Yosyan

趣味で小説を書いています。基本はシリーズ物なので順次公開していく予定です。

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マガジン

  • 運命の恋

    転勤族の一人っ子として育ち、余所者イジメの辛酸を舐め尽くし、さらには両親がW不倫で離婚し、親にも事実上見捨てられた氷室の恋と青春の物語です。

  • 恵梨香の幸せ

    康太と結ばれ結婚した恵梨香は幸せ一杯の新婚生活をスタートさせます。それは恵梨香にとって夢のような生活です。経済的にも余裕がありますし、旦那の康太も理解があるどころか積極的に新婚家庭を築き上げるのに協力してくれます。  なにより恵梨香が嬉しいのは間違いなく愛してくれている事。これは言葉にもしてくれますし、態度でも行動でも示してくれます。これ以上はない幸せを恵梨香は手に入れたと毎日感謝するぐらいです。  そんな恵梨香の唯一の不安は、あまりにも愛されていること。愛されることに不満などないはずですが、なぜか不安を感じてしまいます。そうなると恵梨香が気になるのが、どうして恵梨香が再婚相手に選ばれたかです。  そんな時に康太の学生時代を知る者と巡り合っていくようになります。そこには康太が恵梨香にさえ伏せていた物語があったのです。

  • 黄昏交差点

    平穏な結婚生活を送っていた康太の日常は突然崩れ去ります。それはよもやの妻の浮気。その現場に居合わせ離婚になります。親権も譲った康太はアラフォーで突然独身になってしまったのです。  結婚なんてコリゴリと思う一方で、はるか初恋の思い出が蘇ってきます。まだ人を恋し、愛することがなんであるかをよく知らなかった、甘酸っぱい青かった恋の思い出です。  それは懐かしむことは出来ても、二度と同じ時間を過ごせない相手です。ところが康太の離婚をキッカケにするように、あの時のあの時間が動き出します。

  • 謎のレポート

    戦略情報本部が探り出した一遍のレポート。出どころは怖ろしいほど強固なセキュリティに守られた新興教団の本部サーバーです。ですが内容はエロ小説なのか体験談なのか得体の知れないもの。  そこには死んだはずの死刑囚が助け出されるわ、その死刑囚がほぼ完全な性転換を受けるわ、さらにマゾ女奴隷に仕立てるために過激なほどに厳しく調教される様子が赤裸々に描かれています。  あまりの荒唐無稽さにコトリもユッキーも信憑性を疑いますが、シノブがある見方をすれば、これは女神の事件になりうる事を示唆します。  神が関与する可能性がある事件となれば話は変わります。そこから推理を重ねた末にたどり着いた先に知る真相とは。

  • 麻吹アングルへの挑戦

    西宮学院大AIは写真のすべてをAIで解明することにしました。研究は鬼才天羽涼の活躍もあり、写真のすべてを解き明かしたかに見えましたが、そこに麻吹アングルが立ち塞がります。これはまさに奇奇怪怪のものでしたが、天羽はそれさえ解明に近づくかに見えました。ところが、そこに大きな壁が出現します。その壁の先に見えたものは何か、たどり着いた先にあったものは何か。

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天使と女神シリーズ 登場人物紹介

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天使と女神シリーズ 登場人物紹介

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 このシリーズは延々と長いので、主要登場人物だけ紹介しておきます。まず女神は不死ではありませんが、人としての寿命が尽きると他の人に意識と記憶を持って移り代わり、その記憶は5000年を遡ります。

 主女神:シオリ
 首座の女神:ユッキー
 次座の女神:コトリ
 三座の女神:ミサキ
 四座の女神:シノブ

 五人の女神のうち首座と次座の女神のみが5000年前からの記憶を持っています。女神の普段の生活

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次はツーリング日和

次はツーリング日和

 紹介文としては、

 通勤用にスクーターを乗っていたのですが、ある時にモンキーが出来心で欲しくなってしまいました。セットでツーリングもやりたくなったぐらいです。コロナ禍の最中のことです。

