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500人のお姫様を味方につけた私は、きっと最強なのだ

今、100円ショップでシールを買うのが止まらない。どこへ行っても目で追ってしまう。「新作は出てねぇが~~!?」って、なまはげのように。

いつから置いてあるのか不明だが、最近目につくようになった「スタディシール」。別名「ごほうびシール」ともいって、子どもが何かいいことをするとオトナが貼ってあげる”ご褒美”のようなものだ。

小学校低学年のとき、九九を1段覚えると担任の先生が、動物や電車のシールを1枚くれた。花を集めるのが好きな子もいれば、特急のエンブレムをコレクションする子もいた。シールの名前こそ知らなかったが、アレだったんだと思う。

振り返れば”子ども騙し”だと笑うこともできるが、実は今、その子ども騙しにどっぷりハマっている。ハマっているどころか、これがなければ今の自分の生活は回らないくらいだ。

何に使っているかというと、ToDoリストに貼っている。

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スタディシールには、「たいへんよくできました」や「すごいね!」「よくがんばったね!」などの誉め言葉がそえてある。タスクを達成してシールを貼ると、自動的に褒められている気がするのだ。

マラソン中に名コーチが隣を併走して「その調子!」「お前はがんばってる」と励ましてくれているような感じ。

お姫さまやユニコーンなど、激甘ファンシーなシールを買う。このシールが貼りたくて、がんばる。緊張する取材のアポや苦手な事務仕事を終えると、お姫さまが笑顔でねぎらってくれる。フリーランスで一人家で仕事してると、励まし合う相手もいない。仕事のことをSNSに投稿することはあるけど、ささいなことまで連投するとただの”かまってちゃん”だ。かまってちゃんな投稿にぜんぜん反応がないと、それはそれで落ち込む。

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それを一挙に解決してくれたのが、このスタディシールなのだ。彼女たちが応援してくれるおかげで、今まで先延ばしがちだった作業が前もって終わるようになった。

請求書を送った ←「GOOD!」

テープ起こし30分×4セット ←「よくがんばったね!」

山にイノシシのぬた場を撮りに行く←「たいへんよくできました」

「褒められないと働けないとか、そんな子どもみたいなメンタルでフリーランスが務まるのかよ」と笑われるかもしれないが、実際その通りだから仕方ないのだ。働く子ども――、それが私のキャッチフレーズなのだから。(嘘です。今とっさに思いついた)

ちなみに、スタディシールにはランクがあって、金の箔押しが全シールにあるような大きいサイズのは高い。箔押しは一部だけの小さいサイズのシールは、100円で225枚も入っていたりする。自分はタスクに着手しやすいように、細切れに設定してるから1日8~12,3枚くらい使う。だから1枚1円以下だと湯水のように気兼ねなく貼れる。大きいタスク設定なら、1枚5円や10円してもよいだろう。毎日使うものだから、この辺のコスト感覚は結構大事だ。

書いていて思い出したけど、日本のキャバクラってコンビニの数より多いんだって。世の殿方たちは、もしかしたらこうやって労ってほしくて、仕事終わりに姫たちのいる城に寄って帰るんじゃなかろうか。

今、私のデスクには500人以上の姫および姫のような生き物が待機している。なんて贅沢なことだろう。引き出しの中から、賑やかなおしゃべりが聞こえてくるような気がした。

カラス雑誌「CROW'S」の制作費や、虐待サバイバーさんに取材しにいくための交通費として、ありがたく使わせていただきます!!