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【問い】「「緊急事態宣言」とは何か

【答え】緊急事態宣言とは、「災害などによって国家の運営が危機的状況になった時に、緊急事態に対応するために特別法を発令するための宣言」である。

【解説】

例えば、
・内乱や暴動、テロ（たとえば、パリ同時多発テロ事件など）
・大規模な災害
・疫病（例えば、ペスト、結核など）
など、国家の存続を揺るがしかねない有事の際に発令され、日本では内閣総理大臣が発することになっている。
　緊急事態宣言は「新型インフルエンザ特別措置法」によって発令される。

【参考】電子政府の総合窓口　e-Gov
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(令和2年3月13日交付)（令和2年法律第4号）改定

　非常事態宣言がどのようにして行われたのか

（1）満たすべき2つの要件

緊急事態宣言が発令される要件は以下のとおり2つ存在することが挙げられる。

① 国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある
② 全国的かつ急速な蔓延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある
この2つの要件を満たす、という判断はいかにして行われたのか。

（2）専門家の意見を聞く

首相は、（1）の要件を満たしているか否か、諮問委員会の意見を踏まえて総合的な判断を行う。

（3）宣言が行われる

① 首相が宣言し、都道府県指示が住民に要請・指示
　首相が対象区域と期間を定めて非常事態宣言（緊急事態宣言）を発令した。
　その後、対象地域の都道府県知事は、生活の維持に必要な場合を除き、住民に対して要請や指示を出せるようになる。

② 宣言による具体的な影響
　宣言によって可能となった具体的な内容は、以下の通りである。

・多くの人が集まるイベントなどの開催制限（ライブハウス、映画館など）
・多くの人が集まる施設の、使用制限や停止の要請・指示（学校、保育所など）
・土地や建物を、所有者の同意を得ずに使用（臨時の医療施設を整備する場合）
・運送事業者に対し、医薬品や医療機器の配送の要請・指示（緊急の場合）
・業者に対し、医療品や食料の収容・保管命令

③ 「ロックダウン（都市封鎖）」とは異なる

　上記のとおり、強制力のある措置は非常に限られている。
　使用停止やイベントの中止も、都道府県知事による要請や指示に留まるため、従わない場合の罰則はない。

　つまり、アメリカやフランスなどの欧米で起こっている｢ロックダウン（都市封鎖）｣のような、強い強制力がある事態とは少し異なる。

　ロックダウンされた都市において不要不急な外出は一般的に罰金対象（国による）になっている。

アメリカの「国家非常事態宣言」

　アメリカ政府は2020年3月13日、最大500億ドル（約5兆円）の財政出動を可能にする「国家非常事態宣言」を発令した。

　当初は強制力の大きな判断は行われませんでしたが、11日に「欧州からの渡航30日間の禁止」されると間もなく、国家非常事態宣言の発令に至った。

　アメリカではオハイオ州やニューヨーク州など、州知事による「非常事態宣言」が大統領の宣言を先行している。

　オハイオ州では、感染者がわずか3人の時点で非常事態宣言を行い、早期に対策を講じた。
　日本とは違い、「外出しないように下さい（自粛）」ではなく「外出は禁止」なのである。

　なお、アメリカでも外出については原則として「要請」ですが、州知事の判断で罰則を加えることも可能となっている。実際に、禁固刑や罰金刑を定めた州もある。

【参考】政治ドットコム「非常事態宣言（緊急事態宣言）とは？日本の危機について簡単解説」