もとゆき

主にモビリティー、通信などのテクノロジーについて、世の中で何が起きているか、未来はどう…

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主にモビリティー、通信などのテクノロジーについて、世の中で何が起きているか、未来はどうなるのか、マスメディアではなかなか得られない観点から情報提供を目指します。

最近の記事

交通事故ってどれくらい起きているの?

死亡事故が発生するとニュースで報道されるが、年間3000件近く発生しているので(2020年)、通常目にするのは一部ということになる。負傷者で言えば年間約37万人(2020年)もいる。この中には重傷者も含まれる。そういえばパラリンピック選手も交通事故で障害を患ったという人も多かった。 数値だけ見てもいまいちピンと来ないが、地図で見るとどれだけ多く、しかも身近で発生しているかが分かる。交通事故の発生場所は自治体によって公表しているところも多く、ウェブで閲覧できる。その中でも埼玉

    • 交通事故をなくすためには(3)認知の限界

      人は前を向いて運転しているとき、周りの様子は周辺視野で確認している。他の車の動き、歩行者の動き、道路の向き、信号の色、標識、ミラー等、様々なものを見て脳が瞬時に処理している。すさまじい処理能力だ。 それでも人の能力には限界がある。まず、目が前にしか付いていないので、前を向いている間は90度以上横は見えない。そして、車の構造上見えない部分もある。運転席斜め前についている柱(ピラー)の方向と、ミラーで見えない斜め後ろの死角である。 こういう死角に対しては顔を傾けたりして目視で

      • 自動運転になったら事故はなくなるの?

        自動運転技術が進化している。20XX年にはすべての車はEVになっていて、車のドアは指紋認証で開き、座ったら会話で目的地を車のシステムに伝える。その後は目的地に着くまでテレビを見たり本を読んだり仕事をしたり好きに過ごすことができる。すべて自動なので寝ていてもいいし、お酒を飲んでもいい。そんな理想的な未来は来るのか。 1つ目の障壁:そもそも高くて買えない自動運転車にはいくつもの高価なセンサーが搭載されていて、少なくとも今の車よりはコストが高い。自動車メーカーによって考え方は違っ

        • 交通事故をなくすためには(3)歩行者飛び出しへの備え

          見通しが悪い細い道を高速で通過するドライバーは多い。そういうドライバーはその道に慣れており、警察もいないことが分かっているので、いつも高速で通過する。ただ、その速度では歩行者の飛び出しには対応できない。 免許取り立ての状態だったり、初めて通る道というのは慎重に走るものだ。でも急いでいたりして一度スピードを出して大丈夫なことが分かると、次からも同じようにスピードを出し、スピードの出しすぎは常習化していく。 歩行者が飛び出したら対応できないスピードがその人にとって普通になって

        交通事故ってどれくらい起きているの?

          交通事故をなくすためには(2)

          運転してはいけない状態で運転してしまっているということが事故につながることが多くある。特に無免許、飲酒は大事故につながることも多い。 道路交通法の厳罰化や警察の取り締まりのおかげもあって、こうした事故は減ってきている。飲酒運転による死亡事故は2010年に295件あったものが2020年には159件に減っている。ただ、それでも2日に1件くらいのペースで起きているし、死亡しないケースを含めると2500件を超えている。(内閣府 交通安全白書より)実際には見えていないところでもっと多

          交通事故をなくすためには(2)

          交通事故をなくすためには

          最近、子供たちを巻き込んだ交通事故がよくメディアで取り上げられている。2019年に大津市で保育園児らに突っ込んだ事故、同じく2019年に池袋で暴走した車が母子に突っ込んだ事故、2021年に八街市で小学生の列にトラックが突っ込んだ事故は、多くの人が記憶に新しいと思う。 死亡事故死者数は減少傾向にあるが、それでも年間約3,000人が亡くなっている。10年間で3万人、一日10人弱が亡くなっている計算になる。もはや戦争中のレベル。重傷、軽傷など報告されている交通事故すべてを含めると

          交通事故をなくすためには

          自動運転の時代は来るのか?

          昨今、自動運転への期待が膨らんでいるが、多くの自動運転車が公道を普通に走り、私たちが不通に利用できるような時代は来るのだろうか?技術的、コスト、社会受容性の観点で考えてみた。 技術面ウェイモを筆頭として多くの企業が自動運転技術を開発し、公道試験を行っているが、まだまだ道のりは険しいようである。晴れの日でほとんど車がいない状況であれば自動運転はすでに実用化に近いと言えそうだが、実際には様々な状況に遭遇する。例えば、渋滞中の車線変更や合流で多少強引に割り込まなければいつまでも先

          自動運転の時代は来るのか?