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夢が叶う前提でいないと、叶ってしまってから困るのでは?

専門学校で文芸創作を学んでいたとき、同級生のNは「作家になる」と公言していた。

しかし彼は、年に短編(50枚くらい)を一作しか書かない。

そして、ゼミでは他の学生の作品をこきおろし、すでに文芸誌で活躍しているプロの作家すら見下す発言をしていた。

それを見て、不思議に思っていた。

仮に、Nが作家になったとしよう。

そのとき、年に50枚しか書けないと困るんじゃないだろうか?

それに、もしもNにこきおろされているゼミ生が作家デビューしたとき、コラムなどに「私は作家のNと同級生だったが、彼はものすごく嫌な奴だった」などと書かれたら困るのでは?

また、Nが批判している作家に直接「Nは学生のときに、あなたの作品をクソだって言ってましたよ」とチクられたら困るのでは?

……と、私は勝手に心配していた。

Nの行動は、本当に作家になったときに自分の首を絞めるものばかりだ。

彼はなぜ、10年後の自分にとって不利なことをしているんだろう?

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