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貝原益軒著『養生訓』第一巻 総論 上    2 養生の術を行なうことの効果            3 養生の術を早くより継続してつとめよ

(実際の『養生訓』にはありませんが、便宜上番号をふります。参照『養生訓・和俗童子訓』貝原益軒著 石川謙校訂 岩波文庫)

≪貝原先生のおはなし≫  セルフケアはセルフだからといって自分勝手にやらず、きちんとプロから学んで、努力して継続すれば長寿を全うできます。庭に種をまき、手をかけて育てるのと同じように、大切に自分を扱いケアしながら生きていく先に長寿という収穫があるのです。

稲作を知る

都会で育った私ですが、お米が大好き。日本人なのだし、稲作の流れを何年かけてでも知っておきたいと思い、今年はあるNPO団体のお米作りの会のオーナーになりました。何度か雑草取りをしたり、稲刈りをしたりと足を運び、あまり役に立っているようには思えませんでしたが、田植えからお米になるまでを一通りみる機会となりました。

田んぼの一生

『田んぼの一生』は是非一度は手にとっていただいて、半身浴にでもつかりながら、もしくは寝転んでのんびりと端から端までながめていただいて、へーっという発見をしていただきたい絵本です。細部まで図鑑のように虫や鳥も季節ごとに描かれ、稲の育つ様子が分かります。これを読むと、毎日いただくお米がさらに美味しく感じられ、感謝していただけるのではないでしょうか。

人間もお米も同じ


さて、稲だけではなく、草花の種を撒いてから実り、枯れるまでの一連の流れを人間の一生と重ね合わせて考えてみると、収穫や種ができるまで何もせずに育つということはありません。どの植物にも肥料が必要な時期、雑草を抜いたり、害虫や鳥の被害を受けないように対策する時期、等々手入れするタイミングを逃しては大きく育ちません。同じく人の場合はどうでしょう。生まれてから放っておいても育つこともあるでしょうが、たいていは大人になるまでは親の養育の下すくすくと育ち、青年期からは丈夫に健康的に長生きするために、自分で身体を鍛えたり、その時々においてケアする必要があります。

セルフケアのタイミング


お米の収穫直前になって急に雑草を抜いたり、肥料を施すことはありません。遅すぎます。かといって種まき直後に無駄に肥料をやっても発芽には不要です。人間も子どもの頃に栄養ドリンクやサプリは与えません。つまり手をかけ時、タイミングが大切です。高齢になるまで何のケアもせずにいるのはせっかくの人生がもったいないです。若いうちから自分自身を丁寧に扱いつつ、ケア=養生をしていくことで、壮年期に実り豊かな人生が送れるというわけです。自分で自分を鍛えたり、調子が悪いから休む、食べ過ぎたら食べないようにするなどの判断ができる年齢になり次第、養生をはじめると良いでしょう。そのスタートは早ければ早いほど人生の実りが多いのです。

自分勝手なセルフケアには無駄がある

セルフケア、養生といっても勝手気ままに行うのではなく、プロの技術を学ぶのが最も近道且つより効率よく効果のあるケアを行うことができます。あのサプリが良いらしいと聞いてとってみて、高価だったのに効果なしだったり、あの運動法が良いらしいと始めてみたけれど、続かず成果は分からないままやめてしまったり、と寄り道ばかりしていると時間もお金も無駄になります。若いうちにい身につく自分に合った効果のあるセルフケアの方法をきちんと学び、少しばかり努力を要しても、習慣化することで一生を心地よく過ごすことも可能でしょう。始めるのが早ければ早いほど自分のケアの方法をしっかりと身につけて習慣化、定着化できるのです。習慣になればめんどくさいとも感じませんし、自分の健康に自分で責任をもってケアし、養えば、より長く、豊かに生きる事ができるって、最高ですね。




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