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保育園コンプライアンス支援について

クニモト法律事務所支援メニュー、第3の柱「コンプライアンス支援」についてです。
コンプライアンスという言葉は日本に入ってきた当初、「法令遵守」と訳されていました。しかしコンプライアンスが想定している規範は法令のみならず、広く社会的道義的規範も含み、リピュテイションコントロールなども対象としているので、近時は外来語のまま使用されるのが一般的になりました。第1の柱「保育園労務」と第2の柱「保護者対応」のいずれも、コンプライアンスの概念に含まれるものではあります。

とはいえ、社会福祉法人であり民間事業体とはいえ公的色彩の強い保育園は準拠しなければならない法令が多種複雑で、きっちり法令遵守するだけでも一苦労です。まず社会福祉法や児童福祉法、それらを具体化した諸規則とガイドライン(保育所保育指針など)などの社会福祉法。労務関連法令も頻繁に改定されるので、それらも逐次フォローしなければなりません。各法人で自ら規定している定款や就業規則にも、もちろん準拠しなければなりません。会社であれば税務調査が入るのは数年あるいは十数年に1度といった頻度ですが、保育園に対する行政監査は年に1度です。

先日、法人の会議で扶養手当の取り扱いが話題になりました。法人の就業規則で規定している扶養手当、健康保険上の扶養家族、所得税法上の扶養控除、これらの関係について職員から疑問が出されました。
弁護士稼業を20年以上やってきて常々感じていることですが、この国では公的制度は相互に連動していて矛盾なく整合しているものだと考えている人が多いように思います。他方、法律家の発想は基本的に真逆です。司る法律が異なる制度は基本的に連動せず、それぞれ独立に機能していると我々は考えます。
うちの法人は準常勤的立場の理事に社労士と弁護士がいるので、冒頭のような質問が出されても、ほぼその場で即答することが出来ます。健康保険上の扶養家族と所得税法上の扶養控除をその世帯で統一するかどうかはその人の自由、労働者側に選択権があるし、それらと扶養手当をどう連動させるかは各事業所の就業規則次第なんですよとその場で解説しました。
法律家にとっては至極当然なことでも、その他の方々にとっては悩ましく、どうやって回答に辿り着けば良いか分からないことも、保育園運営上多々あることでしょう。

リース契約や労働者派遣契約、各種保険についても、うちの園では國本がすべて契約書の内容を確認します。理事長が契約内容を確認するのは当たり前かもしれませんが、國本は弁護士でもあるのでその場で読んで内容を理解できるのが強みだと思っています。

法律家として標準的な知識と知見があれば即答即断できるものもあれば、現場での具体化が必ずしも容易ではない労働法規など、コンプライアンスや法令遵守の対象も多種多様です。いずれにせよ保育園内で悩んでいる時間を限りなくゼロに近づけて、課題を自覚したらすぐに法律家にアクセスする、それによって保育の専門家は保育に専念する時間とエネルギーを確保してもらおうというのが、クニモト法律事務所支援メニューの狙いです。

以上


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