思考グセがあなたの人生をつくっている 【不安や怒りを静める心理技術:認知行動療法】
こんにちは、野口嘉則です。
あなたは、「人生はあなたの思考パターンがつくりだしている」って知っていましたか?
今日は、「思考を柔軟にすると、感情や行動のパターンにも変化を起こして人生を変えることができる」という話をしていきたいと思います。
また、今日お話しする「思考の柔軟性」を高めると、落ちこんだときに立ち上がってくるチカラも鍛えられます。
いわゆる「レジリエンス」と呼ばれる、こころの回復力のことですね。
前回の記事では、「レジリエンス」の大切な要素についてくわしくお話をしましたので、そちらも同時に参考にしてみてください。
「レジリエンス:こころの回復力」の記事↓
<感情や行動は自動思考から生まれる>
「不安」や「落ち込み」や「怒り」といった感情パターンってありますよね。
実は、感情パターンは、あなたの思考グセによって作られているんです。
また、行動というのは、そのときの感情から出てきますよね。
つまり、思考グセが感情を作り、感情が行動を生みだしているわけです。
だけど、ほとんどの人は自分の思考グセに気づいていません。
ここで、自分の思考グセを探るエクササイズをしてみましょう。
以下の状況を想像してみてください。
さあ、あなたの場合、どんな気持ちになるでしょうか?
「不安」「腹が立つ」「ゆううつな気分になる」「まったく気にならない」と、人それぞれですよね。
おなじ出来事に出会っても、人それぞれ湧いてくる感情が違うのはなぜだと思いますか?
それは「その出来事の受けとめかたが違うから」なんです。
もっとわかりやすい言葉で言うと、「そのとき、頭の中でつぶやいたセリフが違う」ということです。
先ほどの例で、それぞれの感情に対して頭の中でつぶやいたかもしれない言葉を見てみましょう。
それぞれのセリフを、ぜひ頭の中で言ってみてください。
それに応じた感情がわいてくるのも、想像できますよね。
この頭の中でつぶやいた言葉は、頭の中に生じた思考とも言えます。
生じた思考っていうのは、意図せずして自動的に出てきますよね。これを「自動思考」と呼びます。特に、認知行動療法でよく使われる言葉です。
そして、自動思考というのは自分の日ごろの思考グセから自動的に生まれているんです。
その結果、わざわざ不安になりたいわけじゃないのに、不安の感情を作ってしまうことになります。さらに、不安にさいなまれてるときは、やっぱり行動も消極的になりがちですよね。
つまり、自動思考が、自分が意図しない感情や行動パターンを作り出してしまうわけです。
<思考という色メガネ>
そう考えると、思考グセって人生のカギを握ってると思いませんか?
だけど思考グセって、色メガネみたいなものなんです。
黄色の色メガネをかけていると、世界が黄色に見えますよね。ところが僕たちは、メガネをかけてることをいつの間にか忘れてしまうんです。
黄色のフィルターがかかっていることを忘れたまま「この世界は黄色いものだ」と思いこんじゃうわけです。
色メガネと同じように、僕たちは、思考というフィルターを通して出来事を見ています。そして、フィルター越しに見える世界が現実だと錯覚してるんですね。
それ自体は避けられないことだし、悪いことではありません。
ただ「自分の見ている世界はフィルターがかかっているんだな」と自覚することで、とっても生きやすくなるんです。
<代表的な認知のゆがみの紹介>
色メガネをかけた状態、または自分の思考のフィルターに気づかず、事実をゆがめて見てしまうことを「認知のゆがみ」と言います。
これも、よく認知行動療法で使われる言葉です。社会心理学などでは「認知バイアス」と呼ばれることもあります。
「認知のゆがみ」の中から、代表的なものを10個を紹介します。
自分にあてはまるものがないか考えながら、読んでみてください。
以上、認知のゆがみで代表的なものを10種類ご紹介しました。
こころ当たりがたくさんあったとしても大丈夫です。比較的多くの人にみられる認知のゆがみ10種なので、それが普通だと思ってください。
大切なのは、この認知のゆがみに振りまわされるのではなく、どうやって思考を柔軟にしていけばいいのかということです。
<サイコロ思考で人生で変わる>
それでは、さっそく思考を柔軟にする具体的な方法をお伝えしますね。
まず、紙でもスマホでもいいので、自分の考えかたをどこかに書きだせるようにしてください。
自分の考えを目に見えるようにして、自分の認知のゆがみに気づくことが最初のステップです。
そして、「書きだした自分のその考えかたや見かたが全てではない」ということを客観的に認識してください。
次に、他の考えかたや他のものの見かたを、思いつくかぎり挙げてみます。「ものごとには最低でも6つの側面(見かた)がある」という考えをサイコロ思考といいますが、サイコロ思考をやってみてほしいんです。
今の自分の見かた以外に、少なくとも他5つの見かたを検証していきます。
ちょっと例をあげてみましょうかね。
どうでしょう? 他の考えかたって探してみると意外と見つかるものなんですよね。
サイコロ思考で最低5つ以上の考えをあげたあとは、その中からもっとも役に立ちそうな考えかたを採用してみてください。
そうすると、シンプルに思考が柔軟になってくるんです。
思考が柔軟になり考えかたが変わると、感情も変わります。
感情が変わると、行動が変わります。
そうすると、行動によって作られていく人生自体までもを変えていくことができるんですね。
また、より本格的に思考の柔軟化をしたい場合は、認知行動療法の中の「認知再構成法」という最強のツールがあります。
これについても、いずれ僕のコンテンツでじっくり取り上げたいと思います。
<まとめ>
今日は、僕たちは、ものごとをありのままに見ることはできないというお話をしました。
紹介したケースのなかには、結構あるあるも多かったんじゃないでしょうか?
でも、「認知のゆがみ」だらけでも大丈夫。僕たち人間、それが普通なんです。大切なのは、認知のゆがみを自覚することです。
今日お伝えしたサイコロ思考は、シンプルかつ非常に強力なツールです。
思考を柔軟にして人生を変えていくために、ぜひやってみてください。
僕のnoteでは、読めば読むほど「自己肯定感が高まり」「人間理解が深まり」「人間力が養われる」コンテンツをお届けしています。
これからも確実に自己実現へ向けて進みたい方、ぜひフォローをしてたくさんのヒントを受け取ってくださいね!
次回は、「自己イメージが飛躍的にアップする」話をします。
あなたは、自分という人間をどのくらい素晴らしい存在だと感じていますか? トランスパーソナル心理学やユング心理学の話を交えながら、人間観のパラダイムシフトが起きるような話をします。
ぜひ、お楽しみに!
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