残暑の日に

私はぼーっと思ったのです。
「あぁ、この人は勝手に素敵な思い出ストーリーを思い描いて、自分と私の関係を最高に美化した物に作り替えて、自分の非道さを掻き消して正当化しようとしているんだろうな…」

終わりゆく関係に なんの思い出がいるのだろう?
思い出なら 出会って付き合い、結婚し離婚を決断したその日までで十分あるじゃないか。
どれだけ、自分の思い通りに事を運ばせようとするのだろうか。
ここにいる一年は、私が出ていくために準備をする期間。
これから1人と数匹の生活を、パートでは養えない食っていけない生活できない、なので就職と蓄えと部屋探しの為の一年。
私はこの一年さえ 必死で駆け抜けていかなければいけない。
当初は三年と言う約束だったのに、急に一年に変更されて、私の計画は全て無駄になり、最低限の準備しかできなくなったのに、
「この一年を大切に過ごしたい。キミと過ごす最後の一年だから。今年のクリスマスとお正月はキミと過ごす最後のクリスマスとお正月になるんだね…」と。

私はおセンチになるどころか、不安と焦りと少しのワクワクとドキドキと楽しみしかなくて、もっと先を見ている。
あまりにも 私とアナタ、見ているものと感じている事が違いすぎて、少し呆れる。

この期に及んで「俺のこと憎んでるよね?」
と聞いてくる。
私は「全然そんなことないよ」と答える。
だって、そう言って欲しいんでしょ?
アナタが自分の中の私にどう思われたいかが手に取るようにわかる。
いいじゃない。アナタが思うように都合よく嘘ばっかりの綺麗事にして終わらせよう。

別れても 友達には絶対なれない、人間としては好きになれない。
だから二度と関わる事はないけれど、この2人の思い出は、アナタが望むように、キレイキレイで終わらせておいてあげる。



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