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気候変動?? 竜巻、Fujita-Sacle

「バイデン大統領、気候変動が竜巻を悪化させているというあなたの主張は誤りです」という記事が出ていました。

12月10日に米国で発生した大規模な竜巻の後、バイデン大統領は、竜巻の原因を気候変動に求めました。記者からの「竜巻の激しさの原因が気候変動であるか」という質問に対し、バイデン氏は「事実、気候が温暖化すると、あらゆるものがより激しくなることは誰もが知っていることだ。すべてです。そして、それは明らかにここにも何らかの影響を及ぼしています」と答えたそうです。日本でも、あり得る光景ですね。

 地球温暖化は、嵐や竜巻を発生させる極域と熱帯の温度勾配を減少させ、竜巻の発生数や強度を減少させると予想されています。バイデン氏の虚偽の発言の後、この発言を否定する記事がいくつか発表されました。

 Biden uses tornado tragedy to push climate agenda | NOT A LOT OF PEOPLE KNOW THAT (wordpress.com)

 この記事は、冬の EF3+ 竜巻の発生頻度が増加していないことを示しています。EF とは、竜巻の被害強度を0(弱い)から5(非常に激しい)までの「Enhance Fujita」スケールで表したものです。

 The Enhanced Fujita Scale (EF Scale) (weather.gov)

 2021年の米国の竜巻発生数は、2005年から2020年の平均を大きく下回っています。この記事は、1970年から2019年までのグラフで、10年あたり-7.23の竜巻の減少傾向を示しています。50年間で61%も竜巻の数が減少しているのが分かります。2017年と2018年に米国では、竜巻による死者が出ない最長期間と、F3以上の竜巻が発生しない最長期間の記録を打ち立てたそうです。

ところで、Fujita-Scaleの藤田氏とは、どのような方でしょう?

藤田哲也氏は、現在の北九州市小倉区出身、米国の気象学者です。ダウンバースト(下降噴流)とトルネード(竜巻)の研究における世界的権威として知られ、その優れた業績から Mr. Tornadoミスター・トルネード)、Dr. Tornado(竜巻博士)とも称されました。

竜巻などの激しい突風をもたらす現象は、水平規模が小さく、既存の風速計から風速の実測値を得ることは困難です。このため、1971年にシカゴ大学の藤田博士により、竜巻やダウンバーストなどが引き起こす突風により発生した被害の状況から、風速を大まかに推定する藤田スケール(Fスケール)が考案されました。

気象庁|藤田(F)スケールとは (jma.go.jp)

被害が大きいほどFの値が大きく、風速が大きかったことを示します。日本ではこれまでF4以上の竜巻は観測されていません

因みに、藤田先生は、高校の大先輩に当たる方で、在学時、高校の講堂で、竜巻の話をされました。当時、偉い方だという認識はありませんでした。「大きな竜巻が発生すると、1本の藁が木の幹に刺さるような事が起きるんですよ!」などと面白い話を伺ったのを今でも覚えています。


 

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