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求人ボックスのパフォーマンス改善記録

どうも後藤です。
本業ではウェブディレクターをやっています。
今回のnoteでは、過去2年間事業責任者兼、ウェブディレクターとして生きてきた僕の経験と完全な主観をもとに求人ボックスで効果が出た施策を共有します。

求人アグリゲーションサイトの広告運用に関するノウハウはニッチすぎるがあまり、中々方向性を見いだせず困っている企業様や運用担当者の方も多いと思います。

過去に自分もかなり困った経験があるので、実際にCPAを改善できた方法をまとめみたので参考にしてみてください。

前提条件

求人はフィード連携で掲載(DFplusIOを使用)
求人数は2,000件弱
許容CPAは10,000円
求人サイトなので基本的に求人情報はクライアントが管理
求人ボックスエントリーは使用せず、求人サイト遷移
画像表示あり、特徴アイコンあり
業種はブルーカラー寄り

起きていた問題と改善のために準備したこと

まずは起きていた問題点と問題点を解決するために準備したことは以下の通りです。

  • 問題点:目標の応募単価(許容CPAを超えていた)

  • 問題点:目標としている応募数を獲得できていなかった

  • 準備:数値の把握

  • 準備:目標値とのギャップの把握

  • 準備:目標数値を達成するためのKPIを決定

問題1、目標の応募単価を超過していた

まず、問題点の一つ目は目標とする応募単価を超えていたことです。
僕が所属しているチームでは、予算額を応募数で割った金額を一つの指標としています。

計算式は 予算/応募数=応募単価 で表されます。
例えば予算100万円で100応募獲得できれば、応募単価は1万円となります。
この応募単価が目標とする数値を超えていることが、問題でした。

問題2、応募数の不足

問題点の2つ目は応募数の不足です。
僕が担当しているプロジェクトでは、毎月媒体ごとの予算を決めています。
そのため、問題点1であげた応募単価が高騰すると必然的に応募数が減少してしまいます。
そのため、当たり前と言っちゃ当たり前ですが応募単価が上がりすぎて、応募が足りなくなるという事態に陥りました。

準備1、現状の数値はどうなっているか?

まずは現状の数値を把握するところから始めました。
そんなこともしてなかったのか?と言われるとかなり耳が痛いですが、実際は管理画面上だけで数値を見て、キャンペーンを少しいじるということを繰り返した結果、管理できない状態になっていました。

そこで、求人ボックスで出せる数値とGAで出せる数値をすべてエクスポートしてスプレッドシートでまとめて一覧化しました。
ちなみに対象期間は直近3か月です。

スプレッドシートで出力したレポートは月別・週別・日別・CP別・求人別と様々な粒度で作成し、それぞれのパフォーマンスを確認できるようにしました。

【洗い出した数値】
表示回数・クリック数・平均CPC・アクション数・消化予算・応募数(GAと突合)

上記に合わせて必要であれば、職種別・雇用形態別の数値もパフォーマンス確認すればなお良しだと思います。

今回は自社で運用しているサイトが特化型の求人サイトのため、職種と雇用形態は出力しませんでした。

準備2,現状の数値は目標とどれくらいのギャップがあるのか把握

次に現状の数値と目標値のギャップを把握するために洗い出した数値を確認しました。
都道府県毎のCPA、キャンペーンごとのCPA・職種ごとのCPAなど、どこで目標CPAとの数値乖離が発生しているか確認します。

ちなみに僕は都道府県ごとのCPAに着目しました。

準備3,目標値を達成するためにKPIの現実的な数値を決める

目標値を達成するためにKPIの現実的な数値目標も決めました。
求人ボックスでKPIを定めるなら、CPAかアクション単価・アクション数が良いと思います。

基本的にはCPAで設定がよいとおもいますが、求人ボックスapply URLを使用していて、サイト側のCVRが安定しているならアクション数(サイトへの遷移)を増やすことをKPIに設定することで応募数の底上げが狙えます。

目標応募単価を達成するためにやった施策

ここまでで、ある程度自社の求人ボックス運営のパフォーマンスがどんなものか把握できると思います。
抽出したデータをもとに、施策に当てはめていきます。
実際に実施して、効果があったものをピックアップしてみました。

CPをいくつかの切り口で切り分けてみる

CPをいくつかの切り口で分けてみる施策は割と効果がありました。
僕が行った切り分けは主に以下の2パターンでした。

  • CPAが同じ価格帯の求人をまとめる

  • CPCが同じ価格帯の求人をまとめる

特に効果が良かったのはCPCが同じ価格帯の求人をまとめる方法です。
求人ボックスはCPCを指定して、求人の配信や掲載順位をコントロールすることが可能です。
そして、求人ボックスは都道府県ごとでCPCの価格帯が分かれていることが割と多いです。

そこで同じCPCの価格帯を推移している求人を同じキャンペーンにまとめました。
メリットとしては、同じ価格帯の求人をまとめることでまんべんなく求人が露出するということです。


また、作成したキャンペーンごとに過去実績からCPAを算出して、予算の割り振りを決めます。

例えば、予算が100万円の場合でキャンペーンが2つのケース

キャンペーンA(CPA9,000円)
キャンペーンB(CPA7,000円)
それぞれ予算を50万円ずつ割り振ると、
50万円/9,000円=55応募(キャンペーンA)
50万円/7,000円=71応募(キャンペーンB)
足して126応募となります。
これは悪い例です。

反対に
キャンペーンA(CPA9,000円)
キャンペーンB(CPA7,000円)
で予算配分して、キャンペーンAは30万円、キャンペーンBは70万円とします。
すると
30万円/9,000円=33応募(キャンペーンA)
70万円/7,000円=100応募(キャンペーンB)
足して133応募となり、均等配分よりもそう応募数が上がります。
なんとなく予算配分を均等に割ってしまいがちですが、上記のように予算を分配することによって、応募数の最大化を図ることができます。
ただし、多少CPAが悪くても狙ったところに応募を入れたい場合は、きょようCPAとの相談になってきます。

こうすることで無駄なコストをかけずに応募数が集まりやすいキャンペンーンで効率よく応募を獲得することができます。

シンプルですが、実際に運用していてかなり効果がありました。

CVするキーワードやアクションするKWに注力する

求人ボックスで出力できるKW別レポートをもとに注力KWの入札単価を高める施策も非常にうまくいきました。

求人ボックスのレポート機能には、キーワード別にパフォーマンスを出力できるレポートがあります。
このキーワード別のレポートをもとに、キャンペンーン内の注力KWを入札強化することで無駄なKWにコストを割くことなく、応募を獲得できるようになりました。

目安としては、平均掲載順位を1ページ目に露出するくらいまでは強化してみると効果が出始めました。
実際にチャレンジする際は、少しずつ注力KWのCPCを上げていくのがおすすめです。

実際には1ページ目まで露出せずとも応募数が向上します。
また、1ページ目に表示されることで無駄クリックが発生する可能性もあり、逆に費用が掛かってしまうこともあるので見極めは大事です。

時間帯指定をする

曜日や配信の時間帯によってパフォーマンスが変わっているなら、スケジュール配信もおすすめです。
特に予算がミニマムの場合、効率が低い時間帯は少しでも配信を抑えたいはずです。

実際に僕も土日のパフォーマンスが悪く、平常時の配信の50%ほどの予算で運用していました。
(応募単価が下がった後は、応募数最大化のために土日も100%で配信しています)

職種や雇用形態などによって、曜日や時間帯のパフォーマンスは大きく変化します。
予算が少ない段階で、かつ応募単価が目標値より悪いときは思い切って効果が悪い時間帯は切りましょう。
全体のCPAが良化してきたら少しずつ予算を戻していきます。
そうすることで、予算の最適化→最大化を無駄なく行うことができます。

求人一覧画面をリッチにする

求人一覧画面をリッチにすることも求人ボックスで応募を獲得するためには効果的でした。
求人ボックスには、「特徴アイコン」といういわゆる特徴フラグ・タグのようなものを表示する機能があります。

この特徴アイコンは求人ボックスのクローラーが求人をクロールした際、求人内に含まれているテキストから自動的に付与してくれます。
ただし、どのテキストが拾われるかはブラックボックスとなっています。

そこで、できるだけ求人ボックスで使用されている特徴アイコン(サイト上ではこだわり条件)と同じテキストを求人内に入れました。
そうすることで、求人ボックスに特徴フラグ適切につけてもらい求人一覧画面で特徴タグを複数つけることができます。

元々担当しているサイトの求人でも特徴アイコンは表示されていましたが、表示数が少なかったため求人内のテキストを求人ボックスに寄せると特徴フラグの表示数が増加しました。

表示回数にはつながりませんが、CTR・CVRは若干上昇しました。
もし現在表示されていないならテキストを求人ボックスに寄せるのは有りだと思います。

タイトルを35文字以下にする

もし求人ボックスに表示されているタイトルが35文字以上の場合は、35文字以下にすることで無駄な予算消費を抑えられるかもしれません。

求人ボックスでは求人一覧画面に表示する際、35文字以上のテキストは省略表示されてしまいます。
つまり、タイトルが途中で切れた状態で表示されてしまうということです。

タイトルが切れた状態で表示されてしまうと、求職者がタイトルの続きが気になって求人をクリックしてしまいます。
求人ボックスはクリックされたときに費用が掛かるため、無駄なクリックが発生するとその分費用も無駄になってしまいます。

実際に僕が担当しているサイトでも35文字以上のタイトルが散見され、CTRは高いものの応募につながっていない求人の多くはタイトルが35文字以上でした。

35文字以上になっている求人をすべて35文字以下にすると、CTRは悪化したもののとCVRとCPAは良化しました。

CVRはタイトルを見て求人内容をある程度認識したユーザーが求人に流入するようになったため、上昇したものと考えています。
CPAも無駄なクリックが減少したため、同じ予算でもCVするユーザー数が増加し、改善が見られたものと考えています。

番外編:応募フォームを見直す

求人ボックス内のパフォーマンス改善とは少し違うので、番外編としましたが応募フォームの項目見直しも効果がありました。
元々の応募フォームは姓と名が別々になったフォームでした。
オートコンプリート機能もなくユーザーが毎回姓と名に分けて入力する必要があったわけです。

この応募フォームの姓と名を1つの入力フォームにした結果、CVRが向上しました。
求人ボックス側で対策をしたわけではないですが、CVR改善したので一例として共有しておきます(笑)

まとめ

今回は実際に僕が求人ボックスを運用していて起こった問題と施策による改善事例を紹介しました。

求人ボックスの出稿方法は、XMLフィード・クローリング・採用ボードの有料オプションと複数ありますので、使えそうなところだけ真似て運用してみるのがおすすめです。

また、自分で運用するのが難しそうだなと思った際は、副業での稼働になってしまいますが、運用代行も行っています。
広告代理店よりは安く運用できるはずですので、ぜひそちらもご検討ください。
https://www.lancers.jp/profile/kido_rsk

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