 買い替えを決意してから書き始めたのですが、これでもかの納車待ちが延々と続き、納車されるまで書いてやるんだとやってるうちに、長大なシリーズになってしまいました。

 とにかく納車待ちは長いなんてものじゃなく、

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運命の恋 あとがき

運命の恋 あとがき

 ラブ・ロマンスと言うか、ラブ・ストーリーは何度か書いていますが、今回はリサーチをかなり入れています。まず調べたのが恋愛感覚の違いが出ていないかです。そりゃ、自分の経験は四十年も前だからです。

 あれこれ調べた結果として基本は変わらないで良さそうでした。誰かに好意を抱き、それが恋愛感情に育つものの、相手は自分の事をどう思ってくれるのか思い悩むぐらいです。違いは時代の進歩によりガシェットが変わって

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運命の恋(第42話)特別の日

運命の恋(第42話)特別の日

 こんな事を思っているのは、今日が特別の日だからなんだ。マナツの記憶を全部思い出す特別の日なんだ。というか、勝手に思い出してしまう日だよ。恥しい事も、嬉しい事も、悲しい事も、とにかく全部思い出す日。そうしなくちゃいけないし、そうなってしまう特別の日だよ。

 これはマナツしか知らないジュンの秘密だよ。正確にはもう一人知っている女がいる。秘密を知っている女の良く言えば思い出話、悪く言えば愛憎の記憶、

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運命の恋(第41話)マナツの回想

運命の恋(第41話)マナツの回想

 マナツの父親、いやあのクソ親父は最低だった。クソ親父の実家はそれなりの資産家で、地方なりの旧家らしかったけど、今の世の中でありえないぐらいの男尊女卑の権化みたいな奴。モラハラ上等のDV野郎ぐらいを思えば良いと思う。

 そんなところにマナツが産まれたのだけど、妊娠中に娘だとわかった瞬間からお母ちゃんを責め立てたそう。

「役にも立たん娘を孕みやがって」

 そう跡取り息子が欲しかったってこと。そ

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運命の恋(第40話)運命

運命の恋(第40話)運命

 美香の葬儀には出なかったけど、後日に美樹ちゃんに呼び出された。

「淳兄ちゃん、ありがとうございました」

 美香は美樹ちゃんが下宿に来る前は痛みに苦しんでいたそうなんだ。さらに御両親と一緒に来た頃には意識も途切れ途切れになっていたと言うんだよ。

「でもボクが行った時には、しっかりしてたよ」
「奇跡が起こったのです」

 美樹ちゃんは美香に、もうすぐボクが会いに来るって耳元でささやき続けたそう

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運命の恋(第39話)最後の時間

運命の恋(第39話)最後の時間

 エレベーターを降りると詰め所みたいなところがあった。ナース・ステーションって書いてあるな。そこに行って名前を告げ美香との面会の希望を話すと、

「伺っております。ご案内させて頂きます」

 ここは病院の最上階で廊下にそって並ぶドアはホテルみたいだ。さすがは美香の家だな、噂に聞く特別室ってやつだろ。廊下なんて絨毯だぞ。でもここは病院、美香はここで病魔と死闘を繰り広げていたんだ。

 美香に会うと決

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運命の恋(第38話)宿命の交差点

運命の恋(第38話)宿命の交差点

 あれからマナは美樹ちゃんと連絡を取り合ってるみたいだった。そして、

「日曜日に来られるって」
「美樹ちゃん独りじゃ危ないぞ。前の時だってラッキーみたいなものだったじゃないか」
「あれはジュンが入れてやらなっかたのが悪い」

 結果的にはそうだけど、こんな街に余所者の女子高生が、たとえ昼間であっても歩くのは賛成できないな。別にボクの下宿じゃなくてもファミレスとかの方が良くないか。

「それがね、

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運命の恋(第37話)訪問者

運命の恋(第37話)訪問者

 ボクのスマホにも着信は少なからずある。学校の友だち、歴史サークルからの連絡、サークル仲間からのもの、もちろん諏訪さんや今泉、言うまでもないけどマナからもだ。だけど、数はそれなりにあっても、限られているのは限られている。

 それでも見知らぬ着信が入ることもある。そういう着信は詐欺まがいの事が多いからスマホは登録した電話番号以外は拒否するように設定している。社会人なら困ることもあるかもしれないが、

