起こってほしくないことは口に出さない

少し前、ある仕事がひとつなくなってしまった。

夫にそれを言うと、「サキちゃん、最近よく『疲れた、休みたい』って言ってたから叶っちゃったんじゃない?」と言われた。

たしかに、そのときちょっとスケジュールがパツパツで、「休みたいなぁ」と口にしていたのだ。

そういうことがよくある。

地震の話をした数時間後に地震がきたり、「お会いしてみたいな」と言っていたライターさんからお誘いがきたり。

私はただの偶然だと思うけど、夫は「言霊」とか「思考の現実化」などと言う。


母にこの話をすると、「エミコおばちゃんも同じこと言ってたわ」と言う。

エミコ伯母(仮名)は母の姉だ。数年前に夫を癌で亡くしたのだけど、夫の癌が見つかる前、「あぁ、ひとりでゆっくりしたいわ」と盛んに言っていたという。

伯母は「私が『ひとりになりたい』なんて言ったせいでパパが死んだのかもしれない」と自分を責めているらしい。

母も周りも、エミコ伯母に「偶然よ。あなたのせいじゃないわよ」と言う。私もそう思う。


言霊を信じている人の中には、たまに突飛なことを言い出す人がいる。

「ありがとう」と声をかけた卵は腐らないけど、「バカ」と声をかけた卵は腐った……という実験をTwitterで見た。

私はその実験結果を信じていない。だって、信憑性のあるデータが得られるような実験方法じゃなかったし(実験そのものは興味深いから、ぜひ科学実験のプロに滅菌状態でやってみてほしい)。

今のところ私は、言霊を100%信じているわけではない。

だけど、現実に起こってほしくないことを口に出したり、想像したりするのをやめた。

もしも口に出したことが現実に起こったとき、私の性格ならエミコ伯母のように、「私があんなこと言ったせいだ」と自分を責めてしまうだろう。それが怖い。

最初から起こってほしくないことを口に出さなければ、万一それが起こったときも自責せずに済む。

それに、言わなくて困ることなんてないしね。



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