夏といえば?

と、君に訊ねたら

暑い。クーラー。
なんていう返事が返ってきて、ちっともわくわくしなかった。

そんな言葉を返されるのは、脱ぎっぱなしにされた靴下よりも、洗われずに放置された皿達よりも、嫌いだ。わたし。

もっとあるよね?夏ってさあ、ほら。
スイカとかお祭りとか向日葵とかさ。
そういうの、想像しようよ。

って返したら、

ああ〜そういうのね。
全然思い浮かばなかったわ。
と言ったときの浮かない表情の、君。

その表情を見て、わたしはもっと浮かない顔になる。君は思い付かないのに無理やりに夏の連想語を思い浮かべようとしてた。



そんな事には気づかないフリをして、フリをしながら、あの人だったらどんな言葉をくれたかなあ、なんてこっそりひっそり思った。窓の外でゆっくりと、でも確実に流れていく夏の景色を眺めながら。






春をすっ飛ばしてしまった。
まだこれから始まるのに。春。
すまない、春。

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