見出し画像

新しいポジションで大切なこと!Vol.5| 組織の成功循環モデルを回せ!結果の質をあげる方法

組織の成功循環モデルを回せ!結果の質をあげる方法

前回は、メンバーの役割と仕事を明確にすれば、メンバーは安心して仕事に集中することができ行動の質が高まります!とお伝えしました。

行動の質

今回は、結果の質を高める方法についてお伝えします。

◆結果の質が高い状態とは?

結果の質が高い状態とは、チームの目標が達成され、メンバーも自身の成長ゴールを達成し、リーダーもメンバーも共に喜び合っている状態です。
さらには、最初に決めた目標以上の成果が出ればこんなに嬉しいことはありません。

そんな嬉しい状態にしてみたいと思いませんか。
リーダーもメンバーも共に喜び合える状態になるために、リーダーは何をしたら良いのでしょうか。

結果の質を高めるために重要なことは、チームの目標達成に向けたメンバーの役割と仕事が確実に実行されることです。
そして、状況に応じて柔軟にメンバーの役割と仕事の内容が修正されていくことも重要になります。

3人のリーダーに登場してもらい、それぞれのリーダーが何をやって、どんな結果になっていくのか説明して結果の質を高める方法を解説します。

◆丸投げタイプのリーダーAさんは、どうなるか?

まず、一人目は丸投げタイプのリーダーAさんです。
Aさんは、メンバーに役割と仕事を明確にして伝えたので、任せることが大事だと思い仕事の期限まで放っておきます。

期限になってリーダーAさんはメンバーの仕事の結果を見て、
「なんで、ここまでしかできないんだ!もっと早く報告しろよ!」
「なんだ、これは! 私の言ったことと違うじゃないか!」

と自分の期待した結果と違うことを知って鬼のような顔をして怒っています。メンバーは、声も出せず黙ったままです。

これでは、メンバーは考えることも行動することもできなくなって、結果の質を高めることはできません。

丸投げタイプのリーダーは、仕事を任せるということは大事なことですが、任せることと放任することを勘違いしています。

◆マシンガンタイプのリーダーBさんは、どうなるか?

二人目は、マシンガンタイプのリーダーBさんです。
リーダーBさんは、メンバーに仕事を任せたにもかかわらず、
「あれどうなっている?これではダメだ!」
「期限を守るためには、もっと早くしろ!」

とメンバーのアイデアが浮かぶ前に、自分の考えを押し付けてメンバーをロボットのように扱っています。
これでは、メンバーはリーダーの言われた通りに行動するようになり、指示待ち部下を作っているようなものです。

マシンガンタイプのリーダーが怖いとことは、自分はメンバーの成長を願っているから、丁寧に指導しているつもりになっていることです。
それが、メンバーの創造性や自発性を潰してしまっていることに気がついていいません。

マシンガンタイプのリーダーのもとでは、メンバーは主体的になることができないので、結果の質は高まりません。

では、この二人のリーダーのようにならないためにはどうしたら良いでしょうか。

◆育て上手なリーダーCさんがやっていること!?

そこで、育て上手なリーダーCさんに登場してもらいます。

リーダーCさんは、笑顔で「あの件だけど、どんな調子ですか?」とメンバーに尋ねます。
メンバーは「ええ、順調に進んでいます、〇〇さんとミーティングをしながら、毎日の目標をクリアーしています」

組織の成功循環モデル3

リーダーCさん、「いいね!さすがだね。」と褒めてメンバーのやる気を加速しています。
さらに、「何か私にできることがあったら教えて!」と問題が発生したときでも、メンバーが報告しやすいように受容の気持ちを表明しています。

だから、メンバーは「はい、わかりました。頑張ります」と行動の質があがり、結果の質が高まっていきます。

◆進捗の確認がメンバーのやる気をあげる!

結果を出すリーダーは、リーダーCさんのように進捗(仕事の進み具合)の確認をします。
それも、リーダーBさんのように詰めよるような詰問ではなく、「どうなっているのかな⤴?」と少し語尾のトーンを上げながら質問して、メンバーが答えやすいようにしています。

すると、メンバーは安心して、今の状況や仕事の進捗をありのままリーダーに報告できます。
上手くいっていれば、「いいね!」と褒めて、メンバーにエネルギーを注入します。

・スモールゴールを決める

スモールゴール

さらに、リーダーCさんは、メンバーとゴール(目標)までのプロセスを一緒に決めているので、進捗の確認もやりやすくしています。

メンバーもゴールまでのプロセスを分解してスモールゴール(小さなゴール)があるので仕事が進めやすくなっています。
最終ゴールをビッグゴールとして、その過程にある小さなゴールをスモールゴールと呼んでいます。

仕事を任せるときは、最終ゴールのビッグゴールと一緒にスモールゴールも決めておけば、リーダーは進捗の管理が簡単にできるようになります。
メンバーも毎日の目標があるので、仕事が進めやすくなります。

一方、リーダーが「あの件、どうなっているのかな?」と質問したとき、メンバーから「上手くいっていない」と返事がある場合があります。また、返事ができなくて、黙っている場合もあります。

そのとき、「何をやっているんだ!」とメンバーを責めてしまうと、メンバーは、恐怖を感じ思考と行動が停止してしまいます。

だから、「そうか、そうなのか」と受け止めます。
黙っているメンバーには「なにかあったのかな?」と優しく問い掛けます。

ここでは、メンバーが安心できることは重要です。
正直に言ってくれたことに感謝して、次の行動を一緒に考えます。
どんなに怒ったところで、起きている現実は変わりません。

大切なことは、目標を達成するために、次の行動を起こすことです。
さらに重要なことは、メンバーの問題を解決するのではなく、メンバーが自分の問題を解決できるようにリーダーが支援することです。

あくまでも、主役はメンバー自身です。

自分の話がちゃんと話せていないメンバーもいます。
リーダーCさんは、少しでもメンバーにおかしいなと違和感を感じたら、

「何があったのか?」
「それって、どういうことなのか?」と優しく問いかけます。
そうか、そうだったのかと事実を受け止めると

メンバーは怒られているんじゃないと安心して事実を話し出します。
本当の事実がわかれば、対策も考えられます。

こうして育て上手のリーダーCさんは、メンバーと共にゴールに向かいます。
このやり方を私は「本当の叱り方」と考えています。

どうだったでしょうか。
あなたは、どのリーダーでしょうか。

スクリーンショット 2021-05-04 13.38.20

ゴールに向かうとき、上手くいかないときがあります。むしろ、その方が多いかもしれません。
そんなとき、リーダーの適切なフィードバックがないと、メンバーは道に迷ってしまいます。違う道に進んでいってしまうかもしれません。

リーダーは、ゴールまでの道を決め、そこからそれたら叱り、しっかり進んでいれば褒め、メンバーをゴールまで導きます。

ゴールまので道(流儀)は、例えば、信頼関係を大切にしよう!自分の役割の責任を果たそう!常に前向きにチャレンジしよう!スピードを重視しよう!の行動規準です。

事前にあるべき姿を決めて宣言しておけば、褒めることも叱ることも簡単になります。

このとき、メンバーにとって褒めることはエネルギーを注ぐことになり、叱ることは支援になります。

結果の質を高めるリーダーは、スモールゴールとチームが大切にすることを決め、質問で進捗の確認を行います。さらに、褒めたり叱ったりすることでメンバーを勇気付け、ゴールまで導きます。

さて、今回の質問です!
「メンバーの仕事の状態、気持ちの状態は、どんな状態ですか?」

次回に続きます。お楽しみに!!
拙著「部下が変わる本当の叱り方」明日香出版社を読んでいただけると、部下とのより良いコミュニケーション術を手にいれることができます。


上司と部下が生き生きと活躍できる職場作りを目指しています。いただいたサポート費はさらなるクリエイティブな活動に使わせていただきます。