見出し画像

ノムさんは月見草じゃないよ

私は野球が大好きなのです。

プロ野球のシーズンが始まると、ほぼ毎日野球を見てしまうし、メジャーリーグもついつい見てしまいます。そこに高校野球が加わると、一日の予定が「野球を見る」だけで埋まってしまうこともあります。

そんな私にとって、野村克也さん死去のニュースはかなりの衝撃でした。

もうかなりのお歳だし、いつかはお別れのときが来ると思っていたものの、それでも訃報を聞いてからずっと、今に至ってもしんみりしているほどショックです。

私がバッテリーの配球や、ピッチャーの継投、ランナーが出たときの戦術など味わいながら野球を見られるようになったのも、ノムさんのさまざまな教えから学ばせていただいたおかげです。

ノムさんが野球界に残した功績はたくさんあります。現在のプロ野球の基礎の半分は、ノムさんが作ったんじゃないかとさえ思えるほどです。

功績の詳細についてはちゃんとまとめてくださる方に譲るとして、私がずーっと気になっていたアレについて書きたいと思います。

「ONがヒマワリなら、オレはひっそりと咲く月見草」

ノムさんの名言の一つとして有名な月見草。これは、王や長嶋といった華々しい選手と、地味な自分を比較してたとえたものですが、私はノムさんは月見草だったとは思ったことはありません。

確かに王・長嶋と比べたらアレですが、ノムさんはスター選手の1人でした。だから「ノムさん=月見草」となると、「ちょっと貧弱すぎない?」と思ってしまいます。

私にとってのノムさんのイメージは草花ではありません。松とか杉とか檜とかの大樹です。見た目は地味だけれど、地面にしっかり根をはり、頑丈で役に立つ幹を育てるところも、ノムさんらしいです。

ノムさんが某球団の監督だったとき、ある選手から美人局の被害に遭ったことの報告を受けたそうです。そのとき、ノムさんはその選手を怒ったり批難することなく、「大丈夫か」と心配をしてくれたうえで、即座に腕の立つ弁護士に依頼をして事態を丸く収めてくれたそうです。

こういうところも、ノムさんを大樹っぽいと思える理由です。心も懐も大きくて深い。

ノムさんはあちらに行って、サッチーに会えたかしら? 鶴岡さんにも会えたかな? きっと稲尾さんにも会ってるよね――そんなことを考えながら、私は今日も12球団のキャンプチェックをしています。それが野球好きである私のやるべきことだし、ノムさんもあちらでやっているんじゃないかなぁと思うので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?