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運命の恋(第36話)マナの怯え

運命の恋(第36話)マナの怯え

 感動の初体験から始まったマナとの同棲生活も二年が経った。そうボクも最終学年になった。就活も順調で、後は卒論を仕上げて卒業にまっしぐらかな。マナの実家にも定期的に挨拶に行ってるけどマナのお母さんは、

「もうすぐ卒業ね。卒業してすぐは難しいかもしれないけど、いよいよマナツの花嫁姿が近づいて来たから楽しみにしている」

 爺さんも含めて結納のタイミングなんて話題が最近はホットかな。それだけマナとの関

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運命の恋(第35話)同棲へ

運命の恋(第35話)同棲へ

 感動の朝だったけど、狭いお風呂で一緒にシャワーを浴びて着替えたら、マナはいつものマナに戻って行った。

「マナツの記念だけど、さすがにね」

 シーツを洗った。そりゃ、恥しいだろうな。手洗いまでして丹念に洗ってたよ。それが済むと手際よく朝食を整えてくれた。でも昨日までのマナじゃない。もうボクのマナだ。どうしたって昨夜のマナの姿が脳裏に蘇ってくる。

「やっぱり痛かった?」
「どうしてもね。でも、

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運命の恋(第34話)二十歳の夜

運命の恋(第34話)二十歳の夜

 無事二年に進級、学生生活は順調だ。マナとの交際も、もちろん続いている。マナの二十歳の誕生日もしっかり祝わせてもらった。今度はボクの番だけどワクワクしてる。

 そんなマナとの関係だけど、正直な話、マナが欲しくなってる。そうなんだ、まだなんだよ。キスまでは行ってるけど、次はまだ。恋人同士なら進んだっておかしくなけど、どうしても切り出せないんだよな。

 マナはどう思っているのだろう。待っているのか

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運命の恋(第33話)新生活

運命の恋(第33話)新生活

 大学は無理すれば売られてしまった家からでも通えたが、無くなってしまったものはしようがない。父親はどこの大学に合格したなんて興味も関心も無かったしな。その下宿だけど家賃と広さで選んだ。

 下宿は古いマンション。そう言えばリッチに聞こえるかもしれないけど、昭和の公団住宅みたいな代物だ。それでも内装はリフォームされているみたいで小綺麗だったし、2Kと言うらしいが、キッチンと部屋が二つある一人暮らしに

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運命の恋(第32話)再生

運命の恋(第32話)再生

 辛すぎる日々だった。それでも美香との失恋だけで自分の人生を捨て去ってしまうのも惜しい気がしてきた。こう言えば格好良さそうそうだけど、未練と思い切りの間で振り子のように心は激しく揺れ動き、段々に思い切りに傾いていったぐらいだよ。今だって狂おしくなる夜はある。そんなに簡単に思い切れるなら誰も苦労しないものな。

 大学は進学することにした。そのための勉強はかなりじゃないぐらい辛かった。あれも拷問のよ

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運命の恋(第31話)あれから

運命の恋(第31話)あれから

 気が付くと電灯の明かりが目に入った。あの世にも電灯があるんだと感心してたら、

「ジュンちゃん」

 マナじゃないか、参ったな天国にもマナがいるのか。天国でもマナと組手でぶん殴られないといけないなんて。いやいや、天国じゃぶん殴られないから、ここは地獄か。地獄の獄卒じゃボクに勝てないからマナを呼んだとか。

「氷室、わかるか今泉や。お粥を作ってくれてるからな」

 じゃあ、死んでないのか。腹だけ減

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運命の恋(第30話)相談

運命の恋(第30話)相談

 ここは波濤館流道場の一室。集まっているのは山吹真夏、諏訪理子、今泉健太郎の三人。行方不明の氷室淳司を自宅で発見し、波濤館流道場に運び込んでいる。

「山吹さん。あんなパンチを喰らわせて氷室は大丈夫なのか」
「ああやって静かにさせないと今泉君は病院送りになってたよ。今のジュンちゃんは弱ってるけどセーブの観念が無いから、殺されたって文句は言えないぐらい」

 今泉はちょっと驚きながら、

「それでも

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