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L:42 歳をとることはペンローズの階段のごとく

2023.10.23

前回の誕生日から1年が経った。また一つ歳をとった。年齢をゲームのレベルに例える人がいる。そうすると、加齢をポジティブに捉えられるということらしい。

そういう見方に近いかもしれないが、私はなんとなく「螺旋階段」が自分の年齢を重ねることに近いイメージだった。毎年、似たようなことをやりながら、起こりながら、少しずつ上に登っていく、そういう成長観を持っていた。

いわゆる、右肩上がりの直線的な成長観よりもう少し、遠回りな緩やかな感じでそれが実態にあっているような気がしたが、この1年で思ったことは、「螺旋階段」というより、「ペンローズの階段」だ。

名前は知らなくて、私もこれを書くにあたり調べたのだけど、階段の錯視のやつだ。上がっているようで上がってない。エッシャーの階段とかで調べても、見たことあるのが出てくる。

ペンローズの階段

歳を重ねて、経験が増えて、それがいろんなところに効いてくると固く信じて(笑)、歳を重ねているのだけど、どうも実態は登っているようで登ってないかもしれない。

昨日、ふらふらと街を歩いていたら、倒れそうになるぐらいお腹が空いてしまった。このひと月ぐらいずっと、インドカレーというかナンが食べたくて、機会をうかがっていた。Google Mapで調べたら評価の高いお店が近くにあったで行くことに。

カレーの辛さが選べるらしい。私はもっぱら「普通」を頼む。そんなに辛さに強い方ではないからだ。しかし、昨日は誕生日の1日前ということで、歳をとることで保守的になってはいけない、新しいものに挑戦しなきゃと変に意気込んでいて、欲張りな2種類カレーセット「中辛」を頼んだ。

2種類カレーセット

味はおいしく、ナンも期待通り、マンゴーラッシーもちょっと辛めなカレーにはちょうどよかった。すべてが思惑どおりで満足度が高かった。

さて、お腹も満たされ、家に帰るかと電車の改札を入ったところで、お腹の中でちょっとした騒動が起こっていることに気がついた。胃腸の弱い私にはよくあることだ。これは寄り道せずに、早く家に帰ろうと思った。あと5分で電車が来る。

休日なので、家に帰るには普通(各停)電車で帰らなければいけないのだが、どうも私の胃腸の状態は快速電車な雰囲気が漂っている。

正直、こんなの何度も経験している。なめるなと。44年、この胃腸の弱さと付き合ってきてるんだと。こんな時は、絶対に「家に帰るまで、なんとかなる」とは思ってはいけない。ナンとかならないのだ。

⚠️以下、下ネタ進行となるので、読むの気をつけてください。

私は即決し、電車を待つのをやめトイレに行くことにした。

日曜日。駅のトイレ。まず、空いていない。これぐらいは、想定の範囲内だ。颯爽とさっき入った自動改札(入場券扱い)を出て、駅ビルの目的地に向かう。

駅ビルのそこもやはり、空いていなかった。待つという手もある。ただ、そんなに悠長に待っていられるほど、胃腸の快速電車は遅くない。終点に向かっている。

この快速電車には波がある。この波をよくよく理解する必要があるし、安易に信じてはいけない。なんか大丈夫かもと思った1分後に急発進することもある。あと、案外歩いている方が、楽なこともある(個人の感想です)。それに歩みを止めると、電車の動きにしか気持ちがいかなくなる。だから、歩けるうちは探す。

駅❌
駅ビル❌
ユニクロの入ったビル❌
3連敗だ。最近、涼しくなって長袖を着てきたのに、既に汗だくになっている。ここにきて、私は空きっ腹に、スパイスの効いたカレーを食べたことがこの事態を引き起こしていることに気がついた。なんと愚かな自分だろう。

反省は後でもできる。とりあえず、快速電車をどうにかしないと、43歳最後に日に、とんでもないことになってしまう。

ユニクロの近くに東急百貨店があった。ここで、勝負が決まるだろう。デパートは構造上、各階に目的地があるし、うまく階を選べば、空きがありそうだ。

ここは間違いなく目指すは「婦人服売り場」だ。ライバルの男性は少ないだろう。エスカレーターは使わず、階段で目的地を目指す。

3階。婦人服売り場。女性用のみ。目的地なし。
このパターンか。この辺りまで来ると、神様にお願い状態になってくる。普段、大して信心深くないくせに、お腹が痛い時だけ、神様に祈る。そんなのだから、こんな目にあっているのかもしれない。

なんとか4階まで行くが、まさかの❌、既に4連敗。もう、ここで待つしかない。もう歩けないのだ。宙を見上げるしかない。全ての閉じる力を一点に集中するしかない。


43歳の日を無事に過ごせた。感謝しかない。

ようやく家に帰って、熱を持った胃腸に、大正漢方胃腸薬を施す。なんなら、これもスパイス的な匂いがする。

話は「ペンローズの階段」だった。
よりによって、空きっ腹に、いつもより辛いカレーを食べるということをしてしまい、浅はかな自分に落ち込んでいる。生肉とかラーメンとかでもお腹を壊すことがあるのに、なぜ、そんな刺激物を。経験したのに学んでいない、登ってない。下っているのである。胃が。

経験値が増えているなんて、簡単に安心しちゃいけない。単純に登り続けるわけでもない。上がったり、下がったり、同じところをぐるぐるまわってるだけなのかもしれない。

44歳。一つずつ階段を登れますように。健やかな成長と整腸を。

いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!