『ヒトの目、驚異の進化』は、色がある理由、錯視が生じる理由、目が前にしかついてない理由などを大胆に新しく解釈して、へー×100となる驚異の本

『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』がkindle半額セール中だ。


『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』は、米光勉強会で読んだ本だ。

以下、米光勉強会で、『ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ』について書き込んだテキスト。


第1章 感情を読むテレパシーの力
第2章 透視する力
第3章 未来を予見する力
第4章 霊読する力
と章タイトルは、オカルトっぽいですが、内容はいたって科学的(だと「はじめに」で述べている)。
人間はなぜ色覚を持っているか。なぜ目が前向きにについているか。なぜ目の錯覚を起こすのか。なぜ文字はみな現在のような形をしているのか。という4つの疑問を解いていく(それぞれが4つの章になっている)という構成で、大胆で新しい解釈が繰り出される。最後、「文字は自然を模倣して作られた」って展開していくよー!

第1章。ヒトの目は肌の色の変化を見極めるために進化してきいたの章。

人間の目は肌の色の変化を見て取る目的で進化してきた


肌の色を目にする経験は他の色を目にする経験とは違うのだ、という例証がおもしろかった。たしかに!みたいなことが連打される。
・肌色が分類できない問題
・38度と37度はほぼ同じなのに38度を熱いと知覚する問題(黒人と白人の肌の色のスペクトルは事実上同じなのに全然違って見える)
・怒った顔は赤く塗られる問題
・肌の血液の量と血液の酸素飽和度の問題
・色覚異常の男女差
で、そのあと虹の色から、色の構造の話。フォトショップとかで色を選ぶときの色配置がどういう意味かようやくわかった! フォトショップで色を選びながら読んだ。
この色構成が、目の構造と、肌色の認知とどうシンクロするか。
第1章から大ネタが繰り出された感。

第2章前半。おお、グイっと面白くなってきた。なぜヒトの目は2つあって前方についているのか。コンピュータのデスクトップがコンピュータとのやりとりをしやすくするために作られたものであるように、我々が見ている世界は我々が世界を生きやすくするように作られたものだという第1章で出てきた例えが力を増してくる。
目が2つあるのは立体視のためだっていうのはあんまりそうじゃなくて(ここの論証も説得力がある)、右目で観ている眺めと左目で観ている眺めを合成してひとつの映像を作るため(サイドミラーの譬えが秀逸)。透視術がここで効いてくる。
テレビゲームの画面が単眼の世界とシンクロさせて語られるのも分かりやすい。

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