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HSPでよかったこと

最近本屋に行くとベストセラーコーナーにHSP関連の本が平積みされている。「HSPかも」と思う人が増えてきたんだと思う。

そんな中、HSP気質を持っているがゆえの生きづらさが語られがちだし、社会に順応するためにそのような気質を抑えるようなノウハウが紹介されがち。悩んでいる方にとっては「ようやく長年のモヤモヤが和らいだ」と肩の荷が下りるだろう。私が出版した電子書籍やこれまでのnoteもまさにそんな感じで、HSPの処世術を紹介していた。

そんななかHSPでよかったことって意外にもあまり語られてないな、とふと気づいた。

というのも、このnoteを読んでとても共感したからで。生きづらさを抱えてばかりだった頃の私は自分のことが大嫌いだった。そしてそんな自分が大好きだった。(複雑…)自分を大嫌いと思うことで周囲から自分を消そうとしていた。

そのような思春期を過ごして14年近くが経ち、今は環境の良い仕事に恵まれ、友人にも恵まれ、不自由なく過ごせるようになった。途中で放り投げだしたこともあったけど、やりたかったことを沢山した。そうしたら知らぬ間に私の中から「大嫌い星人」はいなくなっていた。そして、ようやくHSPだからこれまで生きづらさを感じていたことがわかって、あの頃自分を大嫌いになる必要はなかったんだなと気づいた。今ではHSPであるからこそ自分のことを大好きになれたと言っても過言でない。

前置きが長くなってしまったけども本題。以前Twitterの質問箱でこんな質問をいただいた。「HSPで良かったと思った瞬間」について。

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予想意外な斜め上の質問で驚いた。「HSPゆえに損した瞬間」なら何百個でも挙げられるんじゃ?と思っていた私だったので、こんな質問をいただいてなんだか嬉しかった。本当はもっと沢山あるんだろうと思うけども、今回はHSPで良かったと思った瞬間を3つ書きたい。

高校時代の席替えで元気な集団に囲まれた時

中高一貫校で育った私は、どちらかといえばクラスでは大人しい方だった。クラスの雰囲気によって結構体調が左右されがちで、たとえば誰しもが反抗期を迎える中2の時期はすこぶる苛立っていたし体調が悪かった。でも、高校生になって、元気いっぱいで「勉強より遊び!」なクラスメイトが集まったときは何もかもスムーズだった。

いつも元気いっぱいな人に囲まれているときは、私も同じくらい元気になるし大笑いしている。不思議だ。毎日がしんどかった中学生の頃が嘘みたいに、そのクラスのときは明るかった。「周囲の環境によってこんなに人は変わるんだ……」と今になって思う。

周りが元気いっぱいだと私も元気になる。勉強できる人でいっぱいだと勉強ができるようになったし、健康な人に囲まれていたら知らぬ間に健康になっていった。HSPは周りの人に影響を受けやすい。

恐喝されたあと、沢山寝てメンタルが復活した時

なぜかトラブルに巻き込まれがちだった頃の私は「自分が悪い」と常に思い込んで、それを治そうとするあまりさらに自分を追い込み、疲弊。さらにトラブル……という悪循環に陥っていた。「悪いことがあったら自分のメンタルも悪い」ということに気付き、今は、不快なことがあったらすぐに休むことにしている。

先月、仕事後のバスの中で恐喝にあったのだけども(殺されるかと思った、怖かった)明らかにその日のメンタルはボロボロだった。いかんせんその日の私は同僚に怒りまくってしまったから……。そして恐喝する男から離れてすぐにバスを降り家に帰ったらすぐに寝た。大体半日くらい。

メンタルがズタボロになったときの対処法を知っているからこそ、すぐに回復できた。これも長年培ってきたスキルのおかげだと思っている。あと、コロナで生活スタイルに変化があって、それをストレスに感じている人も多いみたいだけども、私はほぼストレスなく過ごせている。メンタルハック大全とか書けそう。笑

ピンときたお店がお気に入りの場所になった時

街歩きが好きだ。なんとなく「ここいいな」と思って入ったお店が、自分のお気に入りスポットになることが多い。もちろんインターネットやInstagramで気になることも多いけども、今私が大好きなお店のほとんどが街歩きをしていて気になったところだったりする。

この記事のお店もそう。

「なんとなく」って大切な感覚だと思う。「なんとなくいいな〜」とか「なんとなくやだな〜」ってバカにできない。ほかには似たようなこととして、古本屋に入って本の背表紙を見て、「この本いいかもな」と思って読んだら好みの本だったり。

思えば、私の中の(数少ないけども濃厚な)「好き」の対象って、「なんとなく」の積み重ねがきっかけだったりする。時々その「好き」の理由を考えたりするけど「ま〜たこんなこと考えてるの!?」とつっこみたくなるくらい、どうでもいい理由だったりする。

HSPだからこその魅力を育んでいこうと思う

長年、HSPだからこその繊細さをネガティブに考えていた。たとえば、「メンヘラ」という言葉が情緒不安定な人を示していて、メンヘラ=悪のような考え方があるから、世の中の人は繊細な人を悪いものとして見がちなのかなと思っていた。

でも、先日マッサージ師さん(私と同じHSP)にそのようなことを話したら、「繊細さを別の形として、良いこととして表現してみたら?たとえばアートとか」とアドバイスをいただいた。「確かに……」と思った。繊細さ、を切れ味の良い包丁に例えるとすると、メンヘラ時代の私はいわば包丁を殺人の手段として使っていた気がする。でも、それがアートに向けられたらどうだ?包丁は美味しい料理を作るための道具になる。

HSPだからこそ、HSPにしかできないことは世の中にはたくさんある。それにまだ出会ったことがなかっただけであって、繊細さを魅力として受け入れてくれる人は多くいるのだなと思った。「HSPだから世の中ではこう生きよ」といったサバイブスキルよりも「HSPだからこそ活かせること・楽しさ」をどんどん育てていきたいな。


★ラジオ始めました。今日は「HSPで良かったこと」について話しています。(不定期更新)

もえちゃんねる

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