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税理士独立開業話 freeeってどうなん?

(画像は、freeeのシンボルがツバメを用いているので、ツバメの絵を使わせてもらいました)

この11月をもって独立2年目を迎えたので、独立開業話を書こうかと思います。テーマは、freeeについて。

税理士事務所にとって会計・税務ソフトをなににするかはわりと重要

およそ士業というのは設備投資が要らずに身一つで独立できるところが良いところではあるのですが、税理士で開業する上で数少ない設備投資をするべきもののうち、パソコンとこの会計・税務ソフトというものがあります。

さすがに会計・税務ソフトなしに税理士業務をすることは事実上できません。

税務ソフト(所得税や法人税の申告書を作成するソフト)は、国税庁が提供するe-Taxソフトを我慢して使えばどうにかならないでもないです。所得税だけだったら全然いけます。

一方、法人税となると、e-Taxソフトは自動的に計算してくれるところは最小限で、検算機能とかがあるわけでなし、単に決まった書式・様式に清書してそのまま電子申告できるだけという機能となります。

とはいえ、なにせ無料なので独立当初はe-Taxだけで頑張っている税理士もいるはずです。あ、法人税だとeLtaxも必要です。
でも、まあ普通はしちめんどくさいのでなにか使います(買います)。

そして、会計ソフトはさすがに何かを入れなきゃムリ。そして、無料で使えるものはさすがにまずない。

さらに、会計ソフトをこれにするぞとすると事務所の戦略というか、方針もおのずと規定されていきます。

たとえば、とあるソフトは「税理士事務所は規模を拡大してこそ」「会計は自社でやるべし」という方針でいます。そりゃそうで、そのソフトは従量料金制なのでソフトを使ってくれる会社・個人事業主が多ければ多い方が良い。

このソフトを採用すると、こじんまりとやっていくという方針であれば、相性が悪くなります。

freeeを使っている理由

そんな状況のなか、当所は、会計ソフトはメインではfreeeを使っているのですが、この理由をあげつらうと以下の通りです。

①独立当初で顧問先となってくれたところがfreeeを使っていたから
②そこまでfreeeを謳う事務所がないから
③省力化したいから

やっぱり①番目が大きいでしょうか。

そして、このうち、②については、前橋市においてfreeeを利用している先駆者的事務所があって、その中で存在感を示すのはなかなか難しいかも、という感じにはなっています…

また、③はこの後述べるfreeeのここが良いというところとなります。

freeeのここが良い

やっと本題といったところですが、freeeの良い点です。つまりメリット。

(1)クラウドなので通信環境があればどこでもできる

クラウド型会計ソフトの面目躍如です。データはクラウドでWeb空間(のどこかのサーバー)にあるので、通信環境さえあればアクセスできるわけです。

前の事務所は、事務所内に物理的なサーバーがあり、そこに会計データを格納していました(はず)。事務所にあるPCを立ち上げておいて、持ち出し用PCでその事務所PCをリモートで操作するということもしていましたが、常にそうしているわけではなく、やっぱりちょいと面倒でした。

それがどこでも出来るようになったので、従前は顧問先に訪問して、書類を事務所に持ち帰って入力していたようなところも、その場でfreeeを開いてその場で入力し、試算表の出来上がり、ということが出来るようになりました。

(2)Webにあるデータを取ってきてくれる

これはfreeeの真骨頂かと思います。

預金口座等、すでに世の中には数値データがあるわけです。そして、それは簡単に入手できる。

そうであるのにかかわらず、預金通帳を記帳してそのコピーをもらってパタパタ入力している…ということが今なお多くの会計事務所で行われています。

なんとムダなことか、と思います。

こういったWebにあるデータの多くは、設定すれば同期をとってくれ、freeeに自動的に取り込まれてくるので、少なくとも日付・数値をパタパタ入力する必要はありません。

freeeのここがダメ

Ⅰ.通信がたまに重い

クラウド型なので、入力するときに常にサックサクに動いてくれるわけではなく、ときにもっさりとした動きになることがあります。PCの中に入っているインストール型のソフトを使うときと比べると、やはり速さは違ってきます。一つ一つの処理速度の差は軽微であるかもしれませんが、積もり積もると大きな差となります。

Ⅱ.宣伝が二枚舌

はい、これが最も大きな不満です。宣伝が二枚舌というのはどういうことかというと、

・会社(個人事業主)に対しては、「経理知識がなくとも確定申告が簡単にできる」といいながら
・税理士に対しては「確定申告をするのが難しい方がたくさんいるので手伝ってください」

というスタンスです。

そもそもとして、「経理知識がなくとも確定申告が簡単にできる」などというところに、税理士としてはかなり疑念を抱きます。

いくらソフトが預金等の履歴を自動的に取り込んでくれるとはいえ、それを仕訳していくというのは、どうしたってある程度の経理知識は必要になります。

会計ソフトを使って自分で確定申告をしている個人事業主の人は世の中に数多いますが、間違っていない人の方が少ないと思います。たいていはどこか間違っていて、ときに致命的に間違っています。いわんや会社(法人)をや。

「経理知識がなくとも確定申告が簡単にできる」と謳うのであれば、ソフト側でせめて貸借対照表の残高でマイナスがあった場合にアラートを出すとかの仕様となっているかとおもいきや、そうはなっていません。

freeeは当初の設定をキチンとやっていけばかなり有用なものとなり、それこそ省力化に資するかと思いますが、それがうまくいかずに結果ぐちゃぐちゃなっているというパターン、かなりあると思います。

freeeの会計事務所側の隠れたデメリット

freeeのリストをみた営業電話が良くかかってくる

freeeのサイトを検索すると利用事務所一覧というのが出て来ます。(掲載しないことも可能だとは思います)

freeeを使っているということは、それなりにWebとかITに馴染んでいるんだろうな、という強い推定が働きます。

ということで、freeeのリストは税理士に営業しようとする会社にとっては絶好のリストになります。

(最後宣伝)

freeeを使っているけれども、どうにも上手く使いこなせていない方(個人事業主・法人)がいれば、お手伝いします。スポット対応可能。少しの労力(報酬)で大きな成果。確定申告前にぜひ。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。


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