見出し画像

道草植物図鑑No.20「ハキダメギク」

道路脇の一角に、お星様のような小さなお花がたくさん咲きほころんでいました。
足元が満点の星空のよう。

鮮やかな黄色を縁取る、真っ白なフリルが美しいですよね。

これが1つの花だと思いきや、
じつは小さな花の集まりなのだそうです。

中心は筒状花という黄色い筒状の花の集合体。
周りの5枚の花弁のようなものも、舌状花という花なのです。
こういう花のつき方は、キク科植物の特徴ですね!

そういえば「キク科」は英語で「Asteraceae」。
この「Aster」はラテン語で「星」を意味するそうです。
花の小ささと、舌状花の形も相まって、本当に星のよう!

とても綺麗なこの花の名前は「ハキダメギク」!
漢字で書くと、そのまま「掃き溜め菊」です。

熱帯アメリカ原産の帰化植物で、初めて日本で見つかったのが東京都世田谷の掃き溜めだったためこの名前がついたそうです。
命名者は、かの有名な牧野富太郎博士。
もっと素敵な場所で見つかったら、もっと素敵な名前がついていたでしょうか?

ただこの植物、見た目とは裏腹にとても逞しい植物だそうです。
花言葉は「不屈の精神」!
大航海時代に世界中に広まりました。
ハワイでは原産地にちなんで、「ペルーの雑草(Peruvian weed)」
イギリスでは最初に導入された王立植物園の名前にちなんで、「キュー植物園の雑草(Kew weed)」
と呼ばれています。
Kew weedめっちゃかっこいい!

いずれにせよ、それだけ繁殖力が強くあらゆる環境に順応して生きていけるのです。

ただ、これは本当に個人的な感覚のですが、最近あまり見かけなくなっているような気がします。
私の住んでいる場所で少なくなっているのか、
私のハキダメギク探知レーダーが鈍っているのか、どうなのでしょう?

そしてキク科といえば、やっぱり綿毛ですよね。
ハキダメギクの綿毛!

ちっちゃくて、可愛い〜!!

この綿毛で世界中を旅している。
そう考えると、渡り鳥の羽みたいですね!


ハキダメギク
Galinsoga quadriradiata
キク科コゴメギク属

熱帯アメリカ原産一年草
花時期 : 6月〜11月
生育地 : 畑地、荒地など


出典 : 身近な雑草の愉快な生き方/稲垣栄洋・
        三上修
   散歩が楽しくなる雑草手帳/稲垣栄洋
   美しき小さな雑草の花図鑑/多田多恵子・
        大作晃一
   花と葉で見分ける野草/近田文弘・
        亀田龍吉・有沢重雄

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?