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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
今日の写真は昨年の晩秋に京都の東福寺を訪れた時に撮ったものです。お寺の方に伺いますと、
昨年は暖かかったので紅葉の赤い色が鮮やかではなかったそうです。それでも十分美しいです。
このアングルは鬼平犯科帳のエンディングに出てくる秋の景色を意識して撮りました。(笑)

京都 東福寺の紅葉

さて、本日1月29日のニュースレターをお送りいたします。
 
【株式・為替市場の動き】
明日から始まるFRBの金融政策決定会合(FOMC)の結果様子見で株価はあまり大きな動きはしていません。しかし、大方の予想では金利は据え置き、インフレ率は引き続き低下なので、米国10年債の利回りが下がっています。国債の利回りが下がると、この所ほぼナスダックの株価が上昇します。その理由は、国債の利回りが下がるという事は国債の値段が上がるという事です。その為、国債より株価の方が割安感が出て買われると言う動きになりやすい為です。 今週は雇用統計の発表がありますので、低調な雇用、低い賃金の上昇などのデータが示されれば、更なる国債の利回りの下落が期待できます。そうなれば、株価上昇、円高に動いて行きそうです。現在は米国10年国債の下落が続き、4.076%と先週から大きく下がってきました。その為、ドル円も円高に振れており現在は147.51円となっています。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
ここ数年のコロナ支援による財政支出、環境問題対策の為の支出、ウクライナ支援、国境開放による不法移民対策費など米国の財政が逼迫し、それを賄う為に国債を大量に発行してきました。また、インフレ対策として、逆にFRBは米国債の購入を止めて財政引き締めをしています。国債の大量発行、FRBの財政引き締めいずれも国債の利回りを上昇させる原因になります。市場に大量の国債が出回りますので、利回りが高くないと売れないからです。逆に国債が大量に買われると金利が下がります。その為、インフレ率が下がり、FRBの政策金利の上昇がストップしても思ったほど米国債の利回りが下がってきませんでした。しかし、昨年の最悪期と比べると約1%の国債利回りが下がったので、ローン金利もそれに伴い約1.5%ぐらい下落しました。 そこで足踏みが続いていますが、FRBの利下げ発表が出れば、それをキッカケとして国債の利回りも下がり始めると思います。それが3月なのか、5月なのか、6月なのかは意見の分かれるところです。
資産運用マネージャー、アナリスト、トレーダー計236人の予想中央値によると30年固定ローン金利は今年末には5.5%迄下がる見通しが出ています。 私は、比較的早い時期にFRBが利下げを開始すると見ているのですが。
今年1月21日までの4週間の新規住宅売り出し件数は前年同期比で2.2%増加となっています。金利の低下に伴い徐々に売り出し物件の件数が増えていますが、ローン金利が5%台に入ると一気に増えるとの見込みです。
本日のローン金利は先週より低下して始まりました。今週のFOMC,雇用統計によっては引き続きローン金利低下が期待できそうです。
 
カリフォルニアの家賃は昨年からじりじりと下がっています。今年も引き続きその傾向が続いている様です。しかし、昨年大きく下がった
サクラメントでは今年に入って1.95%上昇となっています。他の大きな郡、LA,サンディエゴ、サンフランシスコ、リバーサイドなどは軒並み2%前後の下落となっています。
 
昨年大きく家賃が上がったのは以下の都市です。
Providence, RI    21.55%  今年は3.29%下落
Columbus, OH    11.56%  
San Jose, CA       9.48%
Cincinnati, OH     8.96%
Kansas City, MO  8.72%
Jacksonville, FL   7.62%  今年は0.54%下落
Hartford, CT       7.37%   今年は0.47%下落
オハイオ州の家賃は引き続き上昇。
 
一方昨年から大きく下落して引き続き今年も下落しているのは以下の都市です。
Salt Lake City, UT       -20.75% 今年は約2%の上昇
Austin, TX                  -12.53% 今年は若干上昇に転じています。家の値段も家賃も反転しています。
Raleigh, NC                -12.18%
Las Vegas, NV            - 9.27%
Houston, TX               - 8.74%
Memphis, TN              - 7.75%
Denver, CO                - 7.69%
 
