「和七」って何と読む?裏話

エキレビの連載「「この漢字何と読む?」との問いは正しいのか「和七」って何と読む?米光一成の表現道場」の第四回目更新。

前回の「何と読む?「竜髭菜」「鳳梨」「珍珠」夏の難読くいしんぼ編」に対して、

“鳳梨はパイナップル、珍珠はタピオカ(のボール)のことだとしても、(日本で)鳳梨をパイナップル、珍珠をタピオカと読むかどうかは別問題では? 基本的には中国語圏での名称だろうし。”

というコメントがついたので、それに返答しました。

中国圏の名称を日本語じゃないとしちゃうと、漢字を使った言葉のほとんどが使えなくなる。かといって、中国圏の名称すべてが日本で使われているわけじゃない。
なので、実際に日本でそう読むかどうかを調べて書いてますよーという応答。

それに加えて式亭三馬が「小野愚嘘字尽」(←これ、実際の漢字表記は違っているんだけど表記できないので現代語訳した)で出した漢字クイズから「和七」を出題。

これぐらいの軽い記事を調べるにも、書いている間に次々と疑問がでてきて、調べごと多数。漢語とは何だろう。漢名と漢語の違いは。日本語とは。みたいな疑問になると調べきれるものでもなく、まーたいへん。

それに付け加え、今回は式亭三馬も調べ始めたりしたもんだから(「恐れ入谷の鬼子母神」は、式亭三馬がつくった駄洒落らしいです!)、時間かかるかかる。時間かかるわりには、削り落として、すっきりさせてるからヒマネタみたいにも見える。ぬあー。

余談。調べ物をしている最中に、興味が湧いて、また調べたいことが増えていく。たとえば、アイルランド語の現状なんてぜんぜん知らなかったから驚いた。

アイルランドでは土着のことばであるアイルランド語(「ゲール語」に同じ)を日常的に話す人は人口の2%にも満たない。その人たちとて、今日ではほぼ全員が英語を理解し、話すことができるバイリンガルの話者である。その2%の人たちの多くが住む地域はアイルランド語使用地域(以下、「ゲールタハト」Gaeltacht)として指定されている。(『言語接触: 英語化する日本語から考える「言語とはなにか」』

しかも、この本(『言語接触: 英語化する日本語から考える「言語とはなにか」』)、最後に「読書案内」の章があって、オススメのほんがずらっと並んでいる。わー、読みたい本が増える増える。

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