見出し画像

ドメインネームのサプライチェーン!なるほどね!

興味深い記事を見つけました。
短縮URLの問題から始まり、ドメインネームの転売(オークション)を経て、ウェブ関連サービスの「サプライチェーン」問題について触れています。
僕は、法人向けのドメイン屋なので、ドメインネームに関する記載に関しては補足したい部分もありますが、要点はそこではなく、問題提起から話題の振り方、読者の注意の引き付け方等、ジャーナリストの執筆技術は凄いな!と勉強になりました。

IT Mediaにあった「短縮URLという“根本解決できない問題”に企業はどう立ち向かえばいいのか?」と言う宮田健氏による執筆ですが、本文中に以下の記載がありました。

『そもそもドメインは継続的に更新しなければならない、いわば“借り物”です。自分たち自身がドメインの指定事業者になるわけにもいきませんので、この部分に関しても本来であれば“永久に”メンテナンス、つまりドメイン名の更新をし続ける必要があります。』

ずっと登録し続けるのか否か、我々は、確固たるマネジメント理論技術的検証を踏まえて、更新可否の判断をしますが、一般的にはずっと更新しないと誰かに再登録される可能性はあります。そもそも、ドメインネームは他の知的財産と同様「自身が主張する権利」であり、一旦放棄したら第三者の手に渡ります。違法でもなんでもないですが、なぜ注目されるのか?
答えは簡単、他の知的財産と異なり「自然人(法人ではない個人)が登録し易いから」事が理由でしょう。登録し易い=比較的安価で、登録プロセスもシンプル、と言った要因が考えられます。

そうです、僕も、色々な所で何度も言っていますが、「ドメインネームはそもそも借り物」です。皆さん、取得とか、保有とかいろいろな言葉で表現しますが、「登録」しているものです。

どんなに大企業であっても、ドメインネームの分配権限を持つ「ドメイン・レジストリ」にならなければ、自身でコントロールする事は出来ません。

今日本の企業で自社のドメインネームを上手くコントロールしているのは、dotBrandのレジストリとなり、自社ブランドのドメイン(TLD)を持っており、かつ使用している数社(この会社とか、この会社かな)のみでしょう。
まあ、dotBrandのレジストリになれば、技術的にURLを短縮しなくとも、短いドメインネームを登録すれば良いのである程度解消するのかなー、とも思っています。

ちなみに、同記事には『ドメイン名の管理や短縮URL作成プログラムの利用、アップデートがないCMSのプラグイン、著名ではないクラウドサービス、そしてメンテナンスが成されていない/把握できていない全てのサービスが対象になるはずです。恐らく少ない数ではないでしょう。そのため従業員の立場から「これ危ないかも」と思ったものは、ぜひ管理者にその存在を教えてあげてください』とありました。

弊社は法人専門なので、世の中的には決して著名ではないと思います。ですが、法人専門が故、セキュリティ等はガッチガチです。ISOも9001、27001、27701をグローバルで認証されており、狭い日本法人のオフィスにも検査に来ます(笑)。著名なサービスだから安全かと言うと、それは正直疑問です。気になる場合には、出来る限り、そして公開できる限り、自社開発システムなのか、セキュリティに関してはどのようなポリシーで、どのように行っているのか、聞くのが良いと思います。

インターネットって便利ですけど、ほとんどが借り物で成り立っているので、IT Mediaの記事で言われているようなリスク自体は解消できません。
法人の方は、一旦自社のドメインネームやウェブサイトの管理に関してセキュリティ上の問題は無いか考えてみてはいかがですか?

村上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?