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【らんまん】オリジナルの学名【第20週・キレンゲショウマ】

「らんまん」第100話感想です。

今日は、思わず田邊教授に感情移入し、気持ちが乱高下してしまいました…。

土佐で発見した同じ植物について、田邊と万太郎はほぼ同時並行で研究を進めていました(お互い、そのことは知らないまま)。

田邊は、今までは学名の命名を外国の研究者に頼っていたが、これからは日本人が自分で学名を与え発表すると、世界の研究者たちに向け宣言します。
これは、モデルとなった矢田部良吉が実際に同様の宣言を行ったエピソードに基づいているようです。

標本を観察し、文献を調べて、2人はこの植物が「虎耳草科」の植物であることを突き止めました(虎耳草科=ユキノシタ科)。
しかし、さらに特徴を調べるためには、果実の標本が必要となります。
田邊は「石鎚山に人を張り付かせろ」と指示し、すぐに果実の標本を取り寄せました。一方万太郎は、虎鉄くんに送ってもらおうか、でも修学旅行でなく行けるだろうか、自分で土佐へ行こうかと考えているうち、田邊に一歩遅れを取ってしまいました。

果実に翼があることから「ヒドランゲアエ」(Hydrangea?Hydrangeaceae?)の仲間かもしれないと考えられたものの、その中に花弁が回旋状のものは記載されていない。田邊はこの植物を一属一種、新属新種の植物である、と結論付けました。そしてこの発見は、日本人が日本の雑誌に発表した最初の新属となったのです。

田邊はこの植物に「Kirengeshoma turbinata Tanabe」という学名を付けます。学名に自分の名前「Tanabe」が刻まれたことに、感慨深そうな様子でした。
この学名はドラマオリジナルで、実際のキレンゲショウマの学名は、Kirengeshoma palmata Yatabe です。田邊のモデルとなった矢田部良吉の名前が入っていますね。
種小名も違っています。palmataは掌状という意味のようです。葉の形にちなんだものでしょうか?一方ドラマの方の学名のturbinataは倒円錐形という意味のようなので、花の形にちなんだものかもしれません。

ほかの学名は、登場人物の名前を牧野→槙野、田久保→田窪と発音を同じにして、実際の学名を使っていたのに対し、ここだけオリジナルなのは何故でしょう。理由はわかりません。

田邊は妻の聡子に礼を言います。「お前のおかげだ。そばにいてくれたから」。やっと2人の気持ちが通じ合った、良いシーンでしたね…。

しかし田邊は突然、東大を非職になってしまいました。代わりに植物学教室の教授に就任したのは、海外留学から帰国した徳永でした。
せっかく日本の植物学史に残る発見をしたのになぜ…。無念すぎます。。
できれば田邊と万太郎それぞれ、ライバルとして切磋琢磨しながら、研究を続けていって欲しかったな…という気もしますが、これも史実通りだから仕方ないのでしょう…。

最初はいい人に見えたり、だんだん悪く見えてきたり、内面の葛藤や悩みを感じさせたり… 田邊がどんどん気になる存在になり、そして今日は田邊を思いっきり応援してしまいました。要潤さんの演技に引き込まれます…。

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