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ヨンゴトナキオク51 2022.4.4 「4=よん」は幸せの数字

~『カムカムエヴリバディ』のゆくえ~

今さらですが、今週で終わるNHKの朝ドラ『カムカム エヴリバディ』をご覧になっていますか?昭和・平成・令和に生きる女性3代の物語。最近の朝ドラは意図的に主人公の相手役にイケメンをヒューチャーし、沼にはまらせる手法が目立ちますが、このドラマではイケメンをちらつかせながらも、役の中にしっかり落とし込み、あえて話題性重視にはしていません。むしろ、主人公の人生にがっつり焦点を当て、視聴者の関心を一心に集めてきました。フィクションなのに、まるで実在する3世代の人生を追体験するような、現実にはそんなことは不可能なのに、それをさせてくれているこのドラマの沼にはまっているような半年間でした。終盤に奇跡の伏線回収が次々になされてきましたが、あと4回で終わるのが嘘みたいに、まだまだ解明されていないことだらけ。ドキドキハラハラがついに最後の最後まで続きそうです。

それを暗示するかのような4月4日(月)の第23週、108回目の放送を観ましたが、のっけからまた視聴者をケムに巻きますね~。年代のクレジットは「2003年~2025年」。何とるいと錠一郎は岡山のディッパーマウスブルースの店主になっているらしいです(柳沢さんたちはどうしたんじゃろ?)。しかも、ひなたは外国からの帰り、関空から電話をかけている。会話も何だか意味深。おまけにこれが何年のことかを明示していない。わかっているのは、コロナ禍の時代であること。カフェのテーブルにはアクリル板が置かれているし、ひなたはマスクをしている。しかし、ひなたは外国に行き来できているわけだから、この2年間の真っ只中の話ではなさそうです。ではいったいいつのことなのか。ひなたは何のために海外(おそらくはアメリカ?)に行き来し、京都だけでなく東京にも住んでいるのでしょう。正直に言うと、主題曲が流れると「君といつか」っていつもつい一緒に歌ってしまう私ですが、今日は「どうなってるの~?」と歌ってしまいました(笑)

先週の放送が終わって、私は確信していました。4月4日はひなたの誕生日。そう、つい最近も、昭和40年4月4日生まれだと話している場面がありましたから。それでてっきり、今日はひなたの誕生日をめぐる話になっていると思っていたのです。ところが見事にスルー(笑)。あのフリはいったい何だったのか。伏線回収の女神、藤本有紀さんも、うっかり書き忘れてしまったというのでしょうか。しかし、ヨンゴトをnoteのコンセプトにしている私としてはどうにもスルーできず、今こうして書いているわけです。いち視聴者からではありますが、ひなた、〇〇歳のお誕生日、おめでとう!!と言わせていただきましょう。

4月4日生まれの有名人ってどんな方がいるかなと思ったのですが、これといった方はいなくて、唯一というか印象的なのは、CMソングで知られる歌手の「のこいのこ」さんぐらい。ご存じですか?のこいのこ。「エバラ焼肉のたれ」なんかを歌ってらっしゃる元気な歌声の方です。代表曲はひらけポンキッキーで歌われた『パタパタママ』など。

何の関係があるかと言われれば、何の関係もないのですが(笑)、ひなたの明るいキャラクターにどこかシンクロするなぁなんて、勝手に思ったわけです。こののこいのこさん、もう御年74歳だそうで、昭和の頃にこの方の弾けるような歌声をよく耳にしていた私としては、やっぱり時代はめぐるを実感させる話題でもあります。

さて、4月4日をさらに紐解くと、「ピアノ調律の日」も出てきました。国際ピアノ調律製造技師協会が1993年(平成5年)に制定したもので、日本でも日本ピアノ調律師協会が1994年(平成6年)から謳っているそうです。その心はというと、4月を意味する英語APRILの頭文字「A」が調律の基準音のA、すなわち「ラ」であること、そして周波数が440Hzであることだそうです。ま、こじつけもいいところですが(苦笑)、4繋がりってことで、いずれにしてもおめでたい、バンザ~イ、バンザ~イ(笑)。ピアノといえば、錠一郎。ってまた『カムカム』ネタに戻るわけですが、4日のドラマはディッパーマウスブルースと関空の場面から、何事もなかったように2003年ごろに戻ります。ちなみに、ドラマをご覧の方にはご存じの映画『サムライベースボール』は、『ラストサムライ』がモデルだと思われますが、この映画は2003年製作なんですね。カムカムの凄いところは、これだけのフィクションでありながら、何から何までしっかり時代とシンクロしているってことですね。だからドラマに奥行とリアリティがある。安子がアニーなんて簡単すぎる、錠一郎がピアニストになれわけないやんと思っている方もあると思いますが、それはカムカムの音楽を担当している金子氏の実体験が下敷きにあるなど、決して絵空事ではないから、苦悩が嘘っぽく見えないんですね。

どうやら2003年暮れの偕行社でのクリスマスコンサートがいよいよドラマのクライマックスになると思われますが、それなら、2022年現在から3年後の2025年のエピソードまで引っ張ることはないでしょう。ここにもまたこのドラマの秘密が残されているようです。少し予想していることがありますが、ここでは言わないでおきましょう(外れる可能性もある笑)

こじつけついでに言うと、4月4日は「幸せの日」なんだそうです。4(シ)と4(シ)が合わさったから「シ合わせ=幸せ」って、まんま語呂合わせですが、「よん」が好きな私としては願ったり叶ったり。ところが、語呂合わせだけでもなさそうです。ゾロメの44や444はエンジェルナンバーと呼ばれていて、天使が傍にいて人々をサポートしてくれるとか。何を信じるかは人それぞれですが、幸せがみんなの願いであることに嘘はありません。

これまで生きていて、正直今ほどこんなに「戦争」がリアルに感じられることはありませんでした。安子がたとえ架空の人物であっても、あの時代に日本人が戦争の真っ只中にいたことは事実。事実、私の両親がそうでした。ちなみに母の名前が漢字も同じ、安子です。不穏な時代に平安を求めてつけられた当時流行りの名前だったのかもしれません(祖母がクリスチャンだったので、まさに平安から付けたのかも)。ドラマではその戦禍を潜り抜けた安子がさらなる苦悩の果てに見つけたアメリカでの生活。ほんのボタンの掛け違いから人々の人生が狂い、生き別れた娘がまた母となり、その娘が祖母との劇的な再会に至る。いま、戦争の渦中にあるウクライナの人々の中に、安子のような人がいないとは絶対言い切れない気がします。そして、幸せの日に生まれたひなたによって、3世代の人生が見事につながっていきます。それもこれも生きているからこそ。いのちあればこそ。

「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも、自由に聴ける。自由に演奏できる。僕らの子どもには、そんな世界を生きてほしい」

そういって戦禍に散った稔さんのセリフがこれほど時代に合ったものになるとは。脚本家はまるで予言していたかのようです。のほほんとTVのワンシーンとして観ていたあの時も今となっては夢のようです。たいがいコロナで傷つけられた世界に、さらにこんな未曾有の苦しみがやってこようとは。最近は地震も頻発している日本。明日は我が身と頭ではわかっていても、当事者にならなければ本当の苦しみはわからないかもしれません。でも、このドラマの目撃者になったことで、女三代の人生を観たことで、「幸せ」の意味がほんの少しわかったような気がして。虚構の素晴らしさ、朝ドラに浸れる幸せな時間がこれからも続きますようにと願わずにはいられません。

とりあえず、『カムカム』の4月5日以降がどう展開するかを、固唾をのんで見守りたいと思っています。


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