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「美味しいもの食べていっぱい寝てね」

エネルギーが枯渇して元気がないとき、それを察した周囲から

「美味しいもの食べていっぱい寝てね」

という言葉をかけられたことはないだろうか?

私はすぐに元気をなくす人間なので、よくこの言葉をかけられる。

たしかに、美味しいものを食べるのも、いっぱい寝るのも、元気を出す方法として手っ取り早い気がする。

けれど私は、自分の元気がないことに気づいたときにはすでに、

「美味しいもの……なんだろう? 別に、何も食べたくないや」

という気持ちになっているし、眠れなくなっている。

「美味しいもの食べていっぱい寝る」という一見ハードルが低そうな行為ができなくなっているのだ。

だから、「美味しいもの食べていっぱい寝る」ができなくなるほど疲れる前に、疲れを解消するのがベストだと思う。

けれど、その方法がわからない。

というか、その方法こそがたぶん「美味しいもの食べていっぱい寝る」なのだろう。


また、「美味しいもの食べていっぱい寝てね」に似たパターンで、

「好きなことしたら元気が出るよ」

「たまには欲しいものを買って自分を甘やかしたら?」

も言われることがある。

たしかに、それらも手っ取り早く元気を出す方法として有効そうな気がする。

さっそく試してみよう……と思うものの、エネルギーが枯渇するとあらゆる「欲」が消え失せてしまうため、

「えっ、私の好きなことってなんだっけ? 欲しいものってなんだっけ??」

と、わからなくなって混乱する。欲を見失った自分に焦るのだ。

2年前もそんな状態になった。

そのときは、なんとか元気を取り戻したくて、元気が出そうなことは何でも試してみた。

欲しいものがわからないのに、無理やり「欲しいような気がするもの」を買ってみたり。外に出て友達と会いまくってみたり、自己啓発本を読んでみたり。

だけど、元気は出ない。

それどころか、ますます弱っていく。

今思えば、そもそもエネルギー残量がかなり少なくなっているのに、それを打開することにエネルギーを注いだため、残りHPが0になってしまったのだと思う。

エネルギーが枯渇すると、自分の欲を見失う。

そのことがわかったから、まだかろうじて欲があるうちに、それを手帳に書き留めておいた。

読みたい本や欲しい服、行きたい場所、会いたい人。

こんなことすら書き留めておかないと忘れてしまうなんて、人間としてどうかしてると思う。自分の心が喜ぶことすらわからなくなるのは、とても貧しく、むなしいことだ。

けれど、とりあえず今は、忘れないように書き留めておくこと、隙を見て欲を満たすことしかできない。




あと3分何か読みたい気分の方はどうぞ。その人が「やりたいことやって生きる」のは結構だけど、「そうでない人」をディスる権利なんてないよね、という話です。


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