見出し画像

その程度のことで

たとえば、失恋とかパワハラ被害とか、そういう直接的な出来事があれば心のダメージをはっきり自覚できる。

だけど、自分に直接関係がないことだったり、とても小さな出来事だったりすると、自分がダメージを受けていても気づかない。

自分自身、「この程度のことで傷つくはずがない」と思っているから。

そういうことってないだろうか?

今年のGW、すごく精神的にダメになった日があった。

それまですこぶる調子がよかったのに、自分でもなぜ急に不安定になったのかわからない。

夫が留守にしていたから家にひとりでいたのだけど、どうにも苦しくて、昼間から家にあったお酒を飲んで寝た。

すると、自殺した人の霊に殺される夢を見て、目が覚めてからもしばらく怖くて泣いてしまった。

それで気づいたのだけど、私は不安定になる直前、Twitterでたまたま飛び降り自殺の瞬間をとらえた動画を目にしていた。

その動画を見たときは、

「飛び降りた人にいったい何があったんだろう?」
「動画に撮ってネットにアップするなんて……」

とは思ったものの、自分がそれを見て「傷ついた」とは感じなかった。

だけど夢を見て、「急に不安定になったのはあの動画を見たせいかも」と思った。

たぶん自分でも気づかないうちに、ダメージを受けていたんだと思う。


私は今まで、「何の理由もなく気分が落ち込むことがよくあるな」と思っていた。

それは自分の気質の問題だと。

だけどもしかしたら、いつも何かしらの理由があって落ち込んでいたのかもしれない。

ただ、自分でもその理由に気づいていないだけで。

私は小学校5年生のときから情緒不安定で、中2で学校に行けなくなってしまった。

家族仲のいい中流家庭で育ち、友達もいて、勉強もスポーツも平均的で、性格も暗いわけじゃない。

特にこれといった生きづらさもないはずなのに、ときたま理由もなく心が苦しくなり、息ができなくなる(比喩ではなく、本当に呼吸がスムーズにできない)。

だけど、本当に「理由もなく」心が苦しくなっていたのだろうか?

理由はあったけど、私自身が「その程度のことで傷つくわけない」と思い込んでいたのではないか?

たとえば友だちにちょっとイジられたとき、「この程度のイジリは誰もが日常的に体験してることだしな~」と思う。

けれど、本当はものすごくダメージを受けていたのかもしれない。自分で自分のダメージを過小評価し、見過ごしていたのかもしれない。

「この程度のことで傷つくなんて」と思ったところで、傷口は癒えない。

理由に対して傷の深さが正当かなどを考えても、どうしようもないわけで。

ただただ私は傷を癒したくて、そのためにはまず、「あぁ、傷ついたんだなぁ」と自覚することが第一だと思った。


サポートしていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。いただいたお金は生活費の口座に入れます(夢のないこと言ってすみません)。家計に余裕があるときは困ってる人にまわします。サポートじゃなくても、フォローやシェアもめちゃくちゃ嬉しいです。