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Arts & Culture

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アートやギャラリー「脳の裏庭」のことetc. しまなみ海道のことが中心、たまに遠征。 Graphics:wirestock/出典:Freepik
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「たった3滴のお茶でもてなす」という茶道の世界をのぞいて来た

京都の宇治でたててもらった抹茶がおいしすぎて、困っている。 それは先月末に旅行で訪れた、お茶と宇治のまち交流館「茶づな」だった。 イートインのような喫茶スペースだったので侮っていたが、泡がスタバのカプチーノのように滑らかで濃密だったのだ。はふーん、とろける。 驚いてお店の人に「茶せんでたててるんですか?」と聞くと、「はい、そうですが」と当然と言わんばかりの涼しげな京都スマイル。これがお茶所の矜持か。 おいしいものの罪とは、身の回りの「そこまでおいしくないもの」を色褪せ

西陣織がテクノロジーと現代アートに狂い咲いていた

布がアツい。最近、ヒートテックの超極暖で悦に入っていた私をぶん殴るような新商品が現れた。 「布に電子回路をプリントしていて、布そのものが発熱します。電源を入れると5分で約80℃まで上がります」というショルダーバッグで、その中に入れておくとレトルト食品を温められるらしい。 「運動部でがんばる息子に温かいお弁当を食べさせてあげたい」という親心からの開発だったそうだが、80℃ってローストビーフとか作れちゃうレベルじゃん。布、いったいどうなってるんだ。どこまで進化する? 進化と

瀬戸内のマニアックなお寺で巨匠の神業を”発掘”する。美人画・鏑木清方など「近代美術展」耕三寺で開催中

しまなみ海道でちょっと風変わりな観光名所といえば、生口島(いくちじま)にある「耕三寺(こうさんじ)」(広島県尾道市)です。 耕三寺は、初代住職が亡くなった母親のために30年近くかけて建てたお寺。「お母さんのためにここまでするなんて!」と、その愛に圧倒されるほど凝った建物の宝庫で、堂塔など15棟は国登録有形文化財となっています。 境内には、地獄と極楽が体験できる洞窟や、約3000トンの大理石を使って彫刻家が制作したという純白の山のごとき大理石庭園など、いたるところに趣向が凝