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ドラマ「ミステリと言う勿れ」を見て思い出した多重人格の彼女

ミステリと言う勿れ

菅田将暉主演の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」をご存知でしょうか。

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漫画原作で、読んだときにこれは面白いし、そのうちドラマ化されるだろうと思っていたら、まさかの月9でのドラマ化でした。
原作も3巻ぐらいまでしか読んでなかったので、毎回楽しみに視聴していました。
そして先日3月7日に放送された第9話では、主人公 整(ととのう)が病院で出会った不思議な少女ライカが倒れたあとに、看護師から違う名前で呼ばれ豹変する衝撃的なシーンで幕を閉じました。同一人物(門脇麦さん)が演じているとは思えない変わりっぷり、その演技力に驚嘆すると共に、次回予告で意味深なシーンが続きました。



多重人格者

ライカの人格が変わる瞬間をドラマで見て、多重人格者のことを思い出しました。聞いたことがある方は多いと思いますが、実際に会ったことがある人は少ないかと思いますが、実在する疾患です。
もう、だいぶ前ですが私が学生のときに後にお付き合いすることになる彼女が多重人格者でした。急にそのことについてアウトプットしなくてはいけない気持ちに駆られて筆をとりました(キーボードを叩きましたとかパソコンを開きましたが正しいですかね?)

注意

このブログで書かれていることは、経験に基づく話で医療的観点から正確性があるものではありません。多重人格障害は現在は解離性同一性障害と名前が変わっているようです。

多重人格の原因

多重人格になるメカニズムは分かっています。大体10歳以下に耐えられないような出来事に遭遇し、心が壊れることで発生するようです。
次回予告からの推測ですがドラマのライカは、親から身体的虐待を受けて、虐待を受けているのは自分じゃないカメラ(LEICA製)になりたいというところから別の人格が発生したと考えられます。妹といっていた千夜子は主人格でしょう。主人格は元々の人格のことを指します。
私の彼女(仮名として花子とします)は小学生の時に酷いイジメにあっていて、先生だけは味方だと思っていたときに、物を盗んだ犯人扱いされたときに、泣きながら先生に助けを求めたら、「そんな嘘ばっかり付くと、頭から足の先まで真っ黒になるよ」と言われ、クラス全員の前でやってもいない窃盗の謝罪をさせられたそうで、その時に心が壊れたそうです。

ガーディアン

最初の別人格は俗にいう主人格のガーディアン(守護者)になることが多いようです。ライカは主人格の千夜子のことだけ気にしています。花子のガーディアンはHANAKOという名前で(これが混乱を招いたのですが、後述します)ノートを使って激励するなど主人格のことをいつも気にかけていました。

別人格行動中、主人格はどうなる

別人格が行動中、主人格は寝ているような状態となり自分の行動や発言などは一切覚えていないようです。ライカから千夜子に人格が戻ったとき「ここどこ?」というのはまさに多重人格者あるあるです。つらい状況を避けるために別人格を出しているため情報が遮断されるなどと考えられます。
逆に別人格は主人格の行動をある程度 把握しています。どこまでいっても脳内は一緒ということなのでしょうか。

人格が変わるとどうなる

ドラマではライカの表情やしゃべりかたが全く別人のようになりましたが、実際の多重人格者もまさにこの感じです。人相・表情が変わり、しゃべりかたが違うためまさに別人のようになります。

二重ではなく多重な理由

主人格と別人格(ガーディアン)のみであれば、二重人格といっても差し支えがないでしょう。しかしながら、この疾患は、1度別人格が出来ると次からは、割と小さなきっかけでも別人格誕生しやすくなるそうです。ドラマは恐らく二重人格までだと思いますが、花子は少なくとも5人の人格がいました。
主人格の花子
ガーディアンのHANAKO
男性人格のアキラ
幼児人格(名前は不明)
そして、主人格を消そうとするユキエでした

主人格を巡る戦い

ここからは、私の経験談になるのでミステリと言う勿れ目当てで来た方は離脱してするいいタイミングです。興味が湧いた方は読んでいただければ幸いです。

誰も気づいていなかった

花子とは、毎晩電話で話す間柄だったのですが、たまに人が違ったようなことがありました。名前を確認しても「花子だよね?」といっても「はなこだよ」と答えるので、不思議に思いながらも会話を続けていました。
精神疾患は複数の症状が出ている人が珍しくなく、花子は拒食症・過食症を繰り返し、過呼吸症候群も持っていました。
そして、あるとき私が信頼に値すると思われたのか、別人格のHANAKOから私は別人格だということを告げられたのです。
このときに、「ずっと、花子って言ってたじゃん」と聞いたのですが、「私はローマ字でHANAKOだから」と返されました。
それ以来、電話すると誰が出るのかということになってきました。調子が良ければ主人格の花子が出るのですが、他の人格が出ることもあります。ガーディアンであるHANAKOとは大分仲が良くなり「残念、私です。」と冗談を言われるようになってきました。男性人格のアキラは乱暴な言葉遣いであまり会話にならず、幼児人格は「ぷぅ〜」といった言葉しか出ず、会話になりませんでした。
そして、多重人格ということは病院の先生も家族も知らないことということが分かりました。

HANAKOとの会話

主人格とも、大分仲が良くなり色々抱えていることを話してくれるようになりました。誰にも話していないという、仲が良かった男性にドライブに誘われ、山に連れて行かれてレイプ未遂にあったこと。色々あって高校を退学したこと バイト先(スーパーのレジ打ちでした)など様々な場所でストーカー被害にあっていること
花子はとても可愛らしく(古いですが鈴木あみ似)、モテていました。スカウトもよくされていたそうです(18歳未満と聞くと、じゃあダメだと言われるといっていたので碌なスカウトではないようですが)。
そして、レイプ未遂の件はHANAKOからも話があり、その瞬間にHANAKOに切り替わったそうで、男をぶん殴って、「早く家まで戻れ!」と怒鳴り散らし、相手が「いつもの花ちゃんじゃない…」とびっくりして事なきを得たそうです。まさにガーディアンですが、相手も多重人格とはすぐには気付かないでしょう。

ユキエの登場

主人格は、また塞ぎ込むことが多くなり、電話しても別人格ばかりで出ないことが多くなりました。HANAKOの話だと、いなくなりたがっているということでした。自殺未遂に近いものも増えてきました(ダンプカーに飛び込みそうになる等)
そんな中、新たな人格が登場しました。ユキエと名乗る彼女は主人格を消そうとしていました。唸り声のような声で、私に向かって「消えろ、電話してくるな(ただかけると出る)、邪魔だ」ということを言ってきました。
HANAKOと相談すると、アイツはやばいという話でした。ユキエは怒鳴るので、母親も異変に気付き、人格が変わる瞬間を目撃し、ようやく多重人格であることが家族に知られることが出来ました。

多重人格の治療方法

鬱病など、様々な精神疾患がありますが(身内に躁うつ病(双極性障害)もいるので、機会があれば書きます)、医療が進み投薬などで抑えられるようになってきています。しかしながら、少なくとも当時は多重人格に効く薬というものはありませんでした。
私は、このままでは主人格が消えてしまうかもしれない、もしくは自殺してしまい全ての人格がいなくなるかもという不安から精神的に参ってしまいそうでした。花子の母親とHANAKOとも相談しながら、ほとんど出なくなってしまった花子を呼び戻すことを試みます。当時、様々な資料や多重人格者が集まるコミュニティなどに参加して分かったことは人格統合ということが可能ということでした。
余談ですが、彼女の母親は割と大雑把な性格で、HANAKOに向かって「あなたがいればいいかも」と余計なことを言ってしまったそうでHANAKOに愚痴られました。

人格統合への道

多重人格者の人格を統合するにはどうしたらいいのか?
決まった手法は無いようですが、経験則からして以下のことが有効なようでした。

外部のガーディアン(守護者)になる
多重人格者は誰も守ってくれず、守護者を別人格に委ねることで発生しています。ともかく、私は絶対的なあなたの味方だ 何があっても必ず手を差し伸べて助けるということを伝えていきましょう。主人格は「誰も分かってくれない」→「いなくなりたい」という思考に入りがちです。そんなことない。私は味方だということをアピールしていきましょう。結果的にこれが別人格のガーディアン依存から脱却できるポイントになったようです。

主人格の名前を呼び続ける
あるときは、電話してもほぼユキエが出るようになりました。ユキエは常に罵詈雑言を発していましたが、優しく接するようにしていまいした。しかし、あるときに「もう、花子は深いところに沈んで戻ってこれない」ということを言われました。しかも携帯の電池が切れるという自体も発生しパニックになりましたが、ふと思いついた主人格の名前を呼び続けるとユキエは「どうして?」と言い出し「どうして戻ってくるの?」と言い出し主人格に戻りました。この日を境に自体は好転していきました。

ユキエの旅立ち

徐々に主人格が現れる時間が増え、ユキエは鳴りを潜めるようになりました。呼びかけは聞こえたと言ってました。そして、ユキエは「私の役目は終わった」的なことを言い残し、まるで成仏するかのように出なくなりました。この別れの挨拶はご家族が目撃しています。
説明を割愛していましたが、ユキエは明治時代の人間という設定で「るろうに剣心」を読んで深く頷いていたそうです(何を言っているか分からないかもしれませんが、別人格というより幽霊みたいな感覚でした)

後日談

すっかり元気になった花子と私は正式に交際するようになりましたが、しばらくして新たに現れたストーカーの方に心が行ってしまい、別れることになったのは別の話。
今はどうしているか分かりませんが、幸せに暮らしていることを願うのみです。









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