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”思いつき”定義集㊲「む・め・も」

【無理】「無理無理、絶対無理」というパターン。比喩を除けば無限にある――世界征服、ペンギンの飛翔、カメの逆立ち。道理ならぬこと、諦念を示唆するが、それを承知で乗り越えてほしいのが地震の予知。
 「無理せずに」。これには親の子への配慮や危険への警鐘などあるが、普遍的な真理がある。すなわち凡庸を重んじること。人の行ないには適当でいい場合もある。
 「無理矢理」など強制に通じるもの。これは主体と客体が前提となる。どちらにもならないのが賢明さの証し。
 最後に「無理をしてでも」。難関にチャレンジする冒険的行為。冒険ではなくとも無理をしなければならない場面に遭遇することもある。それもまた世の習い。失敗も成功も賞賛に値する(たぶん多くの場合で)。

【無駄】幼児への説教(言葉がけは必要だが)。どうしようもないほど自己中心的な人間への心配り(個人的な経験も踏まえ、本当にどうしようもない人は実在する)。
◆注:アメリカ元大統領トランプを想起すれば事足りるかも。

【面目】性格や環境に左右されるが、程度差はあれ誰もが他者の視線を気に掛ける。そして人の顔色は人との関係で大きく変わるもの。面目はないより躍如たることが望ましいが、その浮き沈みの経験も大切な人の営みかもしれない。ただし、面目ばかりを気にしていると自分を追い込むことになりかねない。せいぜい大事にしたい人間関係のなかで意識するに限る。

【森】実に森こそは多様性と共生の見本であり象徴である。他愛ない連想ではなく、漫然とエコロジーの一部として括られるものでもない。自然は驚異ではあるが人間にとっては脅威にもなり得る。事実、森に囲まれて生きるのも結構大変で讃嘆に尽きるものではない。
 それでも「美しい森」と言えることはある。そこには人の関与が不可欠。ヤンバルでさえ人為が求められる。それがあってこそ「美しい森」。
◆参考文献:森を論じたものではなく政治的対話の類だが、M・エンデほか『オリーブの森で語りあう』(岩波同時代ライブラリー、1991年)。


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