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SHINeeの日本活動が、嫌いでした。


「私が勉強を頑張ったら、SHINeeが日本活動をやめてくれる。」


勉強机の前に貼られた付箋には、そんな悲しい言葉が並んでいました。
ひとりの韓国シャヲル(SHINeeのファン)がTwitterにあげた写真でした。

私がその写真を見たのは、もう何年前だったか覚えていません。きっともうそのツイートを見つけることもできないと思います。


SHINeeが、2011年に正式に日本デビューをしてからというもの、母国の韓国ではなく、異国である日本での活動の方が圧倒的に多くなりました。
クリスマスやメンバーの誕生日など、あらゆる記念日を日本で迎えることが多くなり、時には大事な授賞式を日本でのスケジュールのために欠席することもありました。


だから、韓国のファンが怒るのも当然でした。

「また日本か」「彼らはどこの国のアーティストなのですか」「彼らは韓国の歌手です」

そんな憤りの言葉を、何度、目にしたかはわかりません。
そんな言葉を目にする度、私は行き場のない悲しみに襲われました。


そして、行き場のない悲しみは、次第に彼らへの想いも変えていきました。


慣れない土地での活動に、緊張し強張る彼らの顔を見て、
「日本の活動つまらないよね」なんて思ってしまう。

まだまだ拙い日本語で歌う彼らを見て、
「日本語歌いにくいよね、ごめんね」なんて思ってしまう。

韓国の活動で楽しそうにする彼らのを見て、
「やっぱり母国の活動が楽しいよね」なんて思ってしまう。

韓国での音楽とは全く違う方向性の音楽をする彼らを見て、
「本当はこんな音楽やりたくないよね」なんて思ってしまう。

新しい日本の活動が発表される度に、
「もう無理して来てくれなくてもいいのに」なんて思ってしまう。


そう、私は、SHINeeの日本活動が嫌いでした。

彼らが日本で活動すればするほど、
日本という国が嫌われていくような気がしたから。



韓国のファンの気持ちは、申し訳ないほどによく分かります。
日本のファンは、恵まれすぎています。こんなこと言ったら怒られるかもしれません。


でもね、それでも、私はあなたたちが羨ましかった。

彼らと同じ国に生まれ、同じ言葉を話すあなたたちが羨ましい。
彼らと同じ国籍を持つあなたたちが羨ましい。
彼らの「帰る場所」になれることが羨ましい。


どれもみんな、私たちが絶対に、手に入れることができないものだから。

私たちが、手に入れることができない、彼らとの共通点を持ってるあなたたちは、永遠に彼らの1番なんだから。

私たちは、日本人だから、韓国人である彼らの1番にはなれないんだから。
そんな風に、全てのことを悲しく考えてしまっていました。

SHINeeWORLDではなく、SHINeeWORLD”J”であることがとても苦しかった。



そんな時に、私を救ってくれた言葉があります。




”Love has no borders”




どこにいても
キミにキミに聴こえるように
ここにいるよ
迎えに行くよ
Love has no borders



初めての東京ドームという意味のある公演で、涙を流しながら「愛に国境はない」と歌う彼らを見て、私も声を上げて泣きました。

日本という異国の地で一生懸命に準備をして、最高の公演を作ってくれた彼らに、「ありがとう」では足りない分の気持ちが、涙として溢れました。


「日本の活動つまらないよね」「母国の活動の方が楽しいよね」「本当はこんな音楽やりたくないよね」「もう無理して来てくれなくてもいいよ」

そんな嫌な気持ちを抱いてしまっていた自分には、彼らの真っ直ぐすぎる想いが受け止めきれずに、涙が溢れてしまいました。

あなたたちの気持ちを疑ってしまって、ごめんなさい。こんなに愛されているのに、気づけなくてごめんなさい。


あの日から、もう羨ましいと思うのはやめました。

日本という国が、あなたたちにとって「帰る場所」ではなくても、
あなたたちと同じ国に生きていなくても、
SHINeeWORLDという仲間になれたことを、本当に嬉しく思っています。



心の狭かった私に、

国境のない愛を、教えてくれてありがとう。




いつか、だいすきなSHINeeに恩返しができるように、たくさんの想いと言葉をためています💎