伊達洋駆

株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役。神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了…

伊達洋駆

株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役。神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。人事データ分析や組織サーベイのサービスを提供している。著書に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』など。

最近の記事

スライド完成「セルフ・コンパッション:自分に対する思いやりは職場に何をもたらすか」

次の木曜日に「セルフ・コンパッション:自分に対する思いやりは職場に何をもたらすか」と題したセミナーを開催します。そこで講演する私のスライドが完成しました。 仕事で失敗した時、自分を責めてしまうことはよくあります。セルフ・コンパッションの考え方に触れることで、自分に優しくすることの大切さを再認識できると思います。 失敗は誰にでもあるもの。自分だけではないと気づくことで、気持ちが楽になります。さらに、セルフ・コンパッションは学習意欲を促進するという研究結果も興味深いです。

    • 気晴らし研究から考える:パフォーマンスを上げる気分転換法

      適切な気晴らしは、集中力や意欲を高め、生産性の向上につながります。しかし、うまくいかないケースもあります。休憩が長引いたり、やる気が戻らなかったりなどなど。 そこで、当社では「気晴らし研究から考える:パフォーマンスを上げる気分転換法」と題したセミナーを開催することにしました。講師は、当社フェローの黒住嶺が務めます。 このセミナーのテーマは、黒住の専門とする「先延ばし研究」とも隣接しており、専門的に深い内容でありつつも、実践的な示唆の得られる話が聞けるはずです。 本セミナ

      • 「ほめること」の科学:心理学的アプローチから検討する(セミナーレポート)

        先日、弊社にてセミナーを開催しました。「『ほめること』の科学:心理学的アプローチから検討する」というタイトルで、心理学の研究知見から褒めることに迫る内容です。 講師は、私と弊社フェローの黒住嶺です。セミナーでは、人を褒めることが及ぼす影響について、研究知見を交えて、私と黒住がそれぞれ様々な視点から解説しました。 適切に褒めることで、相手のパフォーマンスや意欲を高めたり、良好な人間関係を築けることがデータで示されています。また、褒め方のポイントもお伝えしました。 周囲の人

        • 成果指標の設定支援

          ビジネスリサーチラボのコーポレートサイトに、「成果指標の設定支援」というコラムを公開しました。成果指標とは、人や組織の目指すべき状態を表す指標を意味します。 組織サーベイを実施する際、成果指標の設定は非常に重要です。なぜなら組織サーベイを通じたゴールを指すからです。しかし、多くの企業が設定の難しさを感じています。 当社は、研究知見と実践知を組み合わせて、成果指標の設定を支援してきました。組織の目標を理解し、成果指標を見出すプロセスは、組織変革の指針作りにもつながります。

        スライド完成「セルフ・コンパッション:自分に対する思いやりは職場に何をもたらすか」

          経営臨床における対価の影響:学術論文(伊達, 2022)の紹介とその含意

          『経営行動科学』に掲載された「経営組織の臨床に対価はどのような影響を与えるか」という論文があります。こちらは2022年に発表された、私の原著論文です。 専門的な知見を用いて、組織がより良い形に進むために介入を行う「経営臨床」。その際にクライアントから受け取る報酬が、どのような作用をもたらすのか。 先行研究の知見を踏まえつつ、ビジネスリサーチラボの事例を分析しました。すると、報酬をめぐる交渉の中で、臨床の方向性や体制が固まっていく様子が見えてきました。 学術論文は実践者の

          経営臨床における対価の影響:学術論文(伊達, 2022)の紹介とその含意

          組織の噂は何をもたらすのか:組織ゴシップ研究を紐解く(セミナーレポート)

          先日開催した「組織の噂は何をもたらすのか:組織ゴシップ研究を紐解く」セミナーのレポートを当社サイトに公開しました。セミナーでは私が講師を務めました。 会社内の噂話、いわゆる組織ゴシップについて研究知見を織り交ぜながらお話ししました。噂話にはプラスとマイナス両面の影響があり、一概に良し悪しは言えない現象です。 ポジティブな噂話を促進するためのポイントとして、組織における公正感を高めることや、従業員が内部者としての地位を感じられるようにすることについても触れました。 普段、

          組織の噂は何をもたらすのか:組織ゴシップ研究を紐解く(セミナーレポート)

          採用力セミナー in 岡山 2024

          5月10日に岡山で開催される「採用力セミナー in 岡山 2024」に登壇します。本セミナーはコォ・マネジメント株式会社が主催する10周年記念イベントの一環として行われます。 近年、人手不足や採用手法の変化など、企業の採用活動を取り巻く環境は変化しています。そうした中、採用の理論や効果的な手法を学ぶことは、重要なテーマと言えます。 セミナーの第一部では、神戸大学大学院の服部先生が「採用面接官の持論と実践知」と題して講演を行い、私からは「AIは採用をどう変えるのか」をお話し

          採用力セミナー in 岡山 2024

          テレワーカーの評価に対する納得感:伊達・能渡(2021)に基づいて

          新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機に、私たちの働き方は大きく変化しました。多くの企業でテレワークが導入され、自宅で仕事をする人が急増しました。 そんな中、人事評価のあり方に注目が集まっています。テレワークでは上司と部下の距離があるため、「自分の頑張りは正しく評価されているのだろうか」と不安を感じます。 この問題意識から、私は当社チーフフェローの能渡と研究を行い、論文にまとめました。この度、論文の内容をかいつまんで分かりやすく紹介するコラムを書きました。 論文を

          テレワーカーの評価に対する納得感:伊達・能渡(2021)に基づいて

          困難を乗り越えるチームの秘訣:チームレジリエンスとは何か

          「困難を乗り越えるチームの秘訣:チームレジリエンスとは何か」を執筆しました。チームが逆境や困難な状況を乗り越える力「チームレジリエンス」についてまとめています。 このテーマに取り組む中で、チームレジリエンスの重要性を実感しました。不透明な時代だからこそ、チームとしてしなやかな強さを発揮できるかどうかが問われるのだと思います。 コラムでは、チームレジリエンスが注目を集める背景や、それが特に重要となる場面について触れました。また、チームの関係性の質がカギを握ることなども指摘し

          困難を乗り越えるチームの秘訣:チームレジリエンスとは何か

          社員の『声』を活かす:ボイス研究を手がかりに

          6月6日に「社員の『声』を活かす:ボイス研究を手がかりに」というオンラインセミナーを開催します。社員一人ひとりの貴重な意見を汲み上げ、それを力に変える必要があります。 しかし、日々の業務に追われ、そのような機会を十分に設けるのは難しいのが現状ではないでしょうか。セミナーでは、職場の改善などを提案する「ボイス」という概念に着目します。 ボイスに関わる、これまでの研究知見を整理しながら、社員の声を引き出し、それらに真摯に耳を傾け、それを組織の活力につなげるためのヒントを紹介し

          社員の『声』を活かす:ボイス研究を手がかりに

          スライド完成「AIに人事を任せられるか:人間心理との関係から読み解く」

          AIと人事の関わりについて明日セミナーを開催し、そこにおいて講演する予定です。講演スライドが先ほど完成しました。最近、人事領域でもAIの活用が進んでいます。 採用、評価、配置などの業務で、AIを搭載したシステムが次々とリリースされています。AI活用は賛成ですが、人間心理との関係から考察すべき点があるように思います。 講演では、AIと協働する人の心理に関する5つの研究を紹介し、人事がAIを活用する際の留意点を述べます。AIの恩恵を引き出し、負の影響を最小化する方法を検討しま

          スライド完成「AIに人事を任せられるか:人間心理との関係から読み解く」

          越境学習の壁を乗り越える:社会心理学的アプローチ

          越境学習をテーマとしたコラムを書きました。越境学習ではホームとアウェイを往復し、新しい価値観や発想に触れることで、組織変革や事業開発のヒントが得られます。 しかし、その実践は簡単ではありません。まず、アウェイに飛び出そうとしない。次に、アウェイで学んだことをホームに持ち帰っても、なかなか受け入れてもらえない。 この2つの壁をどう克服すればよいのか。今回のコラムでは、社会心理学の内集団と外集団に関する様々な研究を渉猟し、越境学習への実践的な示唆を引き出してみました。 社会

          越境学習の壁を乗り越える:社会心理学的アプローチ

          スライド完成「その理論は今でも有効か:人事領域でよく見る理論の最新評価」

          当社主催のオンラインセミナー「その理論は今でも有効か:人事領域でよく見る理論の最新評価」の準備が整いました。講演用スライドも完成し、当日が楽しみです。 人事の仕事に携わっていると、様々な理論に出会うことがあるのではないでしょうか。しかし、それらの理論は今の時代にも通用するのでしょうか。 実は、ビジネスの現場で広く活用されている理論の中には、学術的には疑問視されているものもあります。今回のセミナーでは代表格の理論を2つ取り上げ、検証します。 講演では、それぞれの理論の内容

          スライド完成「その理論は今でも有効か:人事領域でよく見る理論の最新評価」

          東京大学大学院の特任研究員に

          この4月に、東京大学大学院情報学環にて特任研究員に就任しました。引き続きビジネスリサーチラボの代表取締役としても、研究と実務の両輪を回していきます。 私はこれまで、ビジネスリサーチラボの活動を通じて、人と組織に関するデータ活用のサポートや、それらの実践知をもとにした学術研究に取り組んできました。 特任研究員としては、災害や感染症をはじめとして、不確実性の高い時代における人や組織のあり方について、知見を深めていきたいと考えています。 学術的な知見をベースに、皆さまとともに

          東京大学大学院の特任研究員に

          シャーデンフロイデ:他者の不幸を喜ぶ感情との向き合い方

          「シャーデンフロイデ」をテーマにコラムを執筆し、コーポレートサイトに掲載しました。シャーデンフロイデとは、他者の不幸や失敗を見て喜ぶ感情のことを指します。 一見すると、ネガティブで倫理的に問題のある感情のようにも思えます。しかし、この感情は私たち人間にとって身近な現象であり、ある条件下では自然に生まれるものです。 コラムでは、シャーデンフロイデ研究を紹介しながら、その特徴や影響について考察しています。例えば、シャーデンフロイデが意思決定に与える影響を取り上げました。 ま

          シャーデンフロイデ:他者の不幸を喜ぶ感情との向き合い方

          スライド完成「『有意差』とは何か:人事データ分析の基礎を学ぶ」

          来る4月23日に「『有意差』とは何か:人事データ分析の基礎を学ぶ」というオンラインセミナーを開催いたします。私の講演スライドが完成しました。 人的資本経営が進む中、データドリブンな人事の重要性が増しています。今回のセミナーでは、データ分析の基礎となる「有意差」について解説します。 私からは、有意差の実践的な活用方法や留意点について説明します。有意差を検証することで、施策の効果検証や課題の特定を行えるようになります。 一方で、有意差は万能ではありません。効果量の大きさの吟

          スライド完成「『有意差』とは何か:人事データ分析の基礎を学ぶ」