嫌いの中の好きを探して

冬の寒さをすこし思い出した。夏はいつのまにやら姿を消して、秋が顔を見せ始めている。冬は空気の透明度が高くなって星が綺麗に見えるから好きだ。冬のいいところはそこだけ。だってひどく寒いし、あの静かな空気感は寂しさを増幅させてくるから嫌いだ。でも、はたと立ち止まりすこしばかり考えてみたら、案外すきなところもあるかも?なんて思った。

と、いうのも冬はさみしい気持ちを助長させてくるけれど”幸せだ”と思う回数も少し増える気がする。他の季節よりも。

寒い寒い外界の、身を切るような冷え切った空気から逃げるようにどぼんと湯舟につかる瞬間。あの瞬間の幸福度はすごい。暖かさが身体だけでなく心にまで染みわたってきて、思わずわけの分からない声が漏れる。「ふあぁあああああぁ」というようななんとも間抜けな声だ。そういえば、あれは他の季節では味わえない。

そう思うと、冬は寒さが厳しい分室内の暖かさに触れたりするだけで幸福を感じる事ができるから、ものすごくお手軽に”幸せだな~~”なんてことを思っている気がする。

これはもしやアメとムチか? なんてね。

寒いところから暖かいところへ。というところが最高にいいのだと思う。

こたつでぬくぬくとぬくもりながらみかんを食べたり、アイスを食べてみたり。あれ?わたしすごいいま幸せな気分だわ。と気付く。

寒いのは大嫌いだし、冬の朝の早起きなんて最低に嫌い。だけどその分幸せだ〜と思える瞬間も多いのは、冬という季節からのささやかながらのプレゼントだったり、してね。

そんな事を思いながら季節に想いを馳せる。みんながきっとセンチメンタルな気分になってしまうであろう秋の心地良い風を頬に感じながら。

#エッセイ #小説 #ショートストーリー

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