見出し画像

黒人の売人はなぜ六本木や歌舞伎町でシノギをするのか、せざるを得ない理由。

六本木や歌舞伎町にいると黒人が集まるエリアがあって、通るたびに「ヘイブラザー」とか「タナカサン」とか声をかけられる。                 彼らは基本売人だが、中にはバーのキャッチもいる。当然ぼったくられる。 バーの中でブツを売りつけたりもしている。              しかし、なぜ彼らは警察が強い力を持ち、一度パクられたら懲役プラス2,3年の入管生活を余儀なくされる日本で、シノギをやるのだろうか・・・?

日本は覚せい剤輸入大国

日本は世界で最も覚せい剤を消費している国だ。 歴史的な経緯もあるだろうが、日本人の覚せい剤使用量は突出して多い。            さらにメチャクチャ高い。                             外国の20倍、30倍だという。

これは一つには輸送コストの問題だ。                              国内で製造しない以上、外国から持ってくるしかない。                 当然半分以上は税関で引っかかるだろう。3個輸入して2個止まったら、その時点で単価は3倍になる。

それから国内の流通を牛耳る暴力団やその関係者達が、かなり高いマージンを取って価格を統制している。                          この人たちは規制のせいで他に仕事もない上、外国の反社会勢力と比べても、ものすごく高いカネを上に巻き上げられているので、一発の儲けをデカくしなくちゃいけないからだ。

もう一つは、日本の警察の薬物に対する姿勢が厳しいことだ。            ヨーロッパやアメリカでは、薬物の使用は日本でいうところの大学生の飲酒くらいの感覚で見られる。                            大学に行く息子に母親が「ドラッグには気をつけなさい。」という社会だ。日本の母親が「お酒、飲みすぎないでよ。」という感覚だ。

摘発の可能性が高いということは、販売のコストが上がるということだ。   パクられたら数年はかえって来れない。ならばその数年分、稼いでおかないといけない。                                     こうして日本は世界でまれにみる、覚せい剤が3万円で売られるという状況になっている。

社会に溶け込んだ人でも売人を続けるワケ

しかしいくら儲かるからといって、売人は割に合う仕事ではない。    特に外国人はパクられると、ものすごく長く閉じ込められるので、全然割に合わない。                                      私の知っている人に、ジャック(仮名)というナイジェリア人とブラウン(仮名)というカメルーン人とカルロス(仮名)というモロッコ人がいる。  彼らは皆日本人と結婚し、子供もいる。それなりにカネも持っているのに売人を続けている。                                   しかし生活はいたって質素だ。                            私は不思議に思って少し調べてみると、結構面白いことが分かった。

ジャックはプレスビテリアンというスコットランドから入ってきたキリスト教、プロテスタントの宗派を信仰している。                     しかしナイジェリアの政府はムスリム(イスラム教)が独占している。   ムスリムが元々強いわけでは決してない。                       むしろ少数派でたいした力は持っていなかった。            しかしイギリス政府やフランス政府、石油会社がムスリムに利権を与えて、後ろ盾になっているのだ。 

一般論としてキリスト教、特に非カトリック勢力には「健全な」民主主義が多い。                                     もしナイジェリアに民主主義が根付き、ちゃんとした産業やビジネスが生まれたらどうなるか。                             当然「オレたちの国なんだから、イギリスやフランスが石油を取るのなんてあんまりだ。」となる。                              それはイギリスやフランスにとって困るので、独裁を正当化し、一部の人だけが潤えばいいと考えるムスリムに支配させているのだ。

ジャック達キリスト教徒は主にイボ族と言われる民族で、1960年代からずっと分離独立の運動をしている。                          1990年にイギリスとソ連の介入で独立運動は半ば壊滅し、下火になったが、今も細々と地下組織が動いている。                      独立運動にはカネが必要だ。                            しかし、利権はムスリム政府とその取り巻きが独占しているので、ナイジェリにいてもどうしようもない。 

だから一部の出稼ぎ組が日本に来て「ビジネス」をしているのだ。                 そして一度捕まったらナイジェリアには帰れない。                      政府にキリスト教徒が外国で売人をやっていたことがバレると、独立勢力に送金していたこともセットで分かってしまうからだ。                      だから入管で難民申請をしたり、左翼系の弁護士を使ったりして、何としてでも日本に残ろうとする。                               仮放免で出所すると、日本の決まりでは月10万円かそこらしか仕事をしてはいけなくなる。                                    それでは生活はできても送金はできない。                       だから六本木に戻って売人を続けるしかない。

ブラウンの場合、カメルーンは多数派フランス語話者と少数派英語話者の対立が、カトリックVSプロテスタントになり、激しくやりあっている。              モロッコでは人種対立がある。

岸田のアフリカ4兆円支援は独裁の正当化 

8月末に日本とアフリカの間でTICADという会合があり、日本が今後3年で4兆円をアフリカに投資すると岸田が言った。                    強い要求をしたのは、ナイジェリアのムスリム独裁政府などだ。                日本がインフラを作っても、それは既得権益層、独裁者の利権になるだけだ。                                             独裁者やその取り巻きを焼け太りさせ、少数派や対立する者の抑圧にそのカネやインフラ、政治力が使われる恐れがある。                    そしたら巡り巡って、日本でシノギをやらざるを得ない人が増えるかもしれない。                                         「民主主義と権威主義の闘い」なんてドクトリンを掲げるわりには、ものすごく浅はかな外交だ。

                                                     

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?