 
【経済の動き】
日本株が上昇しています。日本の景気は良くなっているのでしょうか? データ上は良くなりつつあるようですが、引き続きデフレマインドによるデフレ懸念はありますね。長年にわたるデフレの為に、節約が身についている様です。我々バブル世代はそうでもないのですが。また賃金も上がっていませんでした。しかし、コロナで世界経済が大きく動き、昨年から日本もインフレで、賃上げ機運が高まっていますが、日本株高の原因はやはり、海外投資家による中国株売りによる日本株買いと、今後の円高期待でしょうか? 円高になると海外投資家にとってみれば運用実績がそれだけで上がります。米国株の上がり過ぎ懸念、EUの中心国であるドイツの不振など今まで割安だった日本へ海外投資家の目が向き始めたのでしょう。それは良い事ですが、確実に日本の景気が上がり続けてくれれば、割安の日本株への投資がさらに増えて株価上昇、円高へ期待が出来るようになるでしょうね。
さて、米国ですが、世間をみると景気は上昇過程ではなく、下落し始めていることが感じられます。特に中低所得層はそのように感じているでしょう。FRBのメンバーやWall Streetの人たちは高所得者ですから、そのあたりをどう見ているのでしょうか?
金利を今年早々に下げるか、当分このまま確実にインフレが収まってくるのを確認してから利下げをするか、FRBは迷っている様です。
実際に昨年からインフレ率が確実に下がっており、FRBの目標のPCE価格指数(個人消費支出)は伸びが鈍って来ており、FRBが目指す2%のインフレ率は一部の指標では既に達成したことが示されています。コア物価指数は6カ月間の年率ベースで12月に1.9%上昇となり、2か月連続で2%を下回っているのです。この状況は直ぐにでも政策金利を下げても良い状況ではあります。何故なら、以前にも言いました実質金利が上昇しているからです。政策金利の5.25%―5.5%の金利は変わりませんが、インフレ率が下がると、実質金利は政策金利マイナスインフレ率となりますから、例えば、5.5%の政策金利で、インフレ率が3%の場合は、実質金利(金利負担)は5.5%―3%=2.5%となりますが、インフレ率が2%であれば、1%実質金利が上がったことになります。それだけ経済に負担を掛けます。ソフトランディングを目指している(大きな景気後退なしにインフレを退治する)FRBとしては、景気後退が進んでから金利を慌てて下げるのはしたくありません。
逆に、慌てて金利を下げて、景気が過熱して、その後インフレがまた高進すると、直ぐに金利を引き戻して引き上げるとFRBとしてのメンツにかかわります。どちらもしたくないので、迷っているのでしょう。先ほど言いました実態の景気は良くないのを身をもって知っていたら、3月には金利を下げ始めるでしょうが、そのあたりはFRBの議長や理事たちがどう見るかです。
いつも言っている様に米国景気は下降気味で、急に大きく下がるか、じりじりとゆっくりソフトランディングするかはハッキリと分かりませんが、今年の利下げは間違いなく起こりますし、どれだけ早く、頻繁に利下げするのかの違いだけで、うまくゆけば、今年後半には住宅ローン金利が5%台に突入する可能性が大いにありますね。
今週発表される雇用統計が大いに注目されています。その結果次第で3月利下げが決定されるかもしれません。参考までに、2023年12月には、15州で失業率が前月比で上昇していたことが23日の発表で分かりました。失業率の上昇が大きかったのはマサチューセッツ州とロードアイランド州で0.3%で、最も失業率の高かった州はネバダ州で5.4%でした。全米平均の失業率は3.7%で前月からの横ばいですが、この数字の中にはアルバイトなど契約社員が多く含まれており、正社員の数は減っていますし、全米では失業率が高い州の沢山あり、州によって大きく違っています。
 
 
【今週の???な国際ニュース】
ホワイトハウスは1月25日に日本の岸田首相の訪米を発表しました。4月10日に国賓待遇での招待です。
パーティー券問題とその対処で岸田首相、自民党の支持率が益々下がり続けているこの時期に、またレイムダックとなって次の大統領選への候補になるかどうかも怪しいバイデン大統領に会いに行って何をするのか?全く日本のマスコミは報道してくれません。
米国のカービー戦略広報調整官は記者団に岸田首相の訪米は日米同盟や日米関係の重要性を明確に示すものだと意義を強調しています。
何のことでしょうか?今更。
米国では来年度の予算がウクライナ支援問題で揉めており、未だに議会で予算が通らず、イスラエル支援でも米国民から批判を浴びています。
イスラエル支援の方針を変えない政府に嫌気がさして、若者が民主党支援を止め、選挙戦のボランティアから去っています。
米国議会が混乱し、イスラエル支援で足元が怪しくなってきた政府。この状況で米国を訪問して岸田首相は米議会で何を言うのでしょうか?
米国の目的は先のダボス会議(世界経済フォーラム)にウクライナのゼレンスキー大統領が参加していましたが、いよいよ、世界中からの支援が続いて得られそうにないのでロシアとの和平の話し合いを始める方向で調整に入ってたという事です。和平が進めば、次は戦後の復興です。その復興費用を日本に出させることが目的だと言われています。バイデン政権は岸田首相から復興費用を出すことを約束してもらう為に国賓で迎えるのです。
よその国同士が戦争して、ウクライナ国内が荒廃した。それをたきつけた米国やNATO諸国が戦後の復興支援をするのは当然でしょうが、関係のない日本がどうして復興資金を出すのでしょうか? 日本はこの戦争への責任があるのでしょうか?米国に言われてロシア制裁をしたことが唯一の責任です。 日本国内でも問題が山積しており、緊急で必要な能登地震復興支援、円安の為、高騰してしまった石油天然ガスなど価格安定支援、天然資源確保のための支出、貧困世帯が増えている現状の対策などなど日本国内への支援が終わった後での海外への支援だと思います。ウクライナ復興支援でもウクライナが復興計画を共同で策定している提携先は米国のブラックロックだそうです。資金は日本が出して、利益は米国企業が吸い上げる。日本の首相は国賓で歓待してもらって気分よく米国へ行く。この構造にNOを突きつけるマスコミや国会議員はいないのでしょうか?
            
【豆知識】
オフィスビルディングからアパートへの改築が進んでいる都市トップ10
 1.   Washington, D.C. (An estimated 5,820 units expected to be converted from office to living spaces)
2.   New York (5,215)
3.   Dallas (3,163)
4.   Chicago (2,822)
5.   Los Angeles (2,442)
6.   Cleveland (2,012)
7.   Cincinnati (1,563)
8.   Kansas City, MO (1,510)
9.   Atlanta (1,422 units)
10.         Phoenix (1,377 units)

【今日のローン金利】

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