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セラピストは、知識だけではなれない① ~知識以外で伝わるもの~

「のびやか四葉カフェ」は、セラピー理論、つまりセラピーに役立つ「知識や情報」をお伝えする場所なのですが…

「セラピストは、知識だけではなれない」
「知識だけでは効果が出ない」

ということを、やはり最初に、触れておきたいと思います。

▼LISTENでの音声配信記事はこちら

こちらnote記事では、音声配信した内容を簡単な箇条書きの形で、要約しておきたいと思います。



セラピストとは何か。どんな存在なのか。


まずセラピストとは、
専門知識を生かして、自分や他者の心身を癒せる人のことだ。

セラピーには、いろいろな種類がある。
セラピストにも、様々な肩書き、方法の人がいる。
でも全てに共通するのが、心身に傷やダメージ、負荷を負っている人を、「癒す」「ラクにする」という働きをする所だろう。


専門知識や技術があるだけでは、ダメな理由


セラピストは専門知識を生かして、自分や他者を癒す人だけれども、専門知識や技術があるだけでは、その役割を果たすことができない

このことを説明するのに、お医者さんを例に話してみる。

お医者さんも広い意味ではセラピスト。
医者の中には、専門知識も技術もあるけれど、忙しくて3分診療だとか、上から目線で偉そう、なんて方が、結構いる。

そんな医者だと、診察を受ける側としては、こう思う。「こちらは困っているのに、辛いのに、全然”寄り添ってもらっている”感じがしない」。

例え、怪我とか外的な治療で訪れているとしても、そんな風だと、気持ち的にこの医者に「任せよう。信じよう」という気持ちになれない。


ちなみに私は、心理カウンセラーとして、トラウマセラピストとして、心の問題やトラウマを扱っている。

それらを扱う大前提として、クライアントが、セラピストやそのセラピーの場に、「安心安全を感じてくれているか」は、一番大事な、絶対条件とも言える条件だ。

相手が安心安全を感じていなかったら、心とかトラウマというデリケートな問題を扱えないし、仮に、こちらが立派な専門知識や技術を繰り出しても、おそらく相手には届かないし、効果も出ないだろう。


セラピスト本人も気づいていない「無意識で伝わっているもの」がある


そして、自戒も込めて伝えたいのが、このことだ。

例えセラピストが、クライアントに配慮をしているつもりでも、優しくとか、良かれと思って接しているつもりでも、相手に、緊張感とか圧倒される感じを与えてしまうことがある、ということだ。

その原因は、セラピスト側、クライアント側、両方にあり得るけれど、ここではセラピスト側の原因でそうなってしまう例を、3つほど挙げてみたいと思う。


1つめは、セラピストが、疲れている、睡眠不足、時間に追われている。そのストレスから、神経が高ぶっている状態になっているケースだ。疲れやストレスでイライラ、キリキリしていることが、こちらは隠しているつもりでも、やはりどこかで、相手に伝わってしまうことも多い。

2つめは、セラピストが感じている不安や動揺、焦りなどが、相手に伝わってしまうケースだ。セラピスト初心者とか、経験が浅いとか、あるいは研修などで、先輩や指導者に見られている状態でロールプレイしているとか、そんな状況でもよくあるケースだろう。セラピスト側の緊張は、その場、相手にも緊張感を与えてしまう。

3つめは、クライアントの話から、セラピストが持っている未消化・未完了の問題を刺激されてしまい、無意識だけど、セラピストが過剰反応してしまうケース。必要以上に感情移入したり、アドバイスや介入をしようと気合が入ってしまったり。

セラピストの良くないコンディション、緊張や焦り、刺激されての過剰反応などは、こちらは無意識でも、意外と伝わってしまっている。そしてそのことが、クライアントに不安や緊張、つまり「安心安全ではない」ことを、伝えてしまっていることがある。

これは、最近話題になっている言葉で言えば、「心理的安全性」とも言えるかも知れない。

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長くなってしまったので、
だからこそ…という話の続きは、また次回へ。


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