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Urban Gear / Suburban Love (1992)

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ネット上に情報がほぼない盤を発掘した。これはがっつりとシティポップしている。名前の通りジャズをベースにした非常にアーバンなサウンド。

アマチュアのようであるが、コーラスや演奏、アレンジまでもが粗いながらもかなりしっかりしており、音質を差し引けばメジャー流通した盤と言われてもわからないレベル。バンドは恐らくトランペット、トロンボーン、テナーサックスまで擁しており、重厚感も十分ある。

加えてボーカルがかなり個性的で惹きつけるものがある。系統としては80年代後半のややねばっこさが出てきた頃の山下達郎といった感じだろうか。しかし一部極度なファルセットや、がなり(仮声帯?)ような歌唱も見られ、やや耽美的でナルシスティックな雰囲気を纏ったアーバンサウンドに仕上がっている。ここは特徴でもありながら、好き嫌いが別れそうでもある。

歌詞は日本語で8曲それぞれストーリーを綴ったものになっているが、洋楽を訳したようなかなりクサいもの。しかしながら、サウンドが洗練されている為か、あまりそのクサさが気にならない。そもそも歌詞があまり入ってこない。

ネット上で唯一見かけた情報源は、過去このバンドに在籍されていたであろう方のnoteにおける記事。どうやら静岡のアマチュアバンドのよう。その方が1曲だけSoundCloudにアップされていますので貼り付け。

あと、余談になってしまいますが、インサートに乗っているボーカルの名前で検索をかけると、「URBAN GEAR」という設計事務所のサイトが出てくる。デザイナーさんだったのですね。山本寛太郎がOPCELL活動を休止しても有限会社OPCELLをやっているようなものかな…。プロフィール等には音楽のことは書かれていない。もう音楽とは無縁なのでしょうか…。

いつか発掘されて、名もなき名盤として知られる日がくるような気がしてならない作品。

①八月の夢
②ママ
③Cling Together
④Please
⑤Gift
⑥冬
⑦Suburban Love
⑧Dry Those Tears
(FLY RECORDS / FRDA-0001)

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