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【私見】今年アカデミー賞を獲るべき映画

日本時間あさって3/11(月)、とうとうアカデミー賞授賞式が開催されます。

作品賞10本のうち「オッペンハイマー」を除く9本に加え、各種俳優賞ノミネートの「ナイアド」「ラスティン」と外国語映画賞ノミネートの「雪山の絆」の計12本を観ることができました。

まずは、その12本をお気に入り順にランキングにしてみました。

一番のお気に入りは、クリスマスに世間から取り残された3人を描く優しさ溢れるクリスマス映画(クリスマス前に見たかった)「ホールドオーバーズ」と、過去に対する人間の普遍的な感情を扱った「パスト・ライブス」の2本です。

  1. ホールドオーバーズ

  2. パスト・ライブズ

  3. マエストロ

  4. フラワーズ・オブ・ザ・キラームーン

  5. ナイアド

  6. 雪山の絆

  7. 関心領域

  8. 落下の解剖学

  9. 哀れなるものたち

  10. アメリカン・フィクション

  11. ラスティン

  12. バービー

今年は昨年と違って筆者のテンションは低め。

なぜかと言えば昨年の「Tar」vs. 「エブリシング・エブリウェア」のような台風の目となる映画の対決がなく、作品賞ラインナップ自体も画期的といえる映画がほとんど見当たらないからです。

思えば昨年の作品賞ノミネートには、上記の2本のほかにも、号泣必至の「トゥ・レスリー」、行きすぎた資本主義を冷ややかな視点で描いた「逆転のトライアングル」、ある男の悲劇的な人生を描いた「ホエール」など、必見の作品ばかりで、筆者的には充実していました。

また、今年のノミネート作品の特徴のひとつとして、「アメリカン・フィクション」「ラスティン」の黒人俳優主演の映画のノミネートによって、全体がホワイトウォッシング(ノミネートが白人俳優で占められること)にならないような配慮があると思います。

この2本ともブラック・ライブス・マター期に引き続き差別問題を扱っているのですが、黒人が主演=差別問題がテーマになるという呪縛が感じられ、少し息苦しい傾向にあると思います。

今年の台風の目は明らかに「オッペンハイマー」ですが、映画館の音響を体験したいので、映画館公開が始まるまで見ないことにしました。

したがってあまり意味はないのですが、あくまでも筆者の好みで作品賞候補9本を観た段階での各部門のオスカーを獲るべき映画を下記にまとめてみました。(実際の予想とは異なります。)

アカデミー賞主要部門ノミネート一覧

▽作品賞

「American Fiction(原題)」Amazon Prime
「落下の解剖学」2/23公開
「バービー」レンタル配信中
「ホールドオーバーズ」6月公開
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」AppleTV
「マエストロ その音楽と愛と」NETFLIX
「オッペンハイマー」3/29公開
「パスト ライブス 再会」4/5公開
「哀れなるものたち」公開中
「関心領域」5/24公開

「オッペンハイマー」を観てない段階での一番のお気に入りは「ホールドオーバーズ」です。

理由は下記記事でも書いたのですが、全編に孤独な登場人物に対する温かい眼差しが感じられ、最高のクリスマス映画になっているからです。

▽監督賞
ジュスティーヌ・トリエ「落下の解剖学」
マーティン・スコセッシ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」
ヨルゴス・ランティモス「哀れなるものたち」
ジョナサン・グレイザー「関心領域」

「キラーズ・オブ・フラワームーン」は全体として破綻した映画になっていると思います。理由は下記記事でも書いたのですが、ディカプリオ演じる主人公とその妻の関係性が少し不自然だからです。

それでも、80代に突入している監督スコセッシの怪気炎はパワフルで、すごいです。

今、ここまでパワフルな映画は、他にはタランティーノくらいしか作れないですよね。

▽主演男優賞
ブラッドリー・クーパー「マエストロ その音楽と愛と
コールマン・ドミンゴ「ラスティン ワシントンの『あの日』を作った男」NETFLIX
ポール・ジアマッティ「The Holdovers(原題)」
キリアン・マーフィ「オッペンハイマー」
ジェフリー・ライト「American Fiction(原題)」

「マエストロ」でバイセクシュアルなレナード・バーンスタインを演じたブラッドリー・クーパーには頭が下がります。

この映画のために5年間、実際の指揮法を学んだそうです。

才能のあるイケメンって本当に嫌な存在だな、と思います。(笑)

▽主演女優賞
アネット・ベニング「ナイアド その決意は海を越える」NETFLIX
リリー・グラッドストーン「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
サンドラ・ヒュラー「落下の解剖学」
キャリー・マリガン「マエストロ その音楽と愛と」
エマ・ストーン「哀れなるものたち」

どの女優も素晴らしく甲乙つけ難いのですが、実在の60代スイマーを演じたベテランのアネット・ベニングに一票をあげたいです。

▽助演男優賞
スターリング・K・ブラウン「American Fiction(原題)」
ライアン・ゴズリング「バービー」
ロバート・デ・ニーロ「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ロバート・ダウニー・Jr.「オッペンハイマー」
マーク・ラファロ「哀れなるものたち」

デニーロは毎回上手いのですが、特に素晴らしかった前作の「アイリッシュマン」でも受賞を逃してるので、今回はあげたいところです。

▽助演女優賞
アメリカ・フェレーラ「バービー」
ダニエル・ブルックス「カラーパープル」2/9公開
ダバイン・ジョイ・ランドルフ「The Holdovers(原題)」
ジョディ・フォスター「ナイアド その決意は海を越える」
エミリー・ブラント「オッペンハイマー」

久々に見るジョディ・フォスター、歳をとっても上手さは変わらず。
「女らしさ」をかなぐり捨てたアネット・ベニングとのタッグは、素晴らしいの一言でした。

以上、個人的に筆者は作品のラインナップにはあまり興奮しないのですが、久々に見るアネット・ベニングとジョディ・フォスターを楽しみにしています。

「オッペンハイマー」を劇場でみたらまた追記したいと思います。

それではアカデミー賞授賞式、楽しみましょう〜!

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