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Y:93 数字との付き合い方

2023.12.23

いつの頃からか、数字(データ)が好きになった。こういうコースを取ったのも、もっと数字(データ)をうまく扱える様になりたいと思ったからだ。

ちなみにこの記事は、今年、私のnote中で今年最も読まれたものらしい。私が受けた時は英語版しかなかったが、今年?日本語版も出たのか、その辺りからこのnoteを見る人が増えたのかもしれない。

なぜ数字が好きかというと、数字は公平で、見えないものが見えるようになるからだと思っている。

例えば、「大きいシュトーレンを買ったんですよ」と言って、私とあなたの思う大きいシュトーレンはどの程度のものかわからない。だけど、「20センチぐらいのシュトーレンを買ったんですよ」と言えば、私とあなたのイメージはある程度共有できる

数字は、始まりと終わりを作ることができる。12月の今頃になると、床屋に行く人が多くて予約が取りにくい。これは2024年1月1日を迎える前に、きれいな姿でいたいという人が多いということなんだろう。

12月31日1月1日も基本的には同じ1日なのに、そこを区切りにして何か違うものの様に扱えるのは、数字があって、暦が作れるからだ。時間、重さ、長さ、体積、お金、何もかもに数字がついている。

数字があると順位も生まれる。試験も数字がないと意味をなさないだろう。

数字はいつも安定している。今日の1センチと明日の1センチに違いがない。そんな数字を信頼している。数字があることで、世界の認識を他者と同じ(近い)ように共有できたり、比較することができたり、世界をはっきりと見えやすくしてくれるから数字が好きなのだ。


職場の勤怠管理システムが、今月、私の残業が多いことを教えてくれた。前職に比べれば、今年はだいぶん労働時間が少なくなった。今月は諸々が重なって、やむなく残業が多くなった。不思議なのは前職と同じ時間残業しても、去年と今年では同じ時間数なのに心身のあり方はずいぶん違う。

睡眠(追跡)アプリを使っていて、毎日、睡眠の質がどうだったか100点満点で点をつけてくれる。だいたい、85点前後が多い。よい点を取るために、アプリが推奨する様に寝る前3時間は食べないようにするし、寝る直前は携帯電話も見ない様にしている。

今月は残業が多くなって、仕事が終わる時間も遅くなり、夕飯を食べる時間も遅くなった。加えて、疲れて空腹なのもあって、スーパーで揚げ物を買って食べ、すぐにお風呂に入って、遅い時間に寝るということをしていた。

朝起きて、いつもより胃が重いし、睡眠時間も6時間を切っているしこれは点数が悪いだろうなと確認すると90点を超えていた。

いつもの85点より、総睡眠時間は短い。私は寝足りない気分だが、アプリは90点だと言っている。

先ほどは、数字はいつも同じものを見せてくれると書いたが、この勤怠管理システム、睡眠アプリの例は数字は同じなのに、何か別物のように感じたり、事実と異なる値を示すということだ。

これが数字の怖さというか取り扱い注意な部分だと思っている。

数字は嘘をついているわけではない。私は確かに去年と同じ時間数残業した。間違いない。睡眠アプリにしても、私の昨日と今日で点数の付け方を変えたわけではなく、就寝中の心拍数等から90点と算出している。

数字が信頼できる一つの理由は、常に同じものさし(基準)で測ることだ。だから、昨日と今日、AとBを比較できる。

ただし、それは物事のある一つの側面を測るものさし(基準)だということだ。確かに長さ20センチのシュトーレンは、Aというお店、Bというお店で同じ長さだ。その意味では同じシュトーレンだが、重さを測ってみたら、片方は500g、もう片方は250gだったら…これは食べたらずいぶん印象が違いそうだ。

勤怠管理システムの画面に出てくる残業時間も、昨年と今年で変わることはない。ただ、私の気分で見ると昨年と今年はずいぶんと質が異なるものだ。

睡眠アプリにしても、単純に寝る時間の長さが点数に表されるわけではない。いくつかの基準があってそれが点数が算出されている。ただ、その基準が私の睡眠の質に対する実感と全く同じというわけではない。

語学のテストも、一つのテストで、その人の語学力が完全に表されるわけではなく、そのテストの基準において、どの程度かがわかるだけだ。

数字(データ)は、どちらかと言えば客観的なものとして扱われる。それゆえに、数字を見せられるとそこに正しさ(信頼)があるように見える。また、そこだけに注意が向けられがちだ。しかし実際は、それがいくつか(場合によっては無数)にある基準の一つを数字で表したものであるということを、いつも頭の隅に置いておくべきだろう。

そうしないと、数字に合わせて理由(ストーリー)を作ってしまうからだ。そういうことをしてしまうと、数字が一人歩きを始める。

情報と向き合うとき、ストーリーもとても重要だ。次はストーリー(物語)
について書いてみようと思う。
書いた。↓


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