターン。
最初はさぐりさぐりメッセージしている者が多かった。「別れのときに屁をこいたのはおまえか」とか「好きだった」とか。
ひとりナノカがイマーノに「爆弾を仕掛けた」とメッセージする以外は。

2ターン目以降は、お互いの距離が離れていくので通信が届くまでにタイムラグができる。違う相手なら1ターンで届くが、同じ相手にメッセージを出すときはすぐには届かない。
同じ相手にメッセージする場合は、宛名の前にチェックボックスをつける。2回目ならチェックボックス1つ、3回目なら2つ、4回目なら3つ、と、どんどんチェックボックスは増えていく。
そして、チェックボックスがある場合は、違う相手にわたす。
チェックボックスがついた通信を渡された人はそれを盗み見ることができる。チェックボックスにチェックを入れて、すべてのチェックボックスにチェックが入っていたら宛名の本人にわたす。
つまり、同じ宛名に何度も出す場合は、何度も他の人を経由して盗み見られるうえに、本人に届くのは何ターンも後のことになる。

サンたちは8つの宝石フェニックスボールの話題で盛り上がっている。地図は誰が持っているのかと探っている。サガは「爆弾」や「殺られる」といった不穏なワードを傍受するが、最初に受け取ったのが屁の話題だったため、その延長線の冗談かと思っている。

最初は秘密のやりとりもできるが、どんどんそれが不可能になり、全員が全員のメッセージを知ることになる。
これを12ターンぐらい続けて、終わりになる。
最後のメッセージは、タイムラグが一番大きい。受け取っても、家に帰るまで見ることができないのだ。

終盤で、「フェニックスボールこそが爆弾だ」という衝撃の事実がテッラから明かされ、しかも地図だと思っていたものは、爆弾の解除法だと判明する。
フェニックスボールを6つも集めたイマーノは、それが爆弾だと知ったときには時すでに遅し。爆発する。解除法はタイムラグによって他人のところを回っている。リヒトやサンたちは、その爆発を離れつつある宇宙船から眺めている……。

光よりも遅く」、おもしろいし、紙とペンだけで遊べるので、ぜひ遊んでみてください。

ここから先は

198字
・オンライン講座「ゲームづくり道場」をほぼ毎月1、2回。 ・創作に関する記事 ・メンバー特典記事 ・チャットでの交流

米光一成の表現道場

¥800 / 月 初月無料

記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。noteの機能で初月無料もできるのでぜひ。池袋コミュニティカレッジ「…

サポートいただいたら、記事に還元できることに使います。表現道場マガジンをよろしく! また、記事単体で購入できますが、月額800円「表現道場マガジン」がお得です。