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生き返れ。

自暴自棄にいた。まだいるかも知れない。ただ、生き返れと僕が僕に言っている。
かの有名な誰々がどうこう言っていた。そんなのは一旦忘れていい。
あいつはああやったから売れたとか、俺はこうしたから売れたとか、
振り返って見る轍とその時の車輪はまた違うのだろう。

死ぬように生きていたと思う。死ぬように踊っていて、死ぬように笑ってた。
何もできない訳じゃなかった、ただ肝心な事が全くできなかった。
異常を正常と誤認してしまうと変な連鎖がまた自己を苦しめるが、
その誤認に己の力だけで気付くのは非常に困難であると友人が笑いながら教えてくれた。

激励される様、説教される様を見て、引く人間もいる。
弱い事を知らない人間だっている。
それでも生きねばならないし、弱い事を知らない人間だって素敵なのだ。
僕はあの人を愛している。それが素敵だと言い切る根拠だ。
あいつに死なないで欲しいと思うと同時に、僕も死なないで欲しいと思うようになった。
お前は死ななそうだよ言われる度、ドキッとしている自分がいた。
あの時の自分は何がダメだったのだろう。
あの人はなぜ僕をそう見るのだろう。
視点が定まらないことがしんどかったりする。
死んだように踊るピエロの口は早く回れば回るほど、真に近い嘘をばら撒いていく。その言葉で己を躍らせる。

「君は自分だけがしっかり見えていないよね。」
見えないものは見えないのだろうか?
本当は見ようとしていないだけではないのだろうか。
相手に対して都合のいい誰かとして存在することの方が楽だと認識しているのだろうか。
疑問は尽きないが、見ようとしてみようと思う。
「もうさ、てか最初からだけど、君はさ、誰がどう思うとか気にしなくていいんじゃない?自分で苦しんでるって。」
胸を張るのは誰かがどうこう言ったからではなく己が己に対してまず張るらしい。
いきなり大きな胸を張らなくても、少しずつ、張る部分があっていい。
ちょっとずつ、何で自分を認めてあげるのか。
まずは、今日、今、頑張った事なのかもしれないし、あの時の自分を認めてあげる事なのかもしれない。

様々な小さいことをアップデートしなければならない。
生きることには様々な答えがある。
その論旨だと間違ってはいないが、理想論は生きることにはならない。

生き返れ。寝起きの僕が寝起きの僕に言った。
昨日、苦しい夢を見た。今日もしっかり寝汗をかいていた。
生き返れ。それはどんな無意識のメッセージなのだろうか。

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