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往復1900kmかけて映画2本を貸切で観てきた人

に、なっていた私の話です。
政府の「基本的対処方針」に基づく対応として、政府からは「帰省や旅行等、都道府県をまたぐ移動では、「三つの密」の回避を含め基本的な感染対策を徹底するとともに、移動先での感染リスクの高い行動を控え」るよう求められており、これを踏まえて一人で徳島県の辺りを回ってきた記録を以下にしたためるものです。
上の写真は徳島市街地から見た飛行機雲です。常に空に飛行機雲が伸びていた印象。

なお、あくまで「映画を旅程に含む旅行」をした認識なので旅行の全体像から書いていきますが、標題の件が気になる人は「徳島で映画を見た話」の章からご覧ください。

徳島旅行の話

東京−徳島間の移動

(日曜日)
21:15 バスタ新宿 発

・3列独立シートで結構快適でした。電源あり、Wi-Fi付き。

四国高速バス「ハローブリッジ号」9101便

(月曜日)
7:45 高松駅前 着
・3列独立シートの夜行バスが高松経由で行くことにしました。久々だったのが怖くて快適さを優先しました。
・湿度に驚く。歩いて数分で瀬戸内海。

海と生活が密着している様子が珍しい。

8:24 高松 発
・うずしお5号(自由席)
・事前調べのとおり、座席の大半が自由席で、かつ割と空いていました。通勤で使われている方が多い印象。

電化してないんだ……

9:10 徳島 着
・有人改札だ……
(ここから徳島市内を回ります。詳しくは次節にて。

遠くに見える有人改札

22:08 徳島駅前 発

コトバスエクスプレス704便(スーパーシート)

・4列ですが各席の間にカーテンが付いているので一応半個室状態。やはり行きの3列に比べると狭いものの、たまたま隣が空いていたおかげで多少気楽に過ごせました。電源がとれないのはちょっと怖かった。
・徳島駅〜コトバスステーション鳴門IC〜東京と至ります。予約時にこのコトバスステーションまではシャトルバスで移動して乗り換えるという注意書きがあったのですが、私(徳島駅組)は乗り換えなしで最初から予定のバスに乗れました。アナウンスを聞くに、高知などほかの地域からのお客さんはシャトルバスでここまで来たらしい。
(火曜日)
7:48 東京駅・鍛冶橋駐車場
・場内は撮影禁止らしい。なぜだろう。

徳島市内で回った場所

○「びざんの湯」(ホテルサンルート徳島)
・ホテル内の施設ですが宿泊客でなくとも利用できます。
・徳島到着直後の午前に入りました。天然温泉で露天ジャグジーまで付いて530円はお得では。(午後だと730円になるそうです。宿泊客は無料。)

びざんの湯が入るホテルサンルート徳島

○けんど茶屋

昼食の「徳島丼」

・徳島駅を出てすぐの「ポッポ街」というアーケード街にあります。
・市内各所に「徳島ラーメン」の案内が出ているのですが、ラーメンが好きなのに小麦を摂ると十中八九お腹を壊す体質のため「それを耐え忍んででも食べるか……」と悩んでいたところ、ラーメンの具を乗せてラーメンのタレをかけた「徳島丼」なるものを見つけました。私のためのようなメニュー。
・全国のラーメンが有名な都市で同じ仕組みって導入されているんですかね。やってなかったらしてほしい。それくらい良かった。

○阿波おどり会館

徳島駅からまっすぐ十数分歩いた突き当たり。

・館内にホールがあり、平日でも日に何度か阿波踊りを実演しているようです。
・予定が合わず結局1階の土産物コーナーを巡っただけですが、食べ物ならすだち、鳴門金時、わかめ。工芸品なら藍染に大谷焼き、見るものに事欠かない空間でした。

○徳島眉山天神社
・阿波おどり会館の隣にある神社です。
・鳴き鶯の天井になで牛に、見るものが多い。

肝心のなで牛も鳴き鶯もほぼ写ってない。

○ufotableCINEMA → 次章にて
○アニメイト徳島
・ufotableCINEMAの隣にある半地下のスペースに入居しています。

急に池袋に来たような安心感

・東京では品切れの報しか聞かない「リコリス・リコイル Ordinaly Days」の在庫が普通にあった。
・店内スピーカーが凄まじい音割れを起こしていて、初めて関智一さんの音割れした声を聞きました。
○旧アニメイト徳島

素人には近寄りがたい。

・お昼をどこで食べようかと散策していたら、先ほどのけんど茶屋と同じ「ポッポ街」で見つけました。回ったというか前を通っただけですね。
・2012年まではここにあったらしい。

徳島で映画を見た話

「輪るピングドラム」

標題の件です。徳島市にある映画館「ufotableCINEMA」で映画を観ました。
劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM」の「前編 君の列車は生存戦略」(以下「前編」といいます。)と「後編 僕は君を愛してる」(以下「後編」といいます。)の2本です。

ufotableCINEMA前のポスター

この映画の前提として、2011年公開の「輪るピングドラム」というテレビアニメがあります。
そのアニメを私が見終えたのが今年8月11日でした。これが遅かった。

前編の封切りは今年4月29日。4か月経過した当時、上映している映画館はほぼありませんでした。
後編は7月29日公開でまだ多くの上映館があり、ならばこういう怠惰な人間を取り込む前編の配信・レンタルはないかと探したのですが見当たらず。
(ほぼ、と書いたのは8月後半から札幌の映画館「サツゲキ」で前後編の上映が始まっていたためです。その時は「北海道に行くのはさすがにハードルが高い……」と漠然と考えていました。)

だからといって、前編を見ずに後編だけ見に行くのもさすがに違う気がする。

とあれこれ悩んでいるうちに諦めがついて、8月が過ぎていきました。

行かない理由を検証して

9月、仕事の合間を縫う形でとりあえず設定していた夏季休暇にそのまま突入し、「せっかくなら休暇らしいことの一つでも……」と考える中でふと札幌での上映の件を思い出しました。
試しに調べたところ、札幌では終映していたものの、徳島で前後編とも上映していることに気づきます。

「……いま、映画を観るために徳島旅行をしようとしている……?」と、いったん調べる手の動きを止めたのですが、しかし、

  • 徳島は行ったことないし旅行先として普通では……ほかにも観光スポットがあるわけだし……

  • 交通手段……でも夜行バスなら片道1万せずに一晩で行けるのか……

  • 夜行バスか……でも最後に乗ったの10年前で記憶もおぼろげだし、せっかくならここで1回乗って「やっぱり夜行バスは腰に来るので良くない!!」を体験しておくのもありか……(と思ったのですが今のところ2日経っても特に変化は出ていません。)

  • 県境をまたぐ移動は……いや許容はされてるのか……

  • 映画をきっかけに旅行……でも観光って「その時、その土地でしかできない経験をする」ものであって、今回はむしろ本来的では……

と、行かない理由がどんどん消せていく。

それなのに行かないのは単にやる気がないだけでは……
その怠惰さで前編を観る機会を一度逸しているのに同じ轍を踏むのか……
と考えたところで肚が決まりました。

というか、劇場版スタァライトを見るのに都内の映画館を巡り巡っているのに今さら気後れする理由もないだろうと。

貸切で映画を見た話

当日朝の窓口予約

さて、ufotableCINEMAさんは上映開始24時間前からネット予約ができず、今回の弾丸旅行では間に合わなかったので、やむなく当日朝に窓口で予約することにしました。

当日に(しかも窓口で)予約するのが久々で、良い席が空いてるよう祈りながら向かったところ「前後編とも全席空いてるので好きなところをどうぞ」との案内。
戸惑いながらスタッフのお兄さんに教えてもらったオススメの席を選択し、開演を待ちました。

前編(貸切)

前編は12:00から、全30席ほど(だいたい6席×5列)のシアター。
10分前の開場とともに一人で入ります。
そのまま10分が経過して扉が閉まります。

貸切でした。
自宅より床面積の広い空間。
しかもオススメのめちゃくちゃ良い席。なのに一人。
この時は誰もいないのについ人目を憚ってしまい、苦笑するので精一杯でした。

観客席にぽつんと座って映画(や舞台)を見るシチュエーションってそれこそアニメでよくある場面っぽいですよね。例えばといわれると難しいですが。「僕だけがいない街」のオープニング?

後編(貸切)

後編は間が空いて17:10から。
10分前にシアターの前に向かいます。
しかしやはり周りに人がいない。なんなら開場も始まらない。
これは……と思って待っていると数分前にようやく開場したので、スタッフの方に「ほかに予約されたお客さんっています?」と聞いたところ「いえ……貸切ですね」と明言されます。
そらお客さん一人だけなら開場時間を10分も確保する必要はない。
来場特典を受け取って(まだあったことにもびっくりして)中に入ります。

そしてなんと今度のシアターが全70席程度(だいたい10席×7列)、前編のときの倍です。
予約時に認識してはいたのですが、実際目の当たりにして「ここに一人……」と思うとちょっと引く。
(場内の写真は一律お断りしているとのことだったので、ぜひみなさん行って体験してください。)
一方でさすがにもう独り占めにも慣れていたので、人目を気にせず泣けました。ありがたかった。

ありがたかったけれども、やっぱり通常料金で貸切を味わってしまった後ろめたさというか、歪さというか、こう、社会の仕組み的な何か間違っている気はする。

壊しちゃおうよ、こんな間違った世界は。

まとめるほどのこともないですが

残念ながら前編・後編の上映は今日までのようなのですが、願わくは、ufotabelCINEMAさんでの今後の上映に一人でも多くの観客が入りますことを。
(ちなみにufotableCINEMAさんはその名の通り、「鬼滅の刃」を制作した「ufotable」の運営する映画館で、現在も無限列車編を上映しています。これも今はここでしか上映していないようです。)
劇場版スタァライトが上映されたらどうしよう。二度目の徳島旅行になるかもしれない。

しかし、こう改めて考えると、映画館の人からしたら月曜の朝から一人でふらっとやってきて12時と17時の回を見ていった人間はさすがに奇妙に映ったと思います。その節はすみませんでした。

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