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ヨンゴトナキオク44 2021.10.4

サルビアはやっぱり赤い花だわ

10月4日の誕生花はサルビアだそうです。サルビアというと夏のイメージがありますが、初夏から秋まで長く開花し、特に真っ赤なサルビアは華やかで花壇でも大変映えます。そう、家の中で花瓶に入れて飾るというより、花壇に咲いている圧倒感が似合いそうです。

あの深紅。赤いというより紅い感じですよね。紅いサルビアはよく歌の題材になります。花言葉は「燃ゆる思い」「エネルギー」。思いあまって、ちょっと危険でさえあります。歌で思い出すのが『サルビアの花』。オリジナルは早川義夫さんという方らしいのですが、1970年代、ラジオっ子だった私がよく聴いていたのはおそらく「もとまろ」という女性のフォークグループ版だったようです。

「だったようです」というのは、当時は私もまだ小学生でしたし、ラジオから流れるレコードの情報はわからないまま聴いていたんですよね。だいたい、歌詞の内容もなかなかにエキセントリックで、よく分かっていなかったと思います。歌の主人公は男性。今でこそ理解できますけど、というか、一方的に好きだった彼女の部屋に紅いサルビアを投げ入れたり、結婚式に押しかけたり、あまつさ泣きながら転げながら彼女を追いかける、なんて何だか危ない歌じゃないですか。ところが、何故かみんなこの曲の世界に惹かれてしまうんですよね。それが証拠に、ありとあらゆる歌手がカヴァーしています。youtubeで一度聴き比べてみたいような、みたくないような(笑)。

でも、それもこれもサルビアの紅さゆえ。声楽の世界でもサルビアは歌われております。その名も『サルビア』。作曲したのは、『小さい秋みつけた』や『夏のおもいで』などでも有名な中田喜直。けれども、この曲にはそんな優しさは微塵もございません。詩を書いたのは堀内幸枝という女流詩人。なんと私が生まれた1960年、中田氏37歳、堀内氏40歳の時の作品です。ピアノの前奏からして激しいです。もちの論、男女の激しい愛憎を思わせる歌詞もなんともエロティックと申しましょうか。1960年という年に何か時代背景はあるのでしょうか。気になります…。

始まったらあっという間に終わりますが、それだけに鮮烈です。熱いような冷たいような曲調。最初、生の演奏会でこの歌を聴いた時は、あっけにとられ、曲を味わうどころではありませんでしたが、聴けば聴くほどぞわぞわっといたします。事ほど左様に、あの空に向かってすっくと立つサルビアの花の形と色の紅さに芸術家は心を揺り動かされ、想像力を掻き立てられるのでしょう。それにしてもまぁ、ピアニストや歌い手の技量も試されているような作品。素人にはとても踏み込めない境地です。ちなみに中田氏は2000年に76歳でお亡くなりになっていますが、堀内氏はいまだご健在とのこと。つまり、100歳を超えておられるのです。なんというご長寿でしょう。大正、昭和、平成、令和と激動の時代を乗り越え、紅いサルビアの如き、情熱的な人生を送ってこられたのでしょうか。ちょっと彼女の詩集を開いてみたくなりました。

それに比べると、ブルーのサルビアは落ち着いたものです(笑)。

アメジスト・セージとも呼ばれるそうですが、こちらの花言葉は「尊敬」や「知恵」だそうです。なんだか、ホッといたします(笑) パッと見、ラベンダーにも似ていますね。そうそう、今の時代、「尊敬」も「知恵」もすっかり忘れられておりました。嘘や欺瞞がまかり通ってきたこの数年間。折も折、今日10月4日に第100代目の総理大臣が誕生いたしましたね。ええっと、なかなかすぐに名前が出てきません。あ、岸田さんでしたね。どうもその前に3A氏の傀儡となった姿が先に現れて、なかなか顔もすっと出てこないのですよ。お若い頃は確かにハンサムでした。「男の顔が履歴書である」とはよく言ったものです。そういえば、あれほど苦みばしって、肝心の時にニコリともしないのに、「笑ってはいけない」場面で妙にニコニコしていた前首相のガースー氏が花束を手に権力の座が下りようとされている顔がすっかり好々爺みたいになっているのを見るにつけ、やはり「いるべき人」ではなかったとつくづく感じさせられました。岸田総理は就任会見で自分の政権を「新時代共創内閣」と命名し、地元の広島愛を盾に「核のない世界を目指す」と公言されました。スローガンがいつのまにか「狂想内閣」にならぬよう、そして欺瞞の一歩にならなければいいのにと祈るばかりです。どうか正しい知恵を結集し、国民から尊敬される首相であっていただきたいのです。また総選挙の投票日を10月31日でいこうとお考えとか。その報道にふと一抹の不安を感じずにはいられません。かつて三日天下なんて言われた明智光秀ではないけれど、1ヵ月総理、なんてことにならないとも限らなかったりして。この上は、花言葉にあやかって、どうぞ首相官邸にはブルーサルビアを絶やさぬようになさっていただきたいものです。





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