序論

原文:

Russell, J. A. (1980). A circumplex model of affect. Journal of Personality and Social Psychology, 39(6), 1161-1178.

出展

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個人心理学と社会心理学のジャーナル1980年 39、No.6、1161-1178
「感情の円環(Circumplex)モデル」
ジェームズ・A・ラッセル
ブリティッシュコロンビア大学、バンクーバー、カナダ

因子分析の検証結果により、ほとんどの心理学者は感情を「不快感」「苦痛」「憂鬱」「興奮」などの一連の次元として扱い、またそれぞれの次元は独立して変化していると記述しています。しかしながら、これらの感情の次元が独立しているのではなく、むしろ「非常に体系的な方法で相互に関連している」という他の検証結果も存在します。この検証結果は、感情概念の相互関係が次の順序で輪のように(*循環して)並んでいる空間モデルによって表現できることを示しています。すなわち、快感(0 度)、興奮(45)、覚醒(90)、苦痛(135)、不快(180)、憂鬱(225)、眠気(270)、およびリラックス(315)です。
(*は、翻訳者の追加コメントです) (//は、原稿にはない改行を行った箇所です)

このモデルは、心理学者が「被験者の自己報告によって評価された感情的経験の構造」を表現する方法としても、一般の人が「感情を概念化するのに活用する認知構造の表現手法」としても提供されています。
感情を表す 28 の形容詞(用語)を 4 つの異なる方法で測定することによって、信頼に足る結果が得られました。すなわち、
1:変数の循環的順序付けのための Ross の手法
2:用語間の顕在的な類似性に基づく多次元測定法
3:仮定された「快感-不快感」および「覚醒度」の各次元の、一次元測定
4:343 人の被験者の、「現在の感情状態についての自己報告」の主成分分析
です。

*28の用語は以下のとおり
幸せ、喜々とした、わくわく、驚き、興奮、緊張、警戒、怒り、恐れ、イライラ、苦しみ、不満、悲惨、悲しさ、憂鬱、落ち込んだ、退屈、打ちしおれた、疲れ、眠さ、穏やか、リラックス、満足、安心、充足、安らか、嬉しさ、喜び

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