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最恐のトラウマ映画『E.T.』

いつからか覚えていないけど、映画を観て恐いと思うことがなくなった。気づいたのは大学生のときで、友人から薦められたホラー映画(それが何かも忘れてしまったのだけど)がぜんぜん恐くなくて、その映画が恐くないだけなのかと思って他のホラー映画を観てみても同じように恐くなかったのだ。

『ミザリー』とか『シャイニング』とかヤバいやつが出てくるサイコスリラー系はドキドキするし、恐いと思うのだけど、『エクソシスト』とか『オーメン』とか、そういうオバケ系のやつはまったく恐いと感じないのだ。日本の『東海道四谷怪談』とかも、ゾンビ系もそう。映画にかぎらず心霊写真とか怪談のテレビ番組もまったく恐くない。

でも子どもの頃はそんなことなかった。普通に恐かった。むしろ恐がりだったと思う。で、いまでもトラウマが残っている最恐のトラウマ映画が『E.T.』だ。

え?という反応をされることが多い。『E.T.』ってそういう映画じゃなくない?感動系のファンタジー映画じゃない?と。一般的にはそうなのだろう。私は7歳のときに劇場で観たのだけど、ほんとチビッちゃうくらい、いやもしかしたらチビッてたかもしれないけど、震え上がるほど恐かったのだ。

観終わってからもずっと恐くて、父親は面白がって「い〜てぃ〜」とか言ってきて、それだけで泣いてしまうほどだった。調子に乗った父親はゴム製の被り物とかを買ってきて、ことあるごとに私を泣かせていた。こうなるとトラウマになったのは父親のせいかもしれない。

いくらホラー映画なんてぜんぜん恐くないとイキっても(イキってるわけじゃないんだけど)、『E.T.』が恐いんじゃかっこがつかない。社会人になってから克服しようと思ったけど、途中で観るのをやめてしまった。恐いわけではないのだけど、どういうわけか冷静に観ることができないのだ。おそるべしトラウマ。最近もテレビでやっていたからちょっと観てみたけど、やっぱりダメだった。

これまで何人かにこの話をしてきたけど、誰も共感してくれなかった。まあそうだよね。同年代で同じように『E.T.』がトラウマになっている人はいないのかな。同年代じゃなくても幼少期に観たら恐いと思うんだけどな。


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