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夜を支えてくれる灯り ― 山田照明 「Zライト」

作ったものだけでなく、インテリアのことも書いてみることにする。自分が実際に使っていて好きなモノを、自分の言葉で紹介していきたいと思う。

このnoteではどんなスタイルの空間にもそこそこマッチするような家具や雑貨について書くことが多いと思うので、きっとあなたの部屋にも似合うはず。私の記事や写真が、読んでくれた方のヒントになれれば幸いです。

誕生日、おめでとう

4年前に妻からプレゼントしてもらったデスクライト。インテリアについて何か書こうと思った時に、なんとなくこれが一番はじめに目についた。

その頃はWeb系の制作会社に勤め始めたばかりで、家に仕事を持ち帰ることも多かった。夜11時を過ぎて自室のデスクで作業をするとき、モニターの光がやけに目に刺さるように感じて、いつも妙な疲れを感じていた。
こういう感じのライトがあったらいいんだけれど…… なんとなく話していたのを覚えていてくれて、とても嬉しかったことを覚えている。

山田照明 Z-00

良くも悪くもふつう、だからこそいいなと思った。そういうのあるよね、という感じ。使い始めたその日から部屋の風景に溶け込んでしまうような、そんな製品が好きだ。

Zライトは日本におけるアームスタンドの元祖とも呼べる存在で、これ以前のライトは単に手元を照らすタイプのもの多く、角度や範囲を自由に変えられるスタンドライトは発表当時としては衝撃的だったそうだ。その原型モデルを現代に復刻したのがこの Z-00。ちなみに1954年(昭和29年)の発売当初は、「山田式Z型作業スタンド」というなかなかに渋い商品名だったらしい。

コンソールデスクの端っこによく合う

クランプでテーブルの端に固定することができて邪魔にならず、卓上を広く使える。
私のコンソールデスクは奥行きが50センチで、作業場としてはそこまで広くない。
11インチの Mac Book を広げるとそれでちょうど収まってしまうサイズなので、あまりスペースを取らずに「脇からそっと照らしてくれる」ぐらいの存在感が嬉しい。

そばに日記や手帳、それにお気に入りのペンを置いておきたくなって、実際に買ってみたことがある。まあ、自分にはしっくり来なかったのか、何ヶ月か続けたあと結局やめてしまったのだけど。
とにかく、この明かりとスペースがあればいつも、「なにか新しく始めてみようかな」という気にさせてくれる。

素直でいい子なんです

夕方から夜に変わって、光の高さや強さに違和感があり、おもむろに手を伸ばしてぐいっと引き寄せる。そんなとき、高さや角度が一発でぴたりと決まるのが気に入っている。
角度調整ネジは3箇所、回転軸はクランプとヘッドの2箇所。手が届く範囲を自由に、そして音もなくスムーズに位置や向きを固定してくれる。ギチギチと音をたてるやつかなと思ったら、この動作の滑らかさは意外だった。

たまに趣味で手芸(編み物や刺繍)で細かい作業をする際など、手元の本当に近くを照らしてほしいときにはコイツがいて大助かりだ。
今はね、コッチにいてほしいんです、そうそうソコです。これにかける時間が短いのが良くて、元が工業用製品だというのにも頷ける。

他にも

Googleで画像検索してみると、ヘッドが横長で広い机も均一に照らしてくれるタイプや、白やマットブラックなんかのカラーバリエーションがある。
ちょっと似た製品でいうと、インテリア好きの人なら、例えばマーガレット・ハウエルのアングルポイズなんかを街角で見かけたことがあるかもしれない。デスクの広さに余裕がある人は、クランプ式ではなくどっしりと置いておくタイプでもいい。
私の部屋には、この何の変哲もない Z-00 が一番しっくりくる。

夜の側に

蛍光灯の光が眩しい人には、電球一つでぽつりと灯るライトなどいかがだろう。
孤独に過ぎていく作業時間も、例えばこういう機械の暖かさが支えてくれることもある。部屋の周囲にあるものではなく、ただ手元と目の前だけを照らし示してくれる、私にとっては相棒みたいな存在だ。

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