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ANGERSWING#19

台本が届いた。なのに色々な言い訳、でもないけど、データを開けるのにものすごく時間をかけた。
世の中に出回っていない新作で、どんなことが書かれているかなんて知る由もない。

台本のデータを開けてしまったら、色んなものが始まってしまう。とても怖い。でもどうせ開けるのだから、どうせ読むのだからさっさと見てしまえばいいのにという気持ちもある。

そんな気もそぞろな中で映像の編集をし続けていた。
夕飯前にキリよく映像編集がひと段落ついたので、とりあえず夕飯を食べてから動き出すかと思い、台本はまだ開かない。

夕飯を食べ終わって、テレビをつけて野球を見る。
このバッターの打席が終わったら開くか。そう決めて腰を据える。

打席が終わって、一つ覚悟を決めて、スマホのボタンひとつを押す。
台本のデータが開く。改めてものすごく緊張する。まずページ数を見る。

おお、あるねえ。
また緊張する。

でもやっぱりデータで読むのは味気ないというか作業のしようがないよね。印刷しよう。

台本の読み始めを今度は遅らせ始める。
でも現実問題、紙の台本の方が作業はしやすいし、バッテリーも使わないし、その場でパッとメモしたりもできる。

家の壊れたプリンターにデータを送って印刷し始める。
紙はB5。A4だとサイズが大きくて、仮に立ち稽古で台本を持ちたいってなった時に邪魔になる。なのでわたしはB5。

B5の紙をトレイに入れて、印刷ボタンを押す。
なのに紙がありませんと表示される。とてもイライラする。

印刷をして、糊付けをして、明日から常に荷物の中に忍ばせておきたい。
だけどこの時間からコンビニまで歩くのも嫌だ。どうしてプリンターは壊れているのかな。もう。

その状況の中で今まで使ったことのない印刷モードを発見する。試す。印刷できる。
でも1枚ずつ給紙しなければならない。ああ面倒臭い。

とか言いつつ、台本に目を通すまでの時間稼ぎになった。

22枚印刷したところで、黒インクが掠れて文字が読めなくなってくる。このまま印刷しても何も読めない。

それは流石にアホらしすぎるし、22枚44ページ分も印刷をしたのなら、さすがに今日中に冊子にして、内容も読みたい。

なのでわざわざコンビニまで歩く。
コンビニのコピー機めちゃくちゃ早い。

全部のページを印刷して、家に戻り、そこから一枚一枚糊付けをして繋げていく作業。1時間くらいかかった。

台本が届いてから10時間後、ようやっと目を通し始める。
わたしの中に今まで存在していた余裕がさっと引き始める。

演劇やばいな、どうしよう、怖い。できるの?大丈夫?

読み終えて、それから今、頭はぐるぐる回り続けている。
始まってしまったものは受け入れるしかない。

やるヨ、やるヨ。

<日本劇団協議会主催>
日本の演劇人を育てるプロジェクト
新進劇団育成公演

劇団Q+
『ANGERSWING /
アンガーズウイング・アンガースウィング』
ー家族の庭、その香りは秘密をささやくー

脚本=弓月玲 原案・演出=柳本順也

◎日程
2024年7月3日(水)〜 7月7日(日)

【公演スケジュール】
7/3(水)W 19時~
7/4(木)S 19時~
7/5(金)W 14時~/S 19時~
7/6(土)S 13時~/W 18時~
7/7(日)W 12時30分~/S 16時30分~

【チケット】
前売一般 = 4,500円
当日一般 = 5,000円
U22= 3,000円

◎劇場
下北沢 駅前劇場

⋱チケット発売⋰
2024 年 5月 1日(水)開始

https://www.gekidan-q.com/

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