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【新入社員向け】企業型確定拠出年金のファンド選び—ターゲットイヤー型ファンドのメリットとデメリット

退職金・企業年金コンサルティングチャンネルを運営しております大森祥弘です。

今回の動画では、「新入社員向け:企業型確定拠出年金のファンド選び—ターゲットイヤー型ファンドのメリットとデメリット」というテーマで解説しております。

数年前にアップロードしたショート動画が再注目され、多くの若手社員から関心が寄せられています。特に新入社員が企業型確定拠出年金で運用商品を選ぶ際のポイントを深掘りします。

YouTube動画はこちらからご覧いただけます

新入社員必見!企業型DCでオススメしない運用商品

ターゲットイヤー型ファンドの基本

ターゲットイヤー型ファンドは、特定の「目標年」(2030年、2040年、2050年など)を基準に運用が行われます。ファンドは、その年に合わせてリスクの高い資産からリスクの低い資産へ徐々にシフトしていきます。

若い時期には積極的に成長を目指す外国株式に投資し、年齢と共にリスクを減らすよう資産配分を調整します。これにより、リタイアメント近くになって市場が下落しても資産の減少を抑えられる設計です。

  • 潜在的な問題点


    1. 転職とポートフォリオの不一致:企業型確定拠出年金では転職時に確定拠出年金の現金化が必要になるため、長期戦略としてターゲットイヤー型ファンドを設定することが難しいです。

    2. 運用会社の持続性:ターゲットイヤーまでの長期間、運用会社が存続する保証はありません。合併や業界の変動によってファンドの扱いが変わる可能性があります。

    3. 運用戦略の時代遅れのリスク:技術革新と共に投資戦略も進化します。36年後の2060年には、高齢=安定運用シフトという現在の運用戦略が古典的である可能性が高いです。

Web補足解説

*YouTube動画で解説した内容の参考となるWebサイトや引用した資料を紹介しています。動画内で説明した黒板スライド等も掲載しており、耳の障害をお持ちの方も私のYouTube動画をご覧いただくために、動画の字幕文字起こしを掲載しています。

こんばんは、大森祥弘です。今回の動画なんですけど、実はですね、2、3年半ぐらい前に私がアップしたショート動画があるんですよ。

これがね、やたら最近人気になっちゃってですね、短期間に5万回ぐらい再生されましたとYouTubeからお知らせをいただいたんですけど、新入社員といった若い方向けにもうちょっと話をした方がいいんじゃないかなっていうのと、私の意見を聞きたい人もいるんだろうなと思ってきまして。

また、時期が4月っていうところで入社した会社で、企業型確定拠出年金をやっていて、自分がどれか運用商品を選ばなきゃいけないって時に、どれを選んだらいいんだろうっていうことで、たまたま私の顔と当時のショート動画の元気な様子を見ていただいて、オールカントリーにしようとか考えていただいた方はいいんですけど、今回の動画では「これは選ばない方がいい、これは無理して選ばない方がいいと思うよ」っていう話をしたいと思います。

ズバリ、今日は結論から言うんですけど、何をですね、選ばれ方がいいかなっていうと、ターゲットイヤー型のファンドです。

見分け方は簡単で、2030年、2040年、2050年とか、数字が入ってる商品です。

ターゲットイヤー型って何かっていうお話をまず簡単に話します。
2050年とか2060年とかそのターゲットとする年を決めて、そこで運用していこうっていう考え方ですね。

ほったらかし運用になるので、長期分散積立、コツコツ投資で分散していくわけなんですけど、その2060年っていうターゲットイヤーであれば、2060年に向かうに、だんだんだんだん高齢になれば、より近づいてくれば、安定的なリスクの商品にポートフォリオを調整していくっていう仕組みです。

若い時は積極的に外国株式で運用、年取ってきたら運用商品ファンドの上がり下がりがあって退職とか、いざ受け取りたいっていう時の手前で下がっちゃうと資産が目減りして、それを回復する時間というか期間がないもんですから、減ったものを受け取れざるを得ない。なのでこうリスクを抑えてですね、ポートフォリオにしていくってのを自動でやってくれる、年を決めてターゲットイヤーを決めてやっていくっていうのがターゲットイヤー型のファンドになります。

すごいざっくりとした説明ですけど、こんな感じ。

で、なぜ私がターゲットイヤー型のファンドをお勧めしないかというとですね、大きく3つあります。

理由1つ目:ターゲットイヤーが来るまでに転職すると現金化せざるを得ないし、転職先に同じファンドがない(ターゲットイヤーまでそもそも持てない)

ターゲットイヤーまで会社に勤める保証がないのにターゲットイヤーを決めても、企業型確定拠出年金って転職する時に必ず現金化しなきゃいけなくて(必ずっていうのはちょっと言いすぎなんだけど)。

現金化しなきゃいけないってことはターゲットイヤーを2060年で決めてファンド持ってたとしたって途中でやめちゃうわけでしょう。

そのファンドのコンセプトと自分のキャリアが合ってないじゃんって話ですね。

ここで話を止めると、ターゲットイヤー型のファンド作ってる会社の人たちからすると、もう大森さん!っていう話になるから、ちょっとフォローすると、iDeCoや新NISAでターゲットイヤー型のファンド選ぶんだったら100歩譲ってありかなと。

なぜかというと、転職しても仕組み的に持ち続けることが可能だから。

2060年までターゲットイヤー型のファンド、持ち続けるんだっていうことであれば筋通るじゃないですか。

後は転職した先で同じ商品があるかっていうと、うん、多分ない。
だから転職して、転職先の企業型DCの運用商品一覧から買い直すっていう時に、自分はこの運用会社のターゲットイヤー型の商品を買ってたから、次の転職先でも買おうと思っても取り扱いがない。

取り扱いがないんだから、ターゲットイヤー決めたってしょうがないじゃんっていう話が1つ目です。

理由2つ目:ターゲットイヤーまでその運用会社、運用ファンド商品ありますか?

運用する方もターゲットイヤーまで長い期間、運用できるっていう確証がないのに、よく2060とかっていうファンド作るなって僕は思うんですよ。

だって2060年まで積み立て、コツコツ投資で毎月、企業型確定拠出年金の掛金2万円だか3万円だか1万円だかわかりませんけど、そのファンドを買い続けるんですよ。

2060年まで販売元の運用会社、投信会社が確実にありますか?っていう話です。

今、2024年で2060のファンドの運用を終えて、受け取るまであと36年もあるわけですよ。

36年後に。その運用会社って今と変わらずありますか?っていう話なんですよ。

僕はね、ないと思うな。合併したりなんかしたり、いろいろあるんじゃないと思うから、よほどの信頼があればいいと思うんだけど、ちょっと気になる。

あとはこれいくつも話すと、3つ目とかっていう話じゃなくなっちゃうかもしれないけど、ちょっと横道にそれるとターゲットイヤーっていうのが36年後にものすごい古典的な運用手法になってる可能性が否めないっていうところですよ。

何を言ってるかっていうとね、2060年って今2024年ですよ。私、実際今30半ばですよ、こう見えて。で、自分が子供の頃って、まさかね、スマートホンというカメラのついた電話で、こんなYouTube撮影するなんて思わなかったですよ。

技術革新がいろいろ起こる中、運用手法とか最適な運用の考え方っていうのも、じゃあ2060年に向けて全く変わらないかっていうとね、多分変わると思うんですよね。

そうするとこのターゲットイヤーっていう考え方がちょっと古典的になるんじゃないかなというふうに私は思います。

理由3つ目:2060年まで高齢=安定シフトという考え方は続く?

最後、やめた方がいいかなと思う理由3つ目は、2060年というターゲットイヤーが近づいてきたから、だんだん安定資産にシフトしようみたいな考え方っていうのが前提として、高齢者イコール低リスクな運用をするというような考え方に基づいていると思うんですよ。

これがもう本当にオーソドックスな考え方で、私も確かにそれはそれでアリだと思うんだけども別の動画で私、解説したことがあるんですが、私は36年後、2060年というのはね、もうお金、老後のお金が不安ていうのは解決できてるっていうふうに思っている。

何でかっていうと、また別の動画とか、これまで私が話してきた内容をいろいろ興味ある人は見てもらえればと思うんですが、一言で話すとね、企業が皆さんにお金とかそういったお金の代わりのポイントみたいなものを提供する、定期的に提供するっていうことがね、文化として定着してくる。

その結果、年金が足りないとか、何が足りないとかっていうのはあるんだけど、結果的にはどこまで贅沢な暮らしをするかとかっていうのはあるんですけど、生活はね、できちゃうんじゃないかなっていうふうに私は思ってる。

具体的に言うと、OpenAIを創設したサムアルトマン氏が創設したワールドコイン財団っていうのがあるんですけども、目の網膜をスキャナーしてくれて、登録してくれた人に関しては定期的にビットコインみたいな感じで仮想通貨を渡すわけです。

で、それを積立投資でずっと持ってれば一定の額にはなります。

そういうのがいくつか出てくると思っていて、そうするとちょっと話を戻すと、高齢者だから低リスクな運用をすることがオーソドックスかっていうと、ちょっと違うかなというふうに思っております。

どちらかというとね、私、ちょっと脇道それるかもしんないですけど、この動画ね、もしぜひ見ていただいた方でね、この動画見てくれるって結構ね、意識高いっていうか、ちゃんと考えようってきたと思うんですよ。

なのでそういう人に向けて、ちょっと雑談みたいになっちゃうかもしれないけど、どちらかというとお金があっても老後のサービスを利用できない、つまり供給が不足するっていうですね、未来になると私は思っています。

だから、もし皆さん老後が不安だということで何かしたいんだったら、どちらかというと自分がおじいちゃん、おばあちゃんになって、美味しい野菜が食べたいっていう話だったら、自分で家庭菜園を始めるとか、そっちの方が重要です。

ちょっと笑っちゃう人もいるかもしれないけど、真面目な話ね。

まとめますと、1点目は転職するのに、なんでその2060という転職の先にあるターゲットイヤーを設定するファンドを購入するのって話。

2つ目は、そんなに長く運用する方も運用できるという話。

3つ目は、高齢者だからって低リスクの商品にだんだんファンドをシフトしていくっていうのは2060年ごろには多分、違うでしょうということです。

今回の解説はここまでです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。

何かこういうのも話してほしいとありましたら、遠慮なくYouTubeのコメント欄にお願いします。大森祥弘でした。