「美味しいもの食べていっぱい寝てね」
エネルギーが枯渇して元気がないとき、それを察した周囲から
「美味しいもの食べていっぱい寝てね」
という言葉をかけられたことはないだろうか?
私はすぐに元気をなくす人間なので、よくこの言葉をかけられる。
たしかに、美味しいものを食べるのも、いっぱい寝るのも、元気を出す方法として手っ取り早い気がする。
けれど私は、自分の元気がないことに気づいたときにはすでに、
「美味しいもの……なんだろう? 別に、何も食べたくないや」
という気持ちになっているし、眠れなくなっている。
「美味しいもの食べていっぱい寝る」という一見ハードルが低そうな行為ができなくなっているのだ。
だから、「美味しいもの食べていっぱい寝る」ができなくなるほど疲れる前に、疲れを解消するのがベストだと思う。
けれど、その方法がわからない。
というか、その方法こそがたぶん「美味しいもの食べていっぱい寝る」なのだろう。
◇
また、「美味しいもの食べていっぱい寝てね」に似たパターンで、
「好きなことしたら元気が出るよ」
「たまには欲しいものを買って自分を甘やかしたら?」
も言われることがある。
たしかに、それらも手っ取り早く元気を出す方法として有効そうな気がする。
さっそく試してみよう……と思うものの、エネルギーが枯渇するとあらゆる「欲」が消え失せてしまうため、
「えっ、私の好きなことってなんだっけ? 欲しいものってなんだっけ??」
と、わからなくなって混乱する。欲を見失った自分に焦るのだ。
2年前もそんな状態になった。
そのときは、なんとか元気を取り戻したくて、元気が出そうなことは何でも試してみた。
欲しいものがわからないのに、無理やり「欲しいような気がするもの」を買ってみたり。外に出て友達と会いまくってみたり、自己啓発本を読んでみたり。
だけど、元気は出ない。
それどころか、ますます弱っていく。
今思えば、そもそもエネルギー残量がかなり少なくなっているのに、それを打開することにエネルギーを注いだため、残りHPが0になってしまったのだと思う。
◇
エネルギーが枯渇すると、自分の欲を見失う。
そのことがわかったから、まだかろうじて欲があるうちに、それを手帳に書き留めておいた。
読みたい本や欲しい服、行きたい場所、会いたい人。
こんなことすら書き留めておかないと忘れてしまうなんて、人間としてどうかしてると思う。自分の心が喜ぶことすらわからなくなるのは、とても貧しく、むなしいことだ。
けれど、とりあえず今は、忘れないように書き留めておくこと、隙を見て欲を満たすことしかできない。
あと3分何か読みたい気分の方はどうぞ。その人が「やりたいことやって生きる」のは結構だけど、「そうでない人」をディスる権利なんてないよね、という話です。
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