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”思いつき”定義集㊴「ゆ」

【優生思想】人間の序列化・格付けを是とする信仰の一種。強烈な自己保存の歪な顕れか、あるいは自己の弱さの隠蔽化のためか、この「思想」は正当化され多くの人たちを魅了してきた。とまれ、独善性の賜物であることは断言していい。
◆注①:ナチス=ドイツによって喧伝、受容され、その帰結としてホロコーストに至った史実は忘却を許さない。もっとも、目下進行中のユダヤ人によるパレスチナ人殺戮への実行と加担も思想的には同類である。人間を優劣によって選り分けているのだから。(時に人間は人間をモノとして処理することに馴致していく。子どもを狙撃して笑っていられるイスラエル兵だっている)。もちろん、命令による服従を含めてのこと。
 留意すべきは、「ユダヤ人」「パレスチナ人」などレッテルを貼り付けて対峙させたうえで事態を把握した気になることの危険性。ユダヤ人としてパレスチナ人と共闘する人もいる(少数派だが)。逆に、アラブ人もまた同じアラブ人=パレスチナ人をデニズンとして差別してきた歴史と現在がある。
◆注②:人間の序列化は戦時に限られることではない。2016年「津久井やまゆり園」で19名が殺害された事件。これは、”下等な人間”の抹殺を正義とした人間が”身近に”いる証拠。あるいは、国策としてハンセン病患者を強制隔離していた歴史も(「らい予防法」の廃止は1996(平成8)年のこと)。アパルトヘイトを嗤えない。

【有権者】民主主義国家において選挙権を行使するが、それを行使するにあたって熟慮することは意外と稀である。長い物には巻かれよ――その精神を体現することに「誇り」を持つ人もいる。したがって、政治家は安泰できる期間が概ね長くなる。ときに独裁者のサポーターになり得ることに無自覚なのが瑕